第135回直木賞候補作に選出された貫井徳郎の小説「
同原作は、週刊誌の記者が1年前に起こった一家惨殺事件の取材を行う中で、理想的な夫婦という世間のイメージとはかけ離れた男女の実像に迫っていくミステリー。ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランドのウッチ国立映画大学で演出を学び、本作で長編デビューを飾る石川慶が監督、「松ヶ根乱射事件」「マイ・バック・ページ」の向井康介が脚本を手がける。企画制作はオフィス北野が担当。
事件の真相を探る記者の田中に扮する妻夫木は「人間は愚かな生き物なのだ、ということにこんなにも真正面からぶつかった作品はなかなかありません。僕たちはこの泥沼に浸かることに決めました。追い込まれて、追い込まれて出た最後の命の一滴を最後まで見つめて頂ければ幸いです」と意気込みを語る。
田中の妹・光子を演じる満島は妻夫木との共演について「ほんとうの兄のように慕っている妻夫木さんがいるので、とても安心です。新しい挑戦を一緒にやれる幸せも感じます」とコメント。原作小説に惚れ込んでいる様子の石川は「妻夫木さん、満島さんらの繊細な芝居と、この作品のために集まってくれた最高のスタッフたちとの間に、どんな化学反応が起こるのか、規格外の映画になる予感がしています」と心境を明かしている。
2017年公開予定の本作。撮影は3月中に、都内および関東近郊にて行われる。
妻夫木聡 コメント
人間は愚かな生き物なのだ、ということにこんなにも真正面からぶつかった作品はなかなかありません。僕たちはこの泥沼に浸かることに決めました。追い込まれて、追い込まれて出た最後の命の一滴を最後まで見つめて頂ければ幸いです。何度も共演させて頂いていますが、その都度役に全力投球してきてくれる満島ひかりという女優が僕は大好きです。全力で受け止め全力で返していければいいなと考えています。愚かさを追求すること自体、愚かな行為だと思います。ですが、この映画に期待せずにはいられないこの想いこそ、人の業というべきものか。足を踏み入れてはいけないとわかっていつつも僕はこの作品と一緒に前進したいと思っています。
満島ひかり コメント
好んでやりたいと思う役柄ではありませんが、育った環境の中で生まれてしまった独特の愛について、存在についてを、いままでと違った風に問いかけられる予感がして、参加しようと決めました。切ないきもちが押し寄せてきて、涙してしまうこともありますが、同情なんかせずに、リラックスしてやりたいです。ほんとうの兄のように慕っている妻夫木さんがいるので、とても安心です。新しい挑戦を一緒にやれる幸せも感じます。石川監督には、ココロのままに映画を作って欲しいです。監督が嬉しくなるような芝居ができたらなぁと、誠実な姿を見ていて思っています。
石川慶 コメント
複雑に入り組んだプロット、一筋縄ではいかない登場人物たち、そして全体を貫く重厚なテーマ。
「こういう映画が見たい」と常々思っていたものが全部詰まっている作品です。
妻夫木さん、満島さんらの繊細な芝居と、この作品のために集まってくれた最高のスタッフたちとの間に、どんな化学反応が起こるのか、規格外の映画になる予感がしています。
貫井徳郎 コメント
「愚行録」を映画に、というお話をいただいたのは、かなり意外でした。
内容的にも構成的にも、映像化に向いていない作品だと認識していたからです。
ところがプロデューサーと監督の熱意により、映画化が実現しました。
それだけでも驚きなのに、妻夫木聡さん、満島ひかりさんという当代きっての人気と実力を兼ね備えた役者さんに演じていただけることになり、望外の幸せを味わっています。
願わくは、この映画をご覧になった皆様の胸に、抜けない棘が深く刺さっておりますことを。
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