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3月末のサービス終了を前に、GYAO!配信担当者が観てほしい作品とは?

大作・名作から、個人的な趣味のホラーまで

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「GYAO!がなくなったらどこでサメ映画観るんだよ」

──「自分が選んだ作品が、多くの人に観てもらえる」というのは配信担当の大きなやりがいですよね。

ハリウッド大作や邦画の大作など、やっとの思いで配信にこぎ着けた作品が視聴されたときは、配信したかいがあったなと感じます。

──やはり大作は配信するのにも苦労が多いですか。

大作ほど関係者の人数も多くなりますし、例えばテレビ放送と被っている時期があると配信できないということがあったりと、条件面などの調整に何カ月という時間を経ることもありますね。でも苦労した分、お客様の喜びの声は多く返ってくるので。ほかにも「気になっていた映画がようやく観れた」「好きな映画だからもう1回観たかった」いう声もうれしいです。あとは、GYAO!のことをSNSで取り上げてくださるお客様が、自分が意図をもって配信したものに反応してくださると、「よかった、この人には届いている」と安心しましたね。夏に毎年細々とサメ映画を増量しているんですけど、「今年もやってるぞ」と書いてくださっている方がいると「よかった、気付いてもらえてる!」みたいな(笑)。

──それはうれしいですね。

ネットとの相性もすごく考えていますね。「デビルマン」のような、ネットだからこそ面白いと思ってもらえる作品もありますし。「パシフィック・リム」はテレビで放送されたときもSNSが盛り上がってましたし、ネタになるような決めゼリフみたいなのも多かったから、そういう作品は「バズるんじゃないか」と思って配信することはあります。確か「パシフィック・リム」のときは社内で「もっとわかりやすい大作がいいのでは」という声もあったんですが、こっちにしたいと決断して、視聴されたので安心しました。

「パシフィック・リム」ビジュアル
(画像提供:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 
(c)Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary Pictures Funding, LLC)

「パシフィック・リム」ビジュアル (画像提供:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 (c)Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary Pictures Funding, LLC)

──なるほど。映画好きな人にとっては楽しそうなお仕事ですね。

数字が取れないと「私の編成がダメだったのかな」と思いますけど、取れてるときは楽しいと思います(笑)。

──GYAO!は3月でサービス終了となりますが、配信担当としてどういった思い出がありますか?

自分が提案した企画ではないですが、町山智浩さんの解説ツイート付きで「エイリアン」の同時再生祭りが開催されたときはうれしかったですね。小さい頃から観ていた作品なので、「あの作品がGYAO!でも配信できるんだ……」と。そのほかにも劇場公開に先がけて「五億円のじんせい」本編を無料で視聴できる、Web完成披露舞台挨拶と試写会というのを業界初の試みとして実施したこともあって、これも配信だけではなく出資事業もしていた強みだと思います。

──サービス終了のニュースが出た際、SNSでは惜しむ反応が多かったですが目にされましたか?

シネフィルレーベルさんの公式アカウントが「GYAO!で無料で配信されることで作品の認知が大きく上がる、という効果が何度も経験してますし、それは作品にとっても幸せなことだった」と書かれていて、私だけではなく社員の多くの人に響いていました。

──先ほどお話にもあった「ファンタスティック・プラネット」のことを書かれてましたね。

あとは「GYAO!がなくなったらどこでサメ映画観るんだよ」とか(笑)。それ以外にも「GYAO!ありがとう」「推しの映画ができたのはGYAO!のおかげ」という反応には感謝しかありません。本当にお客様あってのサービスなので。自分が映画ばかり観ている子供だったので、映画に何かしらの形で恩返しができればと思って働いているのですが、どんなきっかけでも作品に触れる機会を持ってもらったり、例え自分と合わない作品だなと思ってもその体験も糧になると信じています。配信担当としては、悔いが残ったりするところも多いですが、GYAO!をきっかけに映画に触れるユーザーがいたことはありがたいばかりです。

──シネフィルさんのツイートにもありますけど、無料かつ登録なしで観られる気軽さがGYAO!の大きな特徴かと思います。

「これ面白かったから観て」といったことを誰にでも言いやすいですよね。

──ほかにGYAO!のいいところというのはどういった部分だと考えていますか?

