岩井俊二、かつての片腕・行定勲に「もう俺がいなくても大丈夫」と太鼓判押される

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岩井俊二行定勲が、本日2月11日に東京・Apple Store銀座店で行われたトークショーに登壇した。

左から行定勲、岩井俊二。

左から行定勲、岩井俊二。

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岩井俊二

岩井俊二

監督作「リップヴァンウィンクルの花嫁」の公開を3月26日に控える岩井と、加藤シゲアキの小説を映画化した「ピンクとグレー」が公開中の行定。かつて岩井の監督作で助監督を務めた行定は、司会から「優秀だったとうかがっていますが」と聞かれると、「そんなに優秀じゃなかったですね」と謙遜。岩井は「一番監督デビューしてほしくない男でしたね、片腕でしたから」と回想し、「特にキャスティングの才能がものすごくあって、連れてくるのがいい子ばっかり。そのあたりの才能は行定本人の作品にも反映されてると思いますね」と称賛する。

行定勲

行定勲

行定は、岩井が監督を務めたテレビドラマ「GHOST SOUP」に助監督として参加したときのことを振り返り、「打ち上げのときに岩井さんの言ったことが支えになってて。『行定はいつか監督になるだろうから、それまではうちでやってよ』とこっそり言われたんですよね」と述懐。「『GHOST SOUP』に参加する前に岩井さんの作品を観たとき、『なんだこいつ』って思ったんですよ。『こいつは日本映画を変えるぞ』って。当時はそんな岩井さんの映画を成立させるために必死になってましたね」と続ける。また、キャスティングについて「最初からしっくりくるものを出しても面白がらない人なんです。『リップヴァンウィンクルの花嫁』でも、しっくりはこないんですよ。なのに、『うめえなあ、キャスティング』と唸らされる。ちょっと悔しい」と語り、「もう俺がいなくても大丈夫ですよ」と岩井を励まして笑いを誘った。

「リップヴァンウィンクルの花嫁」 (c)RVWフィルムパートナーズ

「リップヴァンウィンクルの花嫁」 (c)RVWフィルムパートナーズ

一方岩井は、監督デビュー後の行定について「実は作家性のすごく強い男で、うまくやっていけるんだろうかという心配はあったんですよ。エドワード・ヤンとかホウ・シャオシェンが日本でデビューするような感じというか。だからハラハラしながら見ていたんですけど、自分のテイストとエンタテインメント性をうまく融合させてるなと思います」と述べる。さらに、「今回の『ピンクとグレー』もそうだったけど、“不在の主人公を探す”という物語を、行定は永遠のテーマとして追ってるのかなと。『ピンクとグレー』はそういう意味でひとつの到達点のような作品になっていたので、観ていて感無量の思いでした」と話した。

行定は「リップヴァンウィンクルの花嫁」について、「“嘘”というのが1つのテーマなのかな、と。ある事象を、何をもってして真実と言うことができるのかというような」と分析。「絶望の先にも意外と幸せってあるんだなと思わされて、胸を打たれました」と述べ、「綾野剛がいいんですよ。彼があの役を演じてることがものすごく重要」と語る。

岩井は最後に、「『リップヴァンウィンクルの花嫁』がどういう物語だったのかということはこれからじっくり検証しようと思ってます。『ピンクとグレー』とはどこかテーマが共通してるなと思うんですよ。たとえば“嘘”という要素ですね。嘘の質というものが昔よりはるかに問われていて。“真”であればいいということですらなくなってきていて、果たして僕らはこういう事態とどう折り合いを付けていけばいいんだろうという。そこが1つの大きなテーマなのかなと今は思ってます」と説明。少し間を置いてから「……明日はどう思ってるかわからないですけど。今言ったことが嘘かもしれないし」と笑った。

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