1969年に発表された「ミノタウロスの皿」は牛が支配階級で、人類が家畜として扱われるイノックス星が舞台のSF短編。イノックス星に不時着した宇宙飛行士はミノアという少女と出会い好意を抱くが、驚くべき事実を告げられて……。言葉は通じても価値観がまったく通じないことや、自らの常識から抜け出せない人間のジレンマが鋭く描かれる。
舞台化は本日行われた、新国立劇場の2026/2027シーズン演劇ラインナップ発表で明らかになったもの。舞台化にあたっては、令和6年度の第75回芸術選奨舞踊部門・文部科学大臣で新人賞を受賞した
スズキ拓朗コメント
私のところにもうひとり私が現れた。
鈴木 おい知ってるか? 「ミノタウロスの皿」の舞台化!?
拓朗 いきなりなんだよ。知ってるに決まってるだろ。俺なんか学生の頃上演しようとしたぐらいだ。まぁその時は著作権ってものがあるのを知らなくて上演は叶わなかったけどね。
鈴木 俺だってやろうとしたさ! その時は作品が “少し怖い ”って事で劇団内で反対されて上演できず。
拓朗 “少し怖い ”じゃなくて “少し不思議 ”。藤子・F・不二雄のSF短編のSとF。
鈴木 それな!やっと夢が叶う! 正に三度目の正直!
拓朗 何事も諦めずに、ねばり強くやっていくことが必要ですなぁ。
鈴木 おい、それ藤子・F・不二雄先生の名言だろ。
拓朗 バレたか。
鈴木 「子供のころ、ぼくは“のび太”でした。」藤子先生のこの言葉が好き。僕らは僕ら自身を作品の主人公にしている。少年の頃体験したことを作品に描いている。
拓朗 「ミノタウロスの皿」の主人公はどっちかって言うと21エモンのその後の話って感じなんだよな。
鈴木 主人公がすぐにヒロインのミノアちゃんを好きになっちゃうとこはのび太っぽいよね。と、いうかお前っぽい。
拓朗 否定はしない。少年は皆恋多き青春! この作品はブラックユーモアに留まらず、純粋な恋物語も根底にあるのが共感しやすくて好き。
鈴木 藤子先生は難しい問題提起をキュッとユーモアにしてくれるよね。ヒロインのミノアの名前や、イノックス星という設定も、ミノア文明のクノッソス宮殿がモデルになってる。
拓朗 宮殿の迷宮ラビリンスに幽閉されたミノタウロス! タイトルの由来は実在する古代都市にまつわるギリシャ悲劇だったのだ!
鈴木 「ラビリンス」の語源は、ギリシャ語の「ラビュリントス」で、クレタ島にある「ミノタウロスの迷宮」を指した言葉だしね。
拓朗 えっ? それは知らなかった。勉強になる。
鈴木 むふふ。遊びを通して学ぶこと。これも藤子先生のお言葉よ。
拓朗 今回の舞台はまさに「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに」が詰まった演出になりそうだな!
鈴木 その名言は井上ひさし先生だけどね。
拓朗 あれ? そーだっけ? 失敬。
※藤子・F・不二雄[異色短編集1]最終ページ 藤子短編についての架空会話 北村 想 参照
舞台「ミノタウロスの皿」ビジュアル
舞台「ミノタウロスの皿」
期間:2026年12月上演
会場:東京都 新国立劇場 小劇場
スタッフ
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