映画以外にもドラマ、バラエティから、音楽のフェス、オリジナル番組、アニメといった多岐にわたるエンタメ作品がいつでも観られるというのがよいところだったと思います。またGYAO!がスタートした当初はまだ違法ダウンロードについて整備されるかされないかくらいだったので、権利を持っている方にちゃんと還元しながら、エンタメ作品を気軽に体験してもらえるというのは魅力的なところだったなと思います。

映画のマジックを感じられる「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

──3月末でサービス終了ということですが、それまでに観ることができる映画の中で注目作品を教えてください。これまでの話を踏まえ「ビッグタイトル系」「GYAO!ファンに好評だったもの」「個人的な趣味のもの」の3系統でお願いします。記事の最後に、配信期間などをまとめたリンクも入れておきます。

ビッグタイトル系は、現在いろいろな特集を組んでいるのでそちらを見てもらうのがわかりやすいと思います。「ゼロ・グラビティ」などのハリウッド作品を楽しみたい方はアカデミー賞特集。「武士の一分」といった邦画の名作を楽しみたい方は日本アカデミー賞特集。「スパイの妻」からドキュメンタリー映画まできらりと光る名作を楽しみたい方はキネマ旬報ベスト・テン特集を見ていただければ。

──その中で個人的な一押しはありますか?

アカデミー賞特集の中だと、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ですね。映画が好きな人はジーンとくるような、映画のマジックみたいなものを感じられる作品なのかなと思っているので、最後にこれが配信できたのは本当によかったなと。日本アカデミー賞の中だと、「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」は3月11日に合わせて配信します。ほかにも5~6年越しに交渉してやっと配信できた外国作品「レッドクリフ」には、配信側としての思い入れが深いです。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ビジュアル (c)2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ビジュアル (c)2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.

──続いて、GYAO!ファンに人気の作品で言うと?

SNSで反応がよかったものの中で、配信予定がある「デビルマン」は観ていない人がいたらぜひ観てもらいたいと思いますね。聞いたことあるけど観たことがないという作品でも、自分で観るのがやっぱりいいかなと思うので。「アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲」「ロンドンゾンビ紀行」、「ガメラ」シリーズ、先ほどもお話に出た「ファンタスティック・プラネット」「ユーリー・ノルシュテイン傑作選」は、GYAO!が終わると知ったときに編成に入れました。SNSの反応が多かった作品ですし最後に観てくれる方がいるのではというのとGYAO!の色も出せるかと思っています。

──最後に、個人的な趣味でおすすめ作品を。

ホラー映画が好きな方がいらっしゃったら、「ゾンビーバー」は期待したものが期待した通りに返ってくる作品として観ていただきたいです。この時代にマペットでやるんだというのも面白いですし。

「ゾンビーバー」ビジュアル (c)2014 ZOMBEAVERS, LLC. All Rights Reserved

「ゾンビーバー」ビジュアル (c)2014 ZOMBEAVERS, LLC. All Rights Reserved

──改めて、GYAO!の映画配信担当におすすめ作品を聞いて「ゾンビーバー」が出てくるのは偏ってますね(笑)。

偏ってる部分はできるだけ出さないようにしてます(笑)。あとは「男たちの挽歌」「哭声/コクソン」「シング・ストリート 未来へのうた」あたりでしょうか。「哭声」は私が好きすぎて何度も配信しているんですけど、観ていない方がいたら1回どうしても観ていただきたいと思い、最後に編成しましたね。ファン・ジョンミンのカメレオン具合とか、物語がどう転がっていくかが面白かったので。「シング・ストリート」はドラマ作品なのでGYAO!としては苦手なジャンルなんですよ。でもすごくいい作品だと思って編成したので、よかったら。

──ありがとうございます。駆け込みになってしまいますが、この特集がGYAO!を通して映画に触れるきっかけになれば、と願っております。

私が担当する映画だけでなく、ドラマやアニメといったジャンルでも、感謝を込めて3月31日まで作品を増量中なので、サービス終了までぜひ皆様に楽しんでもらえればと思います。

