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乃南アサの同名小説をもとにした本作は、強盗傷害など犯罪を繰り返す若者が、逃亡先で偶然出会った老婆たちの温かさに触れ、人生を見つめ直していく物語。舞台挨拶には
人生のターニングポイントが物語の軸となっていることから、林は自身のターニングポイントとなった出来事として「スカウトされてこの業界に入ったこと」を挙げる。中学の修学旅行で滋賀から東京へやって来ていた林は、山手線の渋谷駅でスカウトされたという。「山手線って2分置きに次々と電車が来るじゃないですか。そんな中で(スカウトマンと)出会ったんです」と林。当時に思いを馳せ、「同じ班だった女の子が『渋谷に行きたい』って言ってなかったら?とか考えてしまいます。その女の子に感謝します(笑)」と笑みをこぼす。
また林演じる主人公・伊豆見が劇中で「坊」と呼ばれることにちなみ、話題は登壇者たちのあだ名にまつわるエピソードに。林は「人生であだ名を付けられたことがない」と切り出し、「兄と妹がいるんですけど……。昔から妹は僕の兄を“お兄ちゃん”と呼ぶのに、僕のことは“けんちゃん”って呼ぶんです。なんでだろう?といまだに引っかかっています」と明かした。
イベントでは、映画の公開を記念して東がほかの登壇者たちへブローチを手渡すというサプライズも行われ、会場には自然と拍手が沸き起こった。伊豆見と交流を深める老婆・スマを演じた
2007年に「バッテリー」の主演を務めた林は、2017年でデビュー10周年を迎える。満員となった会場を見渡すと、林は最後に「このタイミングでこの作品に関われ、市原さんをはじめ偉大な役者さんたちと1つの作品を残せたことは、生涯僕の心に強く残ると思います」と力を込めて語った。
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