拉致被害者の家族、
本作は、フジテレビに残された2000本以上に及ぶ横田夫妻のVTRと新たな取材をもとに、娘・めぐみさんと再会したい一心で41年間活動を続けてきた夫妻の闘いを描くもの。菊地が早紀江さん、勝村が滋さんを演じた。番組内では2002年に帰国した拉致被害者・曽我ひとみさんと蓮池薫さんのインタビューから、めぐみさんの生活の一端が明かされる。
菊池は横田さん夫妻が突き付けられた現実について「本当に怖くて苦しくて悲しいことだと思います。自分に置き換えて想像したこともないし、想像したくもないことです」と述べ、視聴者に向けて「自分の子どもが突然いなくなったらどうなるか? 皆さんも共感して見ていただけると思います。それが歴史的な事件と絡んでいく様子を見守っていただければと思います」とコメントした。
勝村は、現在80代の夫妻が活動を続けることに触れながら「80過ぎた親御さんたちの時間には限りがあります。今の若い人たちは拉致のことも、北朝鮮そのものをあまり理解していない人もいると思います。この番組を通じて“帰ってくるまで終わらない”戦いが続いていることを知っていただけたらと思います」と語っている。
「独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ~横田夫妻、最後の戦い~」
フジテレビ 2019年3月30日(土)15:30~17:30
菊池桃子 コメント
横田早紀江さん役のオファーを受けたときの感想
正直、難しいなと思いました。報道番組を通して拉致事件のことは何となく知っていましたが、詳しいわけではなかったですし、多くの人が知っている人物を演じるのが違和感なくできるのか不安でした。でも、台本を読んだとき【自分の子供が突然いなくなったらどうしますか?】というシンプルな親心がテーマの中心にあったので、それだったらできるかな、と思いました。
母という立場から、早紀江さんが突き付けられた現実をどう捉えたか
本当に怖くて苦しくて悲しいことだと思います。自分に置き換えて想像したこともないし、想像したくもないことです。
早紀江さんに抱いていた印象と、演じてみて変わったこと
報道番組で見ていた早紀江さんには、とても強い方だなという印象がありました。インタビューにも毅然と答えていらして。そこが、自分が演じる上で壁になるかなと思ったのですが、プロデューサーさんとも話して思ったのは、早紀江さんは、実際は強いわけではなくて、普通のお母さんなんだ、と。そんな普通のお母さんがあそこまで人々に強い印象を与えるほど頑張らなくてはならないのか、という意味を皆さんに考えていただくきっかけになればと思います。皆さんの知っている早紀江さんのイメージを見せたいなと思いつつも、家庭にいるシーンでは皆さんが知らないような普通のお母さんでいるところをしっかりお見せしたいです。
印象的なシーンと難しかった点
お父さん(滋さん)とのシーンで、早紀江さんのすごく弱い部分、不安な部分、怖い部分をお父さんにぶつけているんですね。本当に泣いてばかりのお母さんで、お父さんがいなかったら進めないような道を選ぶというシーンは印象的でした。また拉致被害者が帰ってきた羽田空港のシーンは自分の娘がいないタラップをみつめるカットは難しかったです。監督から“普通のドラマのように小さな感情の出し方では伝わらない”と言われました。ドキュメンタリードラマでは実際の映像の迫力が強いので、ドラマ部分は普通のドラマよりもポンポンと感情を上げていかないと生の映像に負けてしまう、と。そこは監督から指導いただきながら意識しました。
早紀江さんの20代から現代まで長い期間を演じるうえでの工夫
ウィッグをつけて白髪にしたり、しわを描いてみたり……プロの力を借りて変えていました。時代がどんどん進んでいくので気持ちを追いつかせていくのは大変でした。
視聴者へのメッセージ
自分の子どもが突然いなくなったらどうなるか? 皆さんも共感して見ていただけると思います。それが歴史的な事件と絡んでいく様子を見守っていただければと思います。
勝村政信 コメント
横田滋さん役のオファーを受けた感想
驚きました。ドラマ化されるのはもちろんですが、僕で大丈夫なのか、と。拉致事件は未解決ですし、横田さんご夫妻を日本中の人が知っていますから。しかし、ドキュメンタリードラマは何度もお世話になっておりまして、作品ひとつひとつに縁を感じています。なので、ぜひやらせていただきたいと思いました。
横田滋さんへの印象と演じてみて感じた変化
ニュースでの知識しかありませんでしたが、滋さんたちが人生をかけて戦わなければいけない理不尽さを感じていました。この作品で、滋さんの明るく知的な存在が、本当に皆さんを引っ張っていったということがよくわかりました。もちろん拉致被害者の家族皆さんが同じ思いをされているのですが、滋さんは際立って強い方だと感じました。
難しかったシーン、悩んだシーン
全部ですね。めぐみさんが拉致されるシーンは、演者だけではなく撮影スタッフも辛かったと思います。何故めぐみさんだったのか? そして帰国された人たちも素直に喜べないという悲しい現実があります。どうしても泣くシーンが多くなってしまうし、事実がわかっているので、すべてのシーンが苦しかったです。
滋さんを演じるうえでこだわったこと
余計なことをしないということですね。過剰なことはしない。現場では本当に菊池(桃子)さんの存在が大きくて。悲しい中にも凛としたたたずまいで、そこに光があるんです。皆、真っ暗の中で手探りなのですが、菊池さんがいるだけで明るくなりました。菊池さんも大変だったでしょうけれど、キャストスタッフ全員が菊池さんに救っていただいたと思っています。
視聴者へのメッセージ
80過ぎた親御さんたちの時間には限りがあります。今の若い人たちは拉致のことも、北朝鮮そのものをあまり理解していない人もいると思います。この番組を通じて“帰ってくるまで終わらない”戦いが続いていることを知っていただけたらと思います。
佐竹正任(企画)コメント
2年前の夏に横田夫妻の本格的な取材を始めてから現在に至るまで、日を追うごとにおふたりの老いが進み、滋さんは入院されるなど、残された時間が短くなっていくことを実感してきました。その間、2度に渡る米朝首脳会談が開催され、どちらも拉致問題が提起されるなど、解決への機運は高まっているように見えます。現在の状況は、横田夫妻や高齢の拉致被害者家族にとって、最後の希望と言えるのではないかと考えています。こうした実情やご家族が抱えてきた思いを、菊池桃子さんと勝村政信さんに完全に共有して頂いたことで、大変に思いのこもったドキュメンタリードラマが完成し、横田夫妻の41年間の真実を克明に描くことができました。一家にとって太陽のようだった13歳の女の子が突然いなくなり、ごく普通の夫婦が過酷な運命に翻弄されていきます。泣かされ続けながらも、娘に逢いたい、その一途な希望を胸に、横田夫妻は毅然と戦ってきました。その生き様を、今回、ぜひ国民の皆様に広く知って頂きたいと思っています。そして今一度、全拉致被害者の即時一括帰国というご家族たちが掲げる目標に向かって日本が一丸となってくれたらと切に願っております。
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始まるよ
「独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ~横田夫妻、最後の戦い~」
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