映画「ゴールデンカムイ」野田サトルが出来栄えに安堵、山崎賢人は串で鶴見を思い出す

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野田サトル原作による実写映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会が、本日12月20日に東京・マンダリンオリエンタル東京にて開催された。報告会には杉元佐一役の山崎賢人、アシリパ役の山田杏奈、白石由竹役の矢本悠馬、鶴見篤四郎役の玉木宏、月島基役の工藤阿須加、二階堂浩平/洋平役の柳俊太郎、谷垣源次郎役の大谷亮平に加え、プロデューサーの松橋真三氏と久保茂昭監督が登壇。同作のプロジェクトの成り立ちや作品への思いを語った。

映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会の様子。左から大谷亮平、柳俊太郎、工藤阿須加、玉木宏、山崎賢人、山田杏奈、矢本悠馬、久保茂昭監督、松橋真三氏。

映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会の様子。左から大谷亮平、柳俊太郎、工藤阿須加、玉木宏、山崎賢人、山田杏奈、矢本悠馬、久保茂昭監督、松橋真三氏。

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映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会で公開された野田サトルのメッセージ。

映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会で公開された野田サトルのメッセージ。[拡大]

2024年1月19日に全国公開される映画「ゴールデンカムイ」。完成報告会では初めに、野田サトルからのコメントが公開された。実は内心映画の制作を心配していたという野田。しかし、試写を観てホッとしたと述べる。そして「私の頭の中にも無かった良いところが沢山ありました」と映像を称え、最後に「ものすごく謙遜して言わせて頂きますと 観に行って損することはないと思います」と宣言した。

映画「ゴールデンカムイ」の完成報告会の様子。

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登壇し、それぞれ挨拶をするキャスト陣。挨拶をしようとする矢本は、ニコニコと笑う山崎と山田に目をやり「なんだよ」とはにかみ、原作のキャラクターのような関係性を見せた。撮影現場に見学に来ていた野田と会うことができたという山崎。原作ファンの多い作品の実写化にあたり、野田に「僕は味方ですから」と声をかけられ背中を押されたと述懐する。そして、スタッフとキャスト陣が作品をリスペクトし、愛を持って制作していると伝えた。松橋氏は山崎と杉元の共通点を、心根が優しいところだとコメント。それに対し矢本は「不死身の部分かと思った」と冗談めかして言い笑いを誘った。

山崎賢人

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山崎は杉元の優しさが感じられる梅子と寅次とのシーンや、激しい戦いで杉元の心を傷つけることとなる二百三高地の戦いといった、過去にあたる場面から収録したことを振り返る。杉元の心がアシリパとの出会いでほぐれていく様子を表現しつつ「取り戻しながら新たに成長していくような気持ちでやっていました」と役作りについて話した。杉元の優しさに反して、アクションは狂気を再現したという。馬ぞりで引きずられるシーンも実際に引きずられたのだと明かした。久保監督は、普通は合成などを使用するところ、山崎がすすんで演じた同シーンについて「素晴らしいカットが撮れたと思う」と言いながらも申し訳なさそうな表情。山崎は「人生で馬車に引きずられることはないですから、楽しみながら(撮影しました)」とにっこり笑う。一同がタフさに驚く中、体重も10キロ増やし、軍事練習もしたと力を入れた役作りについて述べた。

山田杏奈

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アイヌの文化を学び、アシリパの根底にある考え方を考察したというのは山田。アシリパについては、信仰を大切にしつつも合理的な部分があると話し「私は新しい時代のアイヌの女なんだ」というアシリパのセリフにある気持ちを大切にしながら演じたと語る。弓矢は家に持ち帰り、カーテンに向かって打って練習したと笑いながら言うと会場はどよめいた。原作のファンであり、中でも白石が好きだと話す矢本は、オファーされた際は緊張したと振り返りつつ、自由な白石を演じるにあたり緊張してはいけないと思い直したという。特につらかったのは雪山で川に入るというコミカルなシーン。気温-10度の真冬の北海道で行われた同シーンの撮影は、川の氷を砕いてその中に入ったというエピソードを披露し、「寒いというか痛かったです」と苦笑いした。

玉木宏

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恐ろしさに加え、どこか愛嬌を感じさせる鶴見を演じた玉木は、何をしでかすかわからない恐ろしさを表現するのが難しかったと語る。山崎は鶴見が杉元の顔に団子の串を突き刺すシーンに思いを馳せながら、「ゾクゾクしました」と一言。すると玉木が本日のキャスト陣の弁当に串が入っていたことを話し「狙って置いたのかな?」と笑う。山崎は串を見ると鶴見に刺されるシーンを思い出すのだと苦々しい表情を見せた。

工藤阿須加

工藤阿須加[拡大]

作品と月島のファンで、表情作りから監督と相談したと言うのは工藤。低い声を出すために家でずっと「はい」というセリフを練習していたと明かす。柳はボディダブルという、動きを再現するスタッフとともに撮影に挑み、浩平と洋平の一人二役をこなした。撮影中は自分も、そしてスタッフも「次はどっちだっけ?」と混乱する場面もあったと振り返る。大谷は真面目な谷垣に対し、自身を「そういうタイプじゃない」と表現しながらも、役作りのために足腰を入念に鍛えたと真面目さを感じさせる発言をした。

映画で使用された小道具。

映画で使用された小道具。[拡大]

本物の北海道の環境で撮影をしたいという久保監督のこだわりにより、極寒の地で過酷な撮影が行われた映画「ゴールデンカムイ」。こだわりは小道具にも込められ、アシリパの衣装とマキリはアイヌの人の手により制作されたというエピソードが飛び出した。衣装は半年、マキリは1年以上かけて生み出されたとのこと。杉元の持つ銃も現在の日本には残っていないもので、1つひとつ丁寧に作り上げられたのだと伝えた。続いて作品の出来栄えを聞かれた松橋氏は「世界に出して恥ずかしくない」と自信を見せる。そして今の日本映画界で同作のような規模の作品を作るのは大変なことであると話しつつ、関係者に感謝を述べた。

山崎は最後に、改めて同作はスタッフとキャスト陣の原作愛とリスペクトが詰まっていると強調。そしてアクション、北海道のグルメ、金塊の謎を追うミステリー、コメディとさまざまな要素が詰まった作品を「全部入ってます!」とアピール。加えて「熊も出てきます!」と笑いを誘う。「最高のエンターテイメント作品ができましたので、ぜひ大スクリーンで観てほしい、すごい作品です」とファンにメッセージを送り、完成報告会は幕を閉じた。

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「ゴールデンカムイ」

2024年1月19日(金)全国公開

原作:野田サトルゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」
アイヌ監修:中川裕、秋辺デボ
製作幹事:WOWOW、集英社
制作プロダクション:CREDEUS

出演者:山崎賢人山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加柳俊太郎矢本悠馬大谷亮平、勝矢、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし、高畑充希、泉澤祐希

※山崎賢人の崎はたつさき、柳俊太郎の柳は木へんに夘、アシリパのリは小文字が正式表記。

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(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

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MATSUANDTAKE @mtandtk

映画『ゴールデンカムイ』撮影中に主演の山崎賢人が原作者に「僕は味方です」と背中を押されたというエピソードを、浜村淳は「今流行っている働き方改革に反する過酷な撮影が行われていて、世間から非難されるだろうが、僕は味方です」という意味だと解説している。https://t.co/HsXxE90pX2

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