NICO全国ホールツアー完結「パワーアップして戻ってくる」

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NICO Touches the Wallsが、7月10日と昨日11日に全国ホールツアーの東京公演をNHKホールにて開催した。

「new balance presents NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"」NHKホール公演の様子。(撮影:上飯坂一)

「new balance presents NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"」NHKホール公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

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古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

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坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

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対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

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4月に発表された最新アルバム「Shout to the Walls!」を携えて、全国10会場12公演を回った彼ら。全公演ホール会場のツアーはキャリア史上初めてとなり、さまざまな面でバンドの挑戦が詰まった内容となった。

ツアーのセットリストは「Shout to the Walls!」を軸とした“最新型のNICO Touches the Walls”を披露する形で構成。NHKホール公演の初日は、対馬祥太郎(Dr)の叩く重いリズムと、メンバーの雄叫びのようなコーラスが印象的な「鼓動」から幕を明けた。どっしりとしたナンバーで会場を「Shout to the Walls!」の世界に誘ったあとは、「夏の大三角形」で涼しげな風を送り込む流れに。初日公演で光村龍哉(Vo, G)は「最高の夜にする準備はできてますか?」「CDでは収めきれなかった熱いシャウトを浴びせて帰ろうと思ってますんで!」と観客を煽り、自分たちのペースへと巻き込んでいった。

落ち着いたアンサンブルと光村の切なげな歌声が光った「梨の花」のあとは、アッパーチューンを続けざまに投下。オーディエンスが拳を突き上げながら合唱した「バイシクル」、古村大介(G)と坂倉心悟(B)が暴れながら楽器をかき鳴らした「damaged goods~紫煙鎮魂歌~」、ピンク色の照明が艶のある雰囲気を醸し出した「ストロベリーガール」と観客のテンションを高めていく。10日公演ではこのあとにゴキゲンなムード全開の「GANIMATA GIRL」と「手をたたけ」が2曲連続でプレイされ、会場の熱狂と一体感を加速させた。

「『Shout to the Walls!』は今までで一番自分たちらしさが詰まったアルバムです。4人で言葉の面でカラーを出すことができた。絶えず進化を続けているNICO Touches the Wallsです」と中盤のMCで語った光村。その前後にはアルバムの中でキーとなっている、対馬が作詞を手がけたアンニュイな「紅い爪」と、古村が作詞作曲を手がけたみずみずしい「アルペジオ」が披露されオーディエンスを魅了する。さらに4人の安定したコーラスと、幽玄な映像演出が魅力的だった「夢1号」、光村の堂に入ったラップが観客を圧倒した激しさ全開の「アビダルマ」などが続き、「Shout to the Walls!」のディープな世界が次々と展開された。

今回のツアーの見どころのひとつとなっている「チェインリアクション」は、フロントの3人が入れ替わり立ち替わりシェイカー、ギロ、カウベル、カスタネット、マラカスなどを手にサンプリングを敢行。その場のセッションを効果的に取り入れながら、古村と坂倉が掛け合いのようなセッションを繰り広げた。その後、駆け抜けるように「友情讃歌」「妄想隊員A」「Broken Youth」を披露した4人は、スケール感のある「Mr. ECHO」で本編ラストへ。原曲に比べテンポを速め、ボーカルにエコーをかけることでエモーショナルな一面が引き出されたアレンジは、楽曲に込められた力強いメッセージをより強くオーディエンスに伝えていた。

アンコールでは光村の「今日、ほとんどCD通りのアレンジでやってないんで、さぞかし大変だったと思います。で我々さらなる新曲を本日リリースしまして……」という言葉から、「ニワカ雨ニモ負ケズ」を熱演。「今年はこの曲で全国を引っ掻き回そうと思ってます!」と意気込みを伺わせた。そしてこの日の最後を飾ったのは「ランナー」。演奏後、メンバーはステージを端から端まで移動しながら「ホントにどうもありがとう!」と笑顔でライブの幕を下ろした。

1日目とほぼ同じセットリストで進行した2日目のライブだったが、前日の経験を踏まえてよりブラッシュアップされた印象に。楽曲の世界はメンバーの中に浸透しているようで、光村はときどきメロディを外してシャウトを繰り出し、ほかのメンバーも大声でシングアロングをしながら楽器を奏でる。