2022年3月31日までに、GYAO!で観られる無料作品(抜粋)

GYAO!のまとめページはこちら

牝猫たち」配信中~2023年3月3日(金)
マジカル・ガール」配信中~2023年3月3日(金)、2023年3月18日(土)~2023年3月31日(金)
スパイの妻(劇場版)」配信中~2023年3月4日、2023年3月18日(土)~2023年3月31日(金)
ヘル・レイザー」配信中~2023年3月11日(土)
ヘルレイザー2」配信中~2023年3月12日(日)
ヘルレイザー3」配信中~2023年3月13日(月)
ヘルレイザー4」配信中~2023年3月14日(火)
アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲」配信中~2023年3月30日(木)
ゼロ・グラビティ」配信中~2023年3月29日(水)
「ブラインド・ラブ ~言い出しかねて~」配信中~2023年3月31日(金)
黒い十人の女」配信中~2023年3月11日(土)
大怪獣ガメラ」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
大怪獣決闘・ガメラ対バルゴン」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
大怪獣空中戦・ガメラ対ギャオス」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
ガメラ対宇宙怪獣バイラス」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
ガメラ対大悪獣ギロン」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
ガメラ対大魔獣ジャイガー」2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火)
ガメラ対深海怪獣ジグラ」2023年3月12日(日)~2023年3月25日(土)
宇宙怪獣ガメラ」2023年3月12日(日)~2023年3月25日(土)
ガメラ 大怪獣空中決戦」2023年3月12日(日)~2023年3月25日(土)
ガメラ2・レギオン襲来」2023年3月12日(日)~2023年3月25日(土)
ガメラ3・邪神(イリス)覚醒」2023年3月12日(日)~2023年3月25日(土)
「哭声/コクソン」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
「ゾンビーバー」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
ターミネーター」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
ファンタスティック・プラネット」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
ユーリー・ノルシュテイン傑作選」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
ロンドンゾンビ紀行」2023年3月1日(水)~2023年3月31日(金)
レッドクリフ Part I」2023年3月2日(木)~2023年3月15日(水)
レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-」2023年3月3日(金)~2023年3月16日(木)
男たちの挽歌(1986年)」2023年3月3日(金)~2023年3月30日(木)
男たちの挽歌 II」2023年3月3日(金)~2023年3月30日(木)
危険な関係」2023年3月6日(月)~2023年3月19日(日)
(秘)色情めす市場」2023年3月9日(木)~2023年3月31日(金)
「クレーン宙吊り 緊縛」2023年3月9日(木)~2023年3月31日(金)
「武士の一分」2023年3月10日(金)~2023年3月31日(金)
「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」2023年3月11日(土)~2023年3月31日(金)
それでも夜は明ける」2023年3月12日(日)~2023年3月31日(金)
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」2023年3月13日(月)~2023年3月26日(日)
デビルマン」2023年3月17日(金)~2023年3月30日(木)
新感染 ファイナル・エクスプレス」2023年3月18日(土)~2023年3月31日(金)
天使のはらわた 名美」2023年3月18日(土)~2023年3月31日(金)
「シング・ストリート 未来へのうた」2023年3月18日(土)~2023年3月31日(金)
「ヘイトフル・エイト」2023年3月21日(火)~2023年3月31日(金)

※「牝猫たち」「ヘルレイザー3」「ヘルレイザー4」「ブラインド・ラブ ~言い出しかねて~」「ゾンビーバー」「ロンドンゾンビ紀行」「ブラインド・ラブ」「(秘)色情めす市場」「危険な関係」「クレーン宙吊り 金爆」「ヘイトフル・エイト」はR15+指定作品

※記事初出時、配信作品リストに誤りがありました。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の配信はありません。お詫びして訂正します

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読者の反応

映画会社日活 @nikkatsu100

サービス終了までに観てほしい作品として #日活ロマンポルノ もご紹介くださってます😆

これまで『危険な関係』『四畳半襖の裏張り』『(秘)色情めす市場』などが多く視聴されたそうです。3月末のサービス終了までご覧になれる作品は #GYAO!さんのサイトでご確認ください🔍
https://t.co/PwF6IJG9ey https://t.co/791ru3w0gH

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