ソール・ライターの写真はなぜ人を惹きつけるのか?ドキュメンタリー予告編到着

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「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」の予告編がYouTubeにて公開された。

「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」

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「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」

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本作は、1940年代から活躍したカラー写真の先駆者、ソール・ライターの半生を追ったもの。「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」など有名ファッション誌の表紙も飾ったものの、80年代に1度表舞台から姿を消し、2006年に写真集が出版されると再び注目を集めた。彼がこの世を去る1年前の2012年に製作されたこの映画では、なぜライターの作品が人々の心に強く届くのかを解き明かしていく。

ソウル・ライターの作品「Canopy(1958)」 (c)Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

ソウル・ライターの作品「Canopy(1958)」 (c)Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.[拡大]

予告編の中では彼の作品群とともに、「私は大した人間じゃない、映画にする価値なんかあるもんか。でもまあ仕方ないか……」と笑い、「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ」とゆっくり語るライターの姿が映し出される。

ソウル・ライターの作品「Snow(1960)」 (c)Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.

ソウル・ライターの作品「Snow(1960)」 (c)Saul Leiter Foundation/Courtesy Howard Greenberg Gallery.[拡大]

さらにこのたび、本作の日本語字幕を担当したアメリカ文学研究者・翻訳家の柴田元幸からコメントが到着。柴田は本作について「基本的には、猫背のおじいさんがのそのそ動きながらもごもご喋っている映画です。でも、それが、とても良い感じだと思うのです」とコメントを寄せている。

「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」は11月下旬より東京のシアター・イメージ・フォーラムほか全国順次公開。

柴田元幸 コメント

この映画には、ものすごく盛り上がる感動的な場面もないし、
涙なしでは見られないような派手に胸を打つシーンもないし、
愛の素晴らしさを朗々と謳い上げるような展開もありません。
あるのは、生涯おおむね好きなように生きてきて、
そのせいでそれなりに辛い思いもしただろうけど、
べつに後悔もしていないし、引け目を感じたりもしていない人が、
自分の人生観をぽつぽつと語る姿です。
彼が撮った素晴らしい写真も随所に挟みこまれるし、
彼を敬愛する人たちのあたたかい視線が
感じられたりもするのですが、
基本的には、猫背のおじいさんがのそのそ動きながら
もごもご喋っている映画です。
でも、それが、とてもいい感じだと思うのです。
まったく個人的な話になってしまいますが、
このソール・ライターという人の笑顔は、誰かに似ている、
とずっと思っていたのですが、あるときふっと、
これは僕に文学の素晴らしさを最初に教えてくれた
中学の国語の先生の笑顔と同じだと思いあたりました。

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