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北村総一朗が新藤兼人の映画「ふくろう」を舞台化&初演出、劇団昴で企画

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左から市川奈央子、北村総一朗、服部幸子。

左から市川奈央子、北村総一朗、服部幸子。

劇団昴 Page2「ふくろう」が、4月17日から23日まで東京・Pit昴にて上演される。

故・新藤兼人監督による2004年公開の映画「ふくろう」を舞台化し、北村総一朗が初演出・上演台本を手がける本作。1980年夏、東北のとある開拓村で起こった事件の顛末が描かれる。見つかった9体の白骨死体と、不毛の耕作地を抱えた開拓村に最後まで残った母娘の関係を、森のふくろうだけが見つめていた。

北村は、新藤の映画を観て「改めて戦争への怒りと無念さを蘇らせ、今や風化しつつある戦争の陰に隠された、名も無き人々の、苦難や悲しみを浮き彫りにし、現代に問いかけるべきだとの、強い思いに駆られたのです」と制作の動機を明かしている。なお本作は、劇団の所属俳優が企画し、自由な発想で会場であるPit昴の可能性を探ろうとする「劇団昴 Page」シリーズの一環として上演される。チケットは3月8日に発売予定だ。

北村総一朗コメント

「ふくろう」の舞台は、昭和40年代の東北地方の僻地にある「希望が丘開拓村」。ここに生きる母と娘の背景には、第二次世界大戦時の満蒙開拓団から始まる名も無き人々の凄惨な歴史があった。
敗戦後、満州から、命からがら逃げ帰って来たものの、もはや住む場所はなく、再び国家の誘いにのり、不毛の土地に入植させられた20軒の住民達は、次々とこの枯れ果てた土地を捨て去り、最後に母と娘の2人だけが残されたのだった。そしてこの母娘が姿を消した1年後、奇妙な事件が発覚する。9名の白骨死体が出て来たのである。果たして、この白骨死体と母娘は関係があるのだろうか。森のふくろうだけが、その全てを見ていた。
10歳で終戦を迎えた私にとって、この映画は改めて戦争への怒りと無念さを蘇らせ、今や風化しつつある戦争の陰に隠された、名も無き人々の、苦難や悲しみを浮き彫りにし、現代に問いかけるべきだとの、強い思いに駆られたのです。
そして、故新藤兼人監督の、重い主題を、ブラックユーモアに包んで提示する、その識見を忘れてはならないと、常に言い聞かせています。
それにしても、映像表現は、そのカメラの位置や動きによって、主観描写から、客観描写へと瞬時に変化し、時間経過も見事に解決してみせる。しかし、それらの手法を持たない舞台表現は、観客というカメラを持ち、その視点の選択の自由を武器にして、観客と共に状態の変化を感じ楽しみつつ、生々しく表現しなくてはならないのです。
これから、劇団昴の将来を担う、次世代の若者達と共に厳しくも楽しい戦いの日々が始まります。

劇団昴 Page2「ふくろう」

2017年4月17日(月)~23日(日)
東京都 Pit昴

原作・シナリオ:新藤兼人
演出・上演台本:北村総一朗

出演:服部幸子、市川奈央子(Wキャスト)/ 立花香織、田渕真弓(Wキャスト)/ 福山廉士、吉澤恒多、岡田吉弘、加賀谷崇文、江崎泰介、永井誠、宮島岳史、永井将貴、町屋圭祐、矢崎和哉、福永光生、白倉裕人、加藤和将

※江崎泰介、矢崎和哉の「崎」は、たつざきが正式表記。

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