30年ぶりに続編が作られた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が、カンヌ国際映画祭のアウトオブコンペティション部門で上映された。
現地時間5月14日の上映に先駆けた記者会見には、監督の
30年ぶりの続編について、ミラーは「30年前と現在では、すべてが変わってしまっている。世界も、映画も、我々が映画を観る視点も変わっている。だが、人間の肉体は変化していない。まだ空を飛べる人間は出現していないのだから。『マッドマックス』が肉体的な映画であるところを守ろうと思った。俳優たちが自らアクションを行い、車は実際にぶつかり合い、本物の砂漠で撮影する必要があった」と語る。
カナダのジャーナリストからの「『マッドマックス』は男の世界の物語だと思っていたのだが、女性キャラクターが登場することについて違和感があったか」という質問に対し、ハーディは一言「ノー!」と答え、記者会見場から拍手が起きていた。
また、今年の映画祭の公式ポスターになっているイングリッド・バーグマンが主演した「カサブランカ」を引き合いに出し、「役者たちが視線を交わすときの熱量がすごかった。『カサブランカ』のラストシーン並に」というカンヌならではの感想も。これに対しミラーは、「それがこのキャストに集まってもらった理由だ。視線だけでなく、魂のぶつかり合いがあった。彼らが実際に秘めているものがぶつかり合っていた。だから、トム、シャーリーズ、ニコラスを信頼し、彼らにすべてまかせて演じきってもらったんだ。その点に気づいてもらえてうれしい」と答えた。
14日夜に行われた公式上映のレッドカーペットには、シャーリーズが恋人のショーン・ペンを伴って登場し、会場前に集まった多くのファンを沸かせていた。
ジョージ・ミラー監督 コメント
これは続編なのかリブートなのかと聞かれると、「サンダードーム」と同じ「マッドマックス」シリーズのエピソードの1つと言えるだろう。(続編はあるのかという問いに対し)2週間前に完成版ができあがったばかり。巨大児を産んだばかりの母親みたいなものだ。巨大な赤ん坊を産んだばかりの母親に、次の子供は? なんて聞いたって答えることはできないだろう(笑)。だが、キャラクターやストーリーはいつも頭の中にあるから、続編を作るのはやぶさかではない。
トム・ハーディ コメント
メル・ギブソンが演じた「マッドマックス」の遺産を尊重するところから役作りが始まった。世界中の人がメルを“メル・ギブソン”としてではなく、“マッドマックス”として愛していることもよく知っている。だがジョージと初めて話したとき、マックス役を継承するのではなく、新しいマックス像を作って欲しいと言われた。マックスはジョージが作りあげたキャラクターだ。その創造主の意見を手助けに演じることができた。
シャーリーズ・セロン コメント
ジョージはこの映画にフェミニズムの視点を持ち込まなかった。それによって映画はパワフルになったし、この映画の中で描かれる女性たちには真実味があった。ジョージは、女性も男性と同じくらい複雑で興味深い存在だってよくわかっているのよ。リアリティを追求する監督だからこそ、そのことに気づき、結果的にものすごくフェミニズム寄りの映画を作ったと言えるかもしれないわね。
ニコラス・ホルト コメント
完成した映画を観て、スケールの大きさと完成度の高さに打ちのめされたね。そして、リアリティにあふれていることに驚かされた。「マッドマックス」は半ば神話化しているシリーズだから、撮影に入る前にジョージからキャラクターや車の背景を細かなところまでしっかり聞いた。大きなアクションシーンも細かなディテールがあわさって作り上げられている。そのあたりを観てほしい。
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- 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」公式サイト
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いぬ @PerroChien
シャーリーズ・セロン コメント
ジョージはこの映画にフェミニズムの視点を持ち込まなかった/リアリティを追求する監督だからこそ/結果的にものすごくフェミニズム寄り
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