「第1回 あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」の一環として、本日12月13日に
今年初開催となる「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」。まずはフェスティバルディレクターの井上伸一郎氏より映画祭の印象を聞かれると、細田監督は「世界のさまざまなアニメーション映画祭や国際映画祭に招待していただいて、映画祭と街が一体になって盛り上がるところをたくさん見てきたので、アヌシーのような映画祭が愛知で誕生したことがとても素晴らしいと思います」と開催を祝った。
2009年公開の「サマーウォーズ」。16年経った今、作中の世界観と現在の現実世界が近づいてきていることが井上氏より指摘される。細田監督はうなずきつつ「インターネットの世界がこんなに身近になる前の、非常に牧歌的な世界というか、インターネットの世界をすごく希望を持って描くことができていた時代。非常におおらかで明るい、健全な作品だと自分でも思います」と述べる。また細田監督は「サマーウォーズ」の中で、陣内栄が一番印象に残るキャラクターだという。その理由を「モデルがいまして。僕の母方のおばあちゃんなんです。強くて、一家をまとめて、若い人を励ます役割なんですが、僕のおばあちゃんもそういう人で。僕は“橋本カツヨ”というペンネームを使ったこともあるんですが、実はおばあちゃんの名前だったんです」とエピソードを明かした。
そして中盤ではサプライズで神木が登壇。「サマーウォーズ」公開当時以来の再会だそうで、「大きくなったね」と細田監督が目を細めると、「当時16歳で、今は32歳になりました。2倍ですね(笑)」と神木も笑う。ここからは2人で「サマーウォーズ」の思い出を語り合っていった。
神木のキャスティングについて聞かれると、細田監督は「主人公として魅力的な人、なおかつ健二は知的なところもあるので、合う人はって思ったときに、神木くんが声変わりした直後で。その前から有名な人だったけど、声変わりした声を誰も聞いたことがなくて、声変わりして一番最初にお願いしたよね。すごく新鮮で、魅力的な声だなと思ったんですが、今もそのまま変わらない声ですね」と経緯を説明。神木は「(役が決まって)純粋にうれしかったですね。私も高校生になったばかりでいろんなことに挑戦したいなと思っていた時期で、初めてのことがいっぱいあって。現場も楽しかったですし、ただただうれしかったです」と振り返った。
アフレコに関しては、家族のシーンでのマイクワークが難しかったと神木。細田監督は「神木くんの顔を見ていると次々思い出します」と切り出し「前半で丸いちゃぶ台の周りを走り回ってリモコンを奪い合う、コミカルなシーンがあって。非常にうまいアニメーターの人に作画をしていただいて、(そのシーンのアフレコを)何度もやったんですが、やるたびにそのうまい作画に近づいていって。神木くんってこうやってどんどん自分のものにしていくんだなと、すごいなと思いました」と回顧した。
今でも撮影現場のスタッフやファンから「サマーウォーズ」が好きだと聞くという神木。「聞くたびに誇らしいですし、『金曜ロードショー』で毎年のように流れているのもいち視聴者として楽しんでいますし、誇りに思っています」と思い入れを語る。こうして長く愛される作品になったことについて細田監督は「スタッフやキャスト、お客さんに恵まれた作品。すべてがそうなるわけではないので、非常に幸運な作品です」と感謝を伝え、神木が「携わった作品は全部愛しているし、全部愛してもらいたい。純粋に愛してくれてありがとうという気持ち」と述べると細田監督も「その通り」とうなずいた。
最後に神木は観客に向け、「本当に長くこの作品を愛していただいてうれしい気持ちでいっぱいです」と感謝を述べた後、「ちょっと出るかどうかわからないですが、言ってみていいですか? 音量気を付けてください。初めてマイクでやるので……」と切り出し、健二の名セリフ「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」を披露した。
そんな神木の姿を終始うれしそうに見つめていた細田監督は「神木くんの『よろしくお願いします』を昨日のことのように思い出すし、一緒に映画を作ってたあの時間は今も色あせずに、ずっと続いているんだなって本当に思います。作っているときは精一杯でそれ以降のことって考えられないんですが、まさかこうやって何年も経ってこの作品のことを話すなんて思いもよらないけれども、そういうことも含めて本当に幸運だなと思います。映画って不思議なものだし、こうやって続いていくこともアニメーションの魅力なんだなと改めて感じました」と思いを語った。
「第1回 あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」は12月17日まで愛知県名古屋市内で開催中。細田監督作の特集上映や、各国のクリエイターによるトークセッションやカンファレンス、国内外の作品が参加する長編コンペティションが展開されている。
※12/13 14:40:記事初出時より、見出しと本文の表現を一部変更しました。
「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」
会期:2025年12月12日(金)~17日(水)
会場:ミッドランドスクエア シネマ、ミッドランドスクエア シネマ2、109シネマズ名古屋を中核とした上映施設、名古屋コンベンションホール、ウインクあいち 5カ所を予定
主催:あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル実行委員会
ジェネラル・プロデューサー:真木太郎
フェスティバル・ディレクター:井上伸一郎
アーティスティック・ディレクター:数土直志
企画・制作:株式会社ジェンコ
共催:愛知県・名古屋市
協力:中日本興業株式会社、株式会社東急レクリエーション、株式会社新東通信、学校法人 日本教育財団名古屋モード学園・HAL名古屋、animate、BVコミュニケーションズ株式会社
協賛:アンスティチュ・フランセ、アルプスアルパイン株式会社
特別協力:ASIFA-Hollywood、Women in Animation
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