原画展「BLEACH EX.」開幕、一護らの死闘を久保帯人のコメント付きで振り返る

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久保帯人「BLEACH」初の原画展「BLEACH EX.」の内覧会が、去る12月17日に東京・渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホールで開催された。

「BLEACH EX.」の様子。

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「BLEACH EX.」の様子。

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2022年1月16日まで渋谷ヒカリエで行われている「BLEACH EX.」は、「BLEACH」の作品生誕20周年を記念したもの。全15個のコーナーから構成された同イベントでは黒崎一護らのこれまでの死闘を、原画や原画に沿った久保のコメント、ネーム、カラーイラストなどを交えながら振り返る。「BLEACH」の単行本巻頭に掲載されているおなじみの詩が並ぶ「INTRODUCTION」を抜けると、キタニタツヤが手がけた「BLEACH EX.」のテーマソング「Rapport」を使ったPV映像が流れる「SIDE:SILENCE」のコーナーへ。死神代行である一護の軌跡を追うコーナー「Death & Strawberry」では、久保が一発描きしていて楽しかったシーンや、「恋次といえばここの1コマ目」というシーンの原画などが展示された。

「BLEACH EX.」の様子。

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続く「FOURTEEN DAYS FOR CONSPIRACY」では、囚われの身となったルキアを救うため、尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ乗り込む一護たちと立ちはだかる部隊・護廷十三隊との戦いにフォーカス。天井からは迫力ある隊長らのイラストが吊り下げられた。続いて「The Six Fullbringers」では銀城空吾率いる完現術者(フルブリンガー)の集団・XCUTIONの過去、「Turn Back The Pendulum」では平子真子と藍染惣右介との因果や浦原喜助の過去、「Conquistadores」では破面(アランカル)や十刃(エスパーダ)に迫った原画をそれぞれ展示。「EVERYTHING BUT THE RAIN」のコーナーには一護のルーツにまつわるエピソードの原画が並んだ。会場中央にある「THE BLOOD WARFARE」では、ユーハバッハ率いる星十字騎士団(シュテルンリッター)と一護ら護廷十三隊の戦いの原画が、シーンごとに配置された。

「BLEACH EX.」の様子。

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「無欠の果て THE ORDINARY PEACE」では、市丸ギン、卯ノ花烈といった散りゆくキャラクターたちの姿を、決定的な瞬間を捉えた原画と、マンガのパネルを使って演出。「BLEACH FANBASE」と題したコーナーでは、キャラクター人気投票やベストバウト投票の結果が原画とともに、ランキング形式で紹介されていく。「THE BLADE AND ME, THE BLADE IS ME」のコーナには一護が新たな能力を解放した瞬間や、宿敵との決戦の原画が登場した。続く「COLORS & SOUNDS」では「BLEACH」の作画工程が垣間見える資料やデザイン加工前のカラーイラストを公開。その後の「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」では、週刊少年ジャンプ2021年36・37合併特大号(集英社)に掲載された読み切り「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」全73ページの複製原画が一堂に会し、中央のモニターには、「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」にまつわる動画が映し出される。特別展示用の楽曲「タナトフォビア」は、「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」をテーマにキタニが書き下ろした。ラストの「COLOR ARTWORK」コーナーでは、「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」の時間軸で描き下ろされた成長した32キャラクターたちのイラストもお披露目された。

「BLEACH EX.」の様子。

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そのほか会場では今回の展覧会のグッズを扱う公式ショップを展開。ショップではパンフレットや複製原画、アクセサリー、ポストカードセットなどが販売される。食品・菓子以外のグッズは、1月17日より事後通販を行う予定だ。

