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舞台「奇子」開幕に中屋敷法仁は「夢みたい」、A.B.C-Z五関は眼帯にこだわり

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舞台「奇子」より。

舞台「奇子」より。

手塚治虫原作による舞台「奇子」が、本日7月19日に東京・紀伊國屋ホールで開幕。これに先がけて公開ゲネプロと囲み取材が実施された。

「奇子」は敗戦直後の東北の農村地帯で、大地主一族の遺産相続をめぐる骨肉の争いと恐ろしい欲望の果てに産み落とされた少女・奇子を中心とした物語。一族の体面を保つため土蔵の地下室で育てられた奇子は、性に対して奔放な美しい女へと成長し世に出ていく。ステージ上には急な斜面や穴倉をイメージした不気味な舞台美術が設置され、出演者たちの衣装は赤を基調としたもので統一。主演の五関晃一A.B.C-Z)は、天外一族の次男・仁朗が奇子に惹かれる様子を抑えた演技で表現しつつ、ダイナミックなアクションで魅せた。奇子役の駒井蓮は、赤いワンピース姿で子供のように可憐なたたずまいながらも、穏やかな微笑みで周囲の人々を狂わせていく少女の存在感を示した。

ゲネプロ後に行われた囲み取材には上演台本・演出の中屋敷法仁、五関、天外一族の長男・市朗役の梶原善が出席した。7月14・15日に行われた茨城の水戸芸術館・ACM劇場でのプレビュー公演を経て、五関は「よりブラッシュアップしたものが見せられると思います」と意気込み、梶原は「(ストーリーが)重いですね……」と苦笑しつつ、「一生懸命作ってきたので不安はないですが、お客さんがどういう気持ちになるのかな、とは思います」と開幕を迎えての思いを述べた。

本作が初の舞台単独主演となる五関は、「最初は単純に『やった、単独主演だ!』って喜んだんです。でも手塚治虫さんの生誕90周年(記念事業)であることや、ストーリーを知るにつれて、だんだんプレッシャーを感じていきました」と振り返る。「作品の時代背景や登場人物が持っている欲が、最初はファンタジーに感じたくらい(今の自分とは)かけ離れていて、感情をリアルに突き詰めていくのに苦労しました」と話し、「休憩に入るとすぐに笑いが起きるくらい稽古場は和気あいあいとしていて、中屋敷さんやスタッフさん、キャストの皆さんに本当に助けられました」と笑顔を見せた。また眼帯を着けての演技については「1回目は少し酔いましたね。向こうが透けて見える素材の眼帯も用意していただいたんですが、『舞台上で演技に嘘が出るんじゃないか』と偉そうなことを言ってしまって……(笑)」と自ら片目の視界でステージに立つことを選んだと明かした。

本作の舞台化を長年切望していたという中屋敷は「物心ついたころから『奇子』を読みながら育ちました。怖い人生です(笑)」と原作愛を見せ、「好きな俳優さんが僕の好きな演出で『奇子』の舞台をやってくれるなんて、夢みたいです。五関くんが本当にカッコよくて、(プレビューが終わってから)早く東京公演が観たくて仕方なかった」と興奮気味に語る。また中屋敷は五関の印象について「彼は文句を言いません。難しいだろうなと思いながら要求したことも、どんどん更新してくれた」と回答。続けて「逆に、善さんにはすぐに困った顔をされてしまうんですが……(笑)」と梶原に水を向けると、梶原は「舞台上に斜面を作ったとき、『危ないから角度を抑えましょう』と僕は言ったんです。でもみんな、斜面を使った演技も余裕でこなしていて……言わなきゃよかった!(笑)」と明かして記者たちを笑わせた。

最後に五関から「舞台は原作とストーリーの進み方が違うので、よりそれぞれのキャラクターの欲や、目を疑うような行為が怒涛の勢いで押し寄せてきます。劇場にいらっしゃるときは一緒に穴倉に入ったつもりで、ドキドキ、ザワザワ、ゾクゾクしてください」とメッセージが贈られ、取材は終了した。「奇子」東京公演は7月28日まで行われ、8月3・4日には大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。

舞台「奇子(あやこ)」

期間:2019年7月19日(金)~7月28日(日)
会場:東京都 紀伊國屋ホール

期間:2019年8月3日(土)~8月4日(日)
会場:大阪府 サンケイホールブリーゼ

スタッフ

原作:手塚治虫
上演台本・演出:中屋敷法仁
企画協力:手塚プロダクション

キャスト

天外仁朗(次男):五関晃一A.B.C-Z
天外伺朗(三男):三津谷亮
下田波奈夫(刑事):味方良介
奇子:駒井蓮
天外すえ(長男の妻):深谷由梨香
天外志子(長女):松本妃代
おりょう:相原雪月花
山崎(親戚の医師):中村まこと
天外市朗(長男):梶原善

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