“苦しい人たちへの応援歌”デリヘル舞台のドラマ「フルーツ宅配便」会見に濱田岳ら

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鈴木良雄原作によるTVドラマ「フルーツ宅配便」の記者会見が、本日1月9日に都内にて行われ、咲田真一役の濱田岳、本橋えみ役の仲里依紗、マサカネ役の荒川良々白石和彌監督が登壇した。

左から荒川良々、濱田岳、仲里依紗、白石和彌監督。

左から荒川良々、濱田岳、仲里依紗、白石和彌監督。

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濱田岳

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「フルーツ宅配便」は、デリバリーヘルス・フルーツ宅配便で働く訳あり女子の人間ドラマを、ひょんなことからのフルーツ宅配便の店長となった普通の男・咲田真一の目線を通して描く作品。番組のプロデューサーを務める濱谷晃一は、2年半前に書店で原作の1巻が並んでいるのを見つけ、「デリヘルをテーマにしていながらドライで奥深い人間ドラマが毎話綴られていて、これは絶対にテレビ東京でドラマ化しようと思った」と振り返る。「その日のうちに原作元へ問い合わせをしたのですが、会社に企画を提出すると『デリヘルがドラマになるわけないだろう』と箸にも棒にもかからず。その後、白石監督にマンガを持ってご相談したところ非常に興味を持っていただき、2年をかけて準備をしてきました」と説明した。

仲里依紗

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オファーを受けた際の心境を問われ、濱田は「テレビ東京のドラマの主演をいただけるというのは、まず役者冥利に尽きるお話だと思いました。でもデリヘルを舞台にすると聞いて、どんな話になるかという不安もありました。だけど、それと同時に濱谷プロデューサーからは直筆のお手紙をいただき、白石監督をはじめとする素敵な監督が揃ったとも伺ったので、不安を感じたのは一瞬だけでしたね。素直にうれしく、『がんばろう』という気持ちになりました」と回想した。

仲は同作のオファーを受けた際を思い返し、「『すごく楽しそうだな』としか思わなかった」と微笑み、「脚本を読む前から『えっ!?』とは1ミリも思わず。今までにない役だったので、こういう作品に出させていただくのは肥やしになると思いました。脚本を読んだら面白くて、さらにさらに楽しみになりました」と思いを口にした。荒川は本作に対し「テレビ東京さん攻めてるな」と印象を語りつつ、フルーツ宅配便で送迎係を務めるマサカネという役どころについて「デビューもバカな役だったんですが、またバカな役ができることになって、原点回帰だなとうれしく思ってます」と話した。

白石和彌監督の携帯電話で自撮りする登壇者。

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フルーツに紛れるテレビ東京のキャラクター・ナナナ。

フルーツに紛れるテレビ東京のキャラクター・ナナナ。[拡大]

これまでにもデリヘル嬢を扱う作品を手がけてきた白石監督は、自身を「言ってみればデリヘルのプロ」と称しながらも、「濱谷プロデューサーから『デリヘル』の話ですと言われたとき、『何をやろうとしてるんだろう』と思った」と当時を語る。「でも原作を読むとエロさはなく、その奥にある女性や男性の苦悩、喜びが描かれていて、これまでにもデリヘルをいっぱい撮っていろいろやった気になっていたけど、まだまだ描ききれていない部分はあるなと思った」と述べる。そして昨晩すでに第10話の仮映像を観たことを明かし、「昨日もゲラゲラ笑ったり泣いたりしながら、1人で『俺、すごい仕事をしたな』と。いろんなことを感じてもらえるドラマになっていると思います」と作品の出来栄えに自信を覗かせた。

「濱田岳にフルーツの名前を付けるなら?」という質問に「うーん、なんだろう……。シャインマスカット! 高いし、贈り物にも喜ばれるし」と答える仲里依紗(右)。

「濱田岳にフルーツの名前を付けるなら?」という質問に「うーん、なんだろう……。シャインマスカット! 高いし、贈り物にも喜ばれるし」と答える仲里依紗(右)。[拡大]

また白石監督は「ドラマ自体は重たい話を扱っていますが、咲田や(松尾スズキ演じる)ミスジの目線はどこか優しい。それは僕らの目線、さらに言うと原作者の鈴木先生の目線だと思うんです」と言い、同作を「“苦しい人たちへの応援歌”でもあると思っている」と例えた。そして「僕は“凶悪な監督”なので、僕だけでやるのは危険だと思い、僕が尊敬して、親友だと思っている沖田修一監督にも入ってもらっている」と同作に沖田修一監督が参加していることに触れると、キャストから印象深かったシーンとして、荒川がワンカットで挑んだというミュージカル風のシーン、咲田とえみの牧場での乳搾りシーンなどが挙がったことを受け、「今挙がった変な回は全部沖田回。彼がいたからこのドラマがより深く描けたんだなと思っています」と述懐した。

沖田修一監督

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「荒川良々にフルーツの名前を付けるなら?」という質問に「ズッキーニ? あれ? フルーツじゃない? ズッキーニみたいなやつ。うちの息子が大好きなんですよ、ズッキーニ」と答える仲里依紗(右)。

「荒川良々にフルーツの名前を付けるなら?」という質問に「ズッキーニ? あれ? フルーツじゃない? ズッキーニみたいなやつ。うちの息子が大好きなんですよ、ズッキーニ」と答える仲里依紗(右)。[拡大]

会見の様子を客席から見ていた沖田監督は、「普段はコメディを撮っているので、原作の持つシビアな面も残しつつ、少し滑稽に見せられるようなことができたらいいなと思いながらやらせてもらいました」と挨拶する。そんな沖田監督について、濱田は「沖田さんは本番でも笑い声が大きくて。沖田さんの笑い声でNGが出て、もう1回ってこともあったりするんです(笑)。でもこんなに楽しそうに撮ってくれるんだったら、もっとがんばろうって思える優しい空気を出してくれる方」、仲は「沖田監督の(カメラが回るときの)『よーい、ハイ!』の声がとっても優しくて。リラックスして芝居ができるんです」とそれぞれ人柄を明かす。続く荒川は「(沖田監督は)寒いのに1人だけ汗だくだったりする。あと指の皮をずっと舐めてるんですよ」と癖を暴露すると、沖田監督は「自分を食べてるんです」と笑っていた。

ドラマ「フルーツ宅配便」は、1月11日24時12分よりテレビ東京系にてスタート。原作はビッグコミックオリジナル(小学館)にて連載されており、単行本は7巻まで発売されている。

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ドラマ「フルーツ宅配便」

放送日時:2019年1月11日(金)より毎週金曜24:12~
放送局:テレビ東京系(テレビ東京、テレビ北海道、テレビ愛知、テレビ大阪、テレビせとうち、TVQ九州放送)※テレビ大阪のみ翌週月曜24:12~放送

スタッフ

原作:鈴木良雄「フルーツ宅配便」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)
脚本:根本ノンジ
監督:白石和彌、沖田修一、是安祐
音楽:高田漣

キャスト

咲田真一:濱田岳
本橋えみ:仲里依紗
小田哲郎:前野朋哉
みず子:原扶貴子
みかん:徳永えり
イチゴ:山下リオ
レモン:北原里英
マサカネ:荒川良々
ミスジ:松尾スズキ

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(c)鈴木良雄・小学館/「フルーツ宅配便」製作委員会 (c)鈴木良雄/小学館

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