左から久保帯人、浅田貴典氏、中野博之編集長、服部雄二郎氏、戸谷太一氏、村越周氏。

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内覧会のあとは、「BLEACH EX.」の開催を記念したトークショーを実施。トークショーには久保と、これまでに週刊少年ジャンプで久保を担当した浅田貴典氏、中野博之編集長、服部雄二郎氏、戸谷太一氏、村越周氏が登壇し、久保の公式ファンクラブサイト「Klub Outside」の中から抽選で選ばれた約100人が参加した。歴代編集者が集まった様子を見て中野編集長は、「『BLEACH』最終話の原稿を受け取るときに、歴代編集者が“死覇装”を着て、久保先生のお宅に伺ったことを思い出します」と振り返った。原画展の率直な感想を聞かれた久保は「制作段階からよいものになるだろうと予感していましたが、それ以上でした。自分で描いた作品なのに、泣きそうになったりして。特に上映されている映像が2種類ともすごくよかったです」と絶賛した。

久保帯人

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トークショーでは事前にファンから久保への質問を募集。その中でも「BLEACH」20周年記念の読み切り「獄頤鳴鳴篇」の続編に対する質問が多かったという。久保は「誰かに会うたび、『なんで続きを描かないんですか』と言われます」と話しながら、「ストーリーは出来上がっているんですけど、描くのが大変だから、おいおいやれたら」と返した。一番影響を受けた作品について問われると久保は、「絵をよく真似していたのは、車田正美先生の『聖闘士星矢』と、水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』ですね。その両方が混ざって、『BLEACH』になっているんじゃないかなと自分は思っています」と語り、作中の台詞については「BAD RELIGIONという海外のパンクバンドの歌詞が好きで、その内容に影響を受けました」と打ち明けた。

左から浅田貴典氏、中野博之編集長、服部雄二郎氏。

左から浅田貴典氏、中野博之編集長、服部雄二郎氏。[拡大]

初代編集者である浅田氏は、新人時代の久保について触れ「才能が破格でした。荒削りながらも“久保帯人”として完成されていて。1作品1作品ものすごいスピードで成長していって、担当していてすごく楽しかったです」と褒めた。2代目担当編集の中野編集長は、久保の考える固有名詞のすごさを述べ、「狒狒王蛇尾丸が出てきたときは、どこから思いつくんだと驚きました。先生に聞いたら、栃木県にある蛇尾川からだと」と答えると、久保は「ちょうど地図を見るのが好きだった頃ですね。なんて読むのかわからない地名が載っていて面白いんですよ」と発言。中野編集長は「ぜひ皆さん、栃木県の蛇尾川に聖地巡礼していただければ」と呼びかけた。

久保帯人

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久保帯人

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後半は久保によるライブドローイングのコーナーに突入。1m×1mのキャンバスに向かい、まずはファンのリクエストで一番人気があった黒崎一護、日番谷冬獅郎、参加者からの希望で檜佐木修兵、四楓院夜一が描かれた。途中久保が「檜佐木って、左と右のどっちに傷がありましたっけ」と担当編集に確認し、笑いが起こる場面も。キャンバスにはほかにもリクエストが挙がったキャラクターのイラストが追加され、仕上げられたものが原画展会場に展示される。途中、サプライズゲストとして、原画展のテーマソングを担当したキタニが花束を持って登場。久保に花束を渡したのち、「すばらしい原画展に楽曲を書かせていただけて光栄です。最後まで楽しんで見てください」と祝いの言葉を述べた。久保はファンへのメッセージとして「参加者の皆さんの顔を間近で見られたことで、ようやく自分のマンガが読まれているんだなと実感できました。うれしい機会をありがとうございます」と伝え、イベントは締めくくられた。

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「BLEACH EX.」

会期:2021年12月18日(土)~2022年1月16日(日)
会場:東京都 渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホール

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(c)Sony Music Labels Inc.(c)TITE KUBO/SHUEISHA

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【イベントレポート】原画展「BLEACH EX.」開幕、一護らの死闘を久保帯人のコメント付きで振り返る(写真33枚) https://t.co/Hg6OjE2Di8

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