集英社、講談社、小学館、KADOKAWAが勝訴 クラウドフレア社の損害賠償責任を認める

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集英社、講談社、小学館、KADOKAWAが、アメリカのIT系企業クラウドフレア社に対して提起していた著作権侵害訴訟の判決が本日11月19日に行われ、東京地方裁判所はクラウドフレア社の損害賠償責任を認める判決を言い渡した。

クラウドフレア社は国際的に活動するコンテンツ配信ネットワーク(Contents delivery network、以下CDN)事業者の1社。CDN事業者には、世界各所に大容量のサーバーを設置し、契約先サイトのコンテンツをそれらのサーバーに一時的に複製することでユーザーからのアクセス先を分散、当該サイトの通信速度を確保するといった役割がある。CDN事業者は多くの場合、当該サイトが違法・不当なコンテンツ配信を行うことのないようさまざまな手段を講じるため、出版4社は巨大マンガ海賊版サイトにCDNサービスを提供していたクラウドフレア社に対し、同社の管理するサーバーから海賊版コンテンツの配信を停止するなどの対応を求めていた。

しかし侵害通知を受領した後も、クラウドフレア社はマンガ海賊版サイトへのサービスの提供を続けていたため、出版4社は2022年2月1日に訴訟を提起。東京地方裁判所の知的財産専門部において審理が進められていた。今回の判決では、クラウドフレア社が出版4社からの侵害通知を受けながらも、適時・適切な対応を行わず、漫然とサービスの提供を継続したことが著作権侵害の幇助に当たるとして、クラウドフレア社に損害賠償責任を負う旨が認められた。クラウドフレア社の責任を認める理由として、本人確認手続などを行わず、「強度な匿名性が確保された状況下」で巨大マンガ海賊版サイトの運営を行うことができるようにしていた点を重視している。

判決では出版4社の損害額は総額約36億円と認定。クラウドフレア社に対し約5億円の支払いが命じられた。今回の判決に対し、出版4社の共同声明では「何らの本人確認も行わず、かつ、権利者からの侵害通知を受けたにもかかわらず、適時・適切な対応を怠ったことなどを理由に著作権侵害の責任を負うことを明らかにしたものであり、海賊版サイトの運営者が身元を隠して海外からCDNサービスを利用して大規模配信を繰り返すことが多い現状において、重要な判断であると考えております」「今回の判決が、CDNサービスの悪用防止に向けた一歩となることを期待しております。また、当社らは、今後も作品と創作者・関係者の権利を守るとともに、正規コンテンツのさらなる拡充を目指し、一層の努力をして参る所存です」とコメントしている。

読者の反応

きんどう @zoknd

漫画村時点での話でしたっけ。 https://t.co/tuQ7q1pizW

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