「東京リベンジャーズ」

文 / 尾崎南

「東京リベンジャーズ」岡田翔太プロデューサー

1. 企画の始まり

元々、漫画が大好きで連載が始まった当初から原作を愛読していました。物語を読み進めていく中で、ターニングポイントとなるような事件の回を拝読した時に「映画にしたい！」と思うようになりました。小栗旬さんにとっての「クローズZERO」や、菅田将暉さんにとっての「帝一の國」のように、新しい世代の代表作と思っていただけるような作品を作りたいと思ったのがきっかけです。

2. 原作を映像化する際に気を付けた点

私自身が、漫画や小説などが大好きな人間なので、とにかく原作の世界観、大事にしているキャラクター像などを正確に掴み映画の中で表現していくことは常に意識しています。それと同時に、“1本の映画”として面白い作品になるように、時には原作チームと相談しながら改変を加える部分もあります。原作を愛している方でも、全く知らない方でも観ていただける作品になっているかな？と思っています。

3. キャスティングへのこだわり

「原作のキャラと顔が似てる！」ということではなく、キャラクターを現実の世界に実在させてくれるような説得力を感じる俳優陣にお願いしました。特に原作ファンの方たちからしたら、マイキーやドラケンは誰がやるの!?と思っていたでしょう。そんな中で、吉沢亮さんと山田裕貴さんのお2人がまさに現実に現れたマイキー＆ドラケンとして存在してくれた！と感動しました。主演の北村匠海さんを中心に俳優の皆さんはプライベートでも親交のあるメンバー達で、その絆も画面に現れているなぁと思います。

4. 吉沢亮さん演じるマイキーの「ひよってるやついる？いねえよなあ！」というセリフが話題になったが、予想していたか？また、そのことについてどう感じているか？

原作は心が熱くなるような名台詞が満載ですが、マイキーのあのシーンが大流行するとは正直言うと私は全く予想してませんでした。笑 もちろん大ヒットを狙って企画してきましたが、自分の想定を上回る社会現象を感じましたね。とても嬉しいサプライズでした。

5. 一番好きなシーンとその理由

どのシーンにも、たくさん思い出が詰まっていて1つに絞るのは大変ですが…その中でも終盤のタケミチとキヨマサが1対1で対決するシーンには特別な思いがあります。というのも今作は新型コロナウイルスの影響で2度の中断を余儀なくされてほぼ1年間かけて撮影をすることになりました。そんな厳しい撮影環境の中でも、このシーンだけは絶対最終日に！という思いがあり大ラストに撮ったんです。俳優の2人も、これで全てが終わるという思いで臨んでくれました。そんな気合が現れたラストシーンになったと思います。

6. 作品がヒットした理由はどこにあると考えているか？

1つは、やはり原作アニメとのメディアミックスが素晴らしかったことだと思います。渋谷を中心にSHIBUYA JACKという横断的なイベントを敢行したりメディアの垣根を超えて東京リベンジャーズを盛り上げる！という思いで切磋琢磨しました。
そしてもう1つは、コロナなど数々の困難に直面してもこの作品に携わった俳優達が前面に立ち続けて思いを伝えていったからだと思っています。窮屈な日常を吹き飛ばすような熱い物語が観客の皆様に伝わったのかなと思っています。

7. 世に出てからの反応で予想外だったもの

予想外というよりは、自分が心の中で決めていた目標を遥かに超える勢いで社会現象になった事が驚きでした。
コロナによる延期で、アニメが先にOAされた上での公開に「どんなリアクションを頂けるか…」若干ドキドキしていましたが私たちの思い通りにたくさんの方から反響を頂き感動いたしました。

岡田翔太（オカダショウタ）

1988年生まれ、兵庫県出身。
映画「帝一の國」「一度死んでみた」「記憶にございません！」などを手がける。
「東京リベンジャーズ」が初の単独プロデュース作品となった。

「東京リベンジャーズ」Blu-ray / DVD販売中

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発売元：フジテレビジョン 販売元：TCエンタテインメント