5月7日、TBSドラマ特別企画「あにいもうと」の会見が東京のTBS放送センターにて行われ、キャストの
室生犀星が1934年に発表した同名小説をもとにした本作は、ある一家の兄と妹の情愛を通して家族のあり方を見つめる人間ドラマ。1972年に放送されたドラマと同じく山田と石井がタッグを組み、新たな結末を描き出す。
渥美清と倍賞千恵子が出演した1972年版を「思い出の作品」と話す石井は、今回兄妹を演じる大泉と宮崎について「60年近くこの仕事をしていますが、今まで出会えなかったことを後悔しました。お二人に出会えたことは素敵な財産です」と喜ぶ。山田は「前作のときに感じていた不満もあり、もっと膨らませて別の結末の脚本を書きたいなと思っていた」と述懐し、「(兄妹を)誰が演ずるか大問題だったんですけど、大泉さんと宮崎さんは当代きっての大スター。この2人だったら必ずやそこにキャラクターがいるように演じてくれるんじゃないかと安心しました。これ以上言うことがないくらいぴったりの配役」と称賛した。
大工職人で赤座家の長男・伊之助役の大泉は「子供の頃から『男はつらいよ』を観ていましたし、4歳くらいから寅さんのまねをしてたんです。脚本を読むと寅さんがいるようにしか思えなくて、興奮しました」と述べ、「家族の愛がたっぷり詰まっているうえに、これでもかとコメディの要素が入ってます。これまでがんばってきたことへのご褒美のような、素敵な役でした」と語る。
トラック運転手で赤座家の長女・桃子(もんち)役の宮崎は「愛にあふれた脚本だなと思いました。台本を読んでもんちが大好きになり、この女性になれるんだというわくわくがありました」と振り返る。そして、「出会いが財産だということをすごく実感する、いい現場に参加させていただいたなと思います」と思いを話した。
オファーを受けた際、「顔合わせに行った途端に『こいつじゃない』と言われたらどうしよう」と不安な気持ちだったという大泉は撮影を振り返り、「山田さんが現場にいらっしゃいまして、とんでもない緊張で汗だくでした。でもその場で演出してくれて、あんなに充実した本読みは経験したことがないです。母に『こんな幸せな現場でやってるんだよ』と報告したくらい」と明かす。
役作りのために大型免許を取得したという宮崎は「トラックの運転席の高さを知っている女性ってどんな人なんだろうと。あと、もんちは行動的な女性の気がしたので相談して髪を切りました。みんなで作っていった感覚があった」と吐露。大泉はそんな宮崎の演技を「アドリブで僕にやり返すようなお芝居だったり、今まで観たことがないような宮崎さんを観ることができます」とアピールした。
最後に大泉は「ゲラゲラ笑いながら、気付いたら涙が出てるようなドラマです。ずっと抱きしめていたいような愛おしい作品で、観たらきっと家族に連絡したくなると思います」、宮崎は「現代ではなかなか観れない大きな愛にあふれた家族の物語だと思います。家族みんなで観て、自分たちなりの家族の話もできるんじゃないかと思います」とそれぞれメッセージを伝え、イベントの幕を引いた。
なお、赤座家の次女・佐知役に
「あにいもうと」は6月25日にTBSで放送。
※宮崎あおいの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
TBSドラマ特別企画「あにいもうと」
TBS 2018年6月25日(月)20:00~22:00
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大泉「山田さんが現場にいらっしゃいまして、とんでもない緊張で汗だくでした。でもその場で演出してくれて、あんなに充実した本読みは経験したことがないです」/大泉洋と宮崎あおいがドラマ「あにいもうと」で共演、山田洋次が脚本を担当 https://t.co/PJQDqD9aiA