とにかく取材!鹿の脳食べた話も飛び出す、野田サトル登場のマンガ大賞授賞式

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マンガ大賞2016が本日3月29日に発表され、野田サトル「ゴールデンカムイ」が大賞を獲得。その授賞式が同じく本日、ニッポン放送イマジンスタジオにて行われた。

(左から)「ゴールデンカムイ」担当編集者の大熊八甲氏、東村アキコ。

(左から)「ゴールデンカムイ」担当編集者の大熊八甲氏、東村アキコ。

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東村アキコ

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授賞式ではまず、昨年「かくかくしかじか」で大賞を獲得した東村アキコが壇上に。東村はマンガ大賞受賞後の周囲からの反響について、「同級生や友達、大学の恩師から本当に久しぶりに連絡がきて、『マンガ大賞すごいね』とお祝いの言葉をいただきました。いままで自分がマンガを描いてきた中で一番、周囲のリアクションがすごかったです」と回想する。またマンガ大賞2016のプレゼンターも務めた東村。本年度の大賞獲得者が記載されたカードを手に、東村が「一応私も(『東京タラレバ娘』で)ノミネートされていますからね。ドキドキします」と笑いながら、「マンガ大賞2016は、野田サトルさんの『ゴールデンカムイ』です」と発表し、野田と担当編集の大熊八甲氏が迎え入れられる。

司会の吉田尚記アナウンサーから受賞のコメントを求められた野田が「『ダンジョン飯』に勝ててうれしいです」とポツリと語ると、会場からは拍手が。また作品の成り立ちについては「主人公の杉元佐一という名前は、屯田兵だった自分の曾祖父ちゃんの名前なんです。いつかその話を描きたいなと思っていたんですがなかなか広がらなくて。そんなときに担当の大熊さんが、『これを野田さんが描いたらおもしろいんじゃないか』と、北海道を舞台にした狩猟の小説を持ってきてくださって。この2つをくっつけちゃえばいいやというところから始まったんです」と説明する。

野田サトルによる受賞記念イラスト。

野田サトルによる受賞記念イラスト。[拡大]

さらに野田は「ゴールデンカムイ」を綿密な取材を繰り返した上で執筆していると前置きし、「この前、猟師さんと一緒に鹿を撃ちに行きました。脳みそを生で食べさせてもらったんですが、猟師さんも『さすがに脳みそは食わないよ』と若干引いていて……」と取材のエピソードを披露。吉田アナウンサーから脳みその味を質問された野田は「味のないグミみたいな感じです。そのときは塩を持っていかなくて、『ちくしょう、なんで塩を忘れたんだ』ってなりました」と、マンガさながらのやりとりがあったことを明かした。

続けてマンガ家を志したきっかけを問われ「宙ぶらりんで、20歳過ぎくらいまでは何もすることがなくて。マンガを描き始めるまではニートに近い生活を送っていました」と告白。この発言に吉田アナウンサーが「20歳過ぎで(マンガ家を志して)画力もすごいというか……」とコメントすると「がんばりました」と控えめに述べる。アイヌ文化という題材については「特に気を使って、徹底的に取材しています。アイヌの道具とかを詳細に描くことで、(アイヌの方々も)『こいつ本気だ』と思ってくださっているという関係性が築けているんじゃないか」と語った。

また会場からはさまざまな要素が詰め込まれている同作に対し、「このマンガを何マンガと捉えているのか」との質問が。これに対し野田は「狩猟の要素が最初にあるので、それを見せられれば。これから(劇中の)季節も変わってくるので、その中で食べられるものもいい配分で描いていきたいですね」と語り、最後に一言「(この作品は)恋愛マンガですかね」と付け加え会場を笑わせた。

「ゴールデンカムイ」担当編集者の大熊八甲氏。

「ゴールデンカムイ」担当編集者の大熊八甲氏。[拡大]

野田の後には大熊氏もスピーチ。大熊氏はさまざまな要素が含まれた本作を「和風寄せ鍋ウェスタン」と称する。吉田アナウンサーからの「『ゴールデンカムイ』は野田先生と編集、どちらからの発案なのか」との問いかけには、「野田先生の引き出しの中にしっかりとあったものですね。作家さんをピッチャー、編集をキャッチャーとするなら、野田先生に持ち玉を要求したらすごくいい球がきた。それと、読者の方々が今読みたいと思ったものとがきれいに一致した結果だと思います」と回答した。

「ゴールデンカムイ」はアイヌが遺した莫大な埋蔵金を狙う元兵士と、アイヌの少女を軸にした冒険活劇。単行本最新7巻は4月19日に刊行される。なお野田は、本日24時よりニッポン放送にて放送されるラジオ「ミュ~コミ+プラス」に出演する予定だ。

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マンガ大賞2016最終結果

大賞 野田サトル「ゴールデンカムイ」(91pt)
2位 九井諒子「ダンジョン飯」(78pt)
3位 石塚真一「BLUE GIANT」(68pt)
4位 三部けい「僕だけがいない街」(55pt)
5位 たかみち「百万畳ラビリンス」(49pt)
6位 沙村広明「波よ聞いてくれ」(43pt)
7位 眉月じゅん「恋は雨上がりのように」(42pt)
8位 安藤ゆき「町田くんの世界」(38pt)
9位 東村アキコ「東京タラレバ娘」(29pt)
10位 山本さほ「岡崎に捧ぐ」(28pt)
11位 イーピャオ/小山ゆうじろう「とんかつDJアゲ太郎」(25pt)

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