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寺山修司の長編小説を2部作で映画化した「あゝ、荒野」は、菅田が人生の挫折を味わった少年院上がりの新次、ヤン・イクチュンが吃音と赤面対人恐怖症に苦しむ“バリカン”こと建二を演じる青春ドラマ。
この舞台挨拶には菅田とヤン・イクチュンのほか、
ヤン・イクチュンとはクランクインの半年前に顔を合わせたという菅田。「そこからボクシング練習を始めたんですが、そのときは僕が50数kg、ヤンさんが70数kgで、体重差が20kgくらいありました。劇中ではお互い60数kgの設定なので、だいぶ絶望的なスタートだったんですが、半年後にお会いしたらだいたい同じくらいになってましたね」とお互いの肉体改造について語る。ヤン・イクチュンが「菅田さんのボクシング映像を見せていただいて、緊張しました。僕のほうが引けを取ってるんじゃないかと」と振り返ると、菅田も「僕もヤンさんのスパーリングや叫んでいる映像を見せてもらって、やばい!『息もできない』の人が出てきた!って(笑)。がんばらなきゃと思ったんです」と明かした。
新次の恋人・芳子役の木下は、クランクイン初日に菅田と濡れ場の撮影に挑んだ。「はじめましてって挨拶した3分後にはもう……」という木下に続けて、菅田は「裸だもんね。そんなことあります? あるっていう人、手挙げてください」と観客に問いかけて笑いを起こす。しかし2人は「あれが初日でよかった」「すべて見せてるから、もう恥ずかしいことがないと思えた」とうなずき合った。
ユースケに「とにかく心が痛かったです。俺の愛する菅田くんとイクチュン、山田くんがリングの上でボロボロになっていくんですよ。本当にけっこう当たってるよね?」と聞かれると、菅田と山田は「僕らに関しては、信頼関係のうえでOKにしてました」と答える。特にボディへのパンチは実際に当てていたそうで、菅田は「試合シーンの手はざっくり決まってはいるけど、大事なのは向き合ってる時間や空気感。本当に殴っても大丈夫だからこそ緊張感が出るんです。油断すると殴られるから」と、山田は「お芝居を超えて……ボクシングしてました。それが画に出ていたからよかった」と振り返った。
またユースケは、でんでんが撮影初日に突き指をしてしまったことに触れ「指導する役なのに、ジャブしか受けられないっていう状況で。イクチュンをしごくシーンがあったんですけど、全部ジャブでしのいでました。ジャブジャブ! ジャブジャブジャブ!って(笑)」とものまねを披露。またヤン・イクチュンが「ボクシングジムセットの前で工事をしていて、人々がダボッとしたズボンをはいていたんです。僕たちの撮影に、そのダボッとしたズボンの人が入ってきてしまったので、どなただろうと思ったら、でんでんさんでした」と話し、爆笑を起こした。
最後にヤン・イクチュンは、日本語で「2人の男が出会って、自分たちの心で話をする映画だと思います。家族の雰囲気で、面白く撮りました。ありがとうございます!」と挨拶。そして菅田が「原作は1960年代の作品ですが、きっと今も昔も変わらず孤独な人は、荒野のように心が荒れて、愛情に飢えていたりすると思う。そういう過去を埋めていきたいという2人の男の物語です。未来を作っていく映画だと思っています。大事に観てほしいです」と訴えかけ、イベントを締めくくった。
「あゝ、荒野 前篇」は10月7日、「
※「あゝ、荒野」はR15+指定作品
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