またMCはファイナルらしい言葉が続出。光村は「ホールもできるロックバンドを目標にツアーを回ってきましたが、『Shout to the Walls!』のせいで、ホールだろうがライブハウスだろうが関係なくロックしろって言われたみたいで」とツアーで得た手応えを明かし、「明日はありません! このセットリストは二度とありません。もう好きなように楽しんでくれ。俺らも目一杯楽しませてもらいます」と観客を煽った。

またファイナルということもあってか、4人のプレイも終始フルスロットル状態。壁をイメージさせる幕を背に披露された「壁」は光村の叫びと、古村、対馬、坂倉の渾身のプレイがオーディエンスを圧倒する。坂倉と古村によるタイトなセッションが目を引く「アビダルマ」は、ラストで轟音が会場を満たし緊迫した空気が漂った。また光村は「友情讃歌」で男女別およびフロア別のコール&レスポンスでオーディエンスとの距離を縮め、古村は「Broken Youth」で客席に降り熱いプレイで魅せるなど、会場に一体感をもたらした。

本編最後のMCで光村は「ヤベ泣きそう。これが俺らの全身全霊の叫びです」と述べ、「世界一のスタッフだぜ」ツアーを支えてくれたスタッフに丁寧に感謝を告げる。続けて「ちっちゃくて臆病な叫びだけど、みんなでどんどん大きな声で歌って、ものすごく大きな歌にできたらいいな」と願いを込めるように「Mr. ECHO」を高らかに響かせた。

アンコールで披露した「ランナー」の前に光村は、「この曲を作った15歳の光村少年が言ってることがやっとわかった。これでいいんだって。この曲が1人ひとりの背中を押せたらいいな」と自分たちの歩みを振り返る。なお本来は「ランナー」でライブは終了する予定だったが、急遽「N極とN極」を演奏するうれしいサプライズも。4人は再びギアをトップに入れ、アグレッシブなパフォーマンスでツアーのクライマックスを彩る。そして「またパワーアップして戻ってきますんで!」という光村の締めの挨拶に、ほかのメンバーも賛同するように笑顔を浮かべる。その後4人は盛大な拍手に送り出され、12公演におよんだホールツアーを締めくくった。

ツアーを終えたばかりのNICO Touches the Wallsは、明日7月13日に静岡・つま恋で開催される野外ライブイベント「BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~」を皮切りに夏フェスシーズンに突入。また7月25日(木)にはマンスリーレギュラー番組「ニコじゃん!~NICO Touches the Walls meets JAMBORiii~」にて、近況報告をするほか恒例のメンバー対決コーナーでは「かき氷」をめぐってバトル繰り広げる。

NICO Touches the Walls「new balance presents NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"」
2013年7月10日 東京都 NHKホール セットリスト

01. 鼓動
02. 夏の大三角形
03. 梨の花
04. バイシクル
05. damaged goods~紫煙鎮魂歌~
06. ストロベリーガール
07. GANIMATA GIRL
08. 手をたたけ
09. 紅い爪
10. 壁
11. アルペジオ
12. 夢1号
13. アビダルマ
14. チェインリアクション
15. 友情讃歌
16. 妄想隊員A
17. Broken Youth
18. Mr. ECHO
<アンコール>
19. ニワカ雨ニモ負ケズ
20. ランナー

NICO Touches the Walls「new balance presents NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"」
2013年7月11日 東京都 NHKホール セットリスト

01. 鼓動
02. 夏の大三角形
03. 梨の花
04. バイシクル
05. damaged goods~紫煙鎮魂歌~
06. ストロベリーガール
07. そのTAXI, 160km/h
08. 手をたたけ
09. 紅い爪
10. 壁
11. アルペジオ
12. 夢1号
13. アビダルマ
14. チェインリアクション
15. 友情讃歌
16. 妄想隊員A
17. Broken Youth
18. Mr. ECHO
<アンコール>
19. ニワカ雨ニモ負ケズ
20. ランナー
21. N極とN極

※記事初出時、一部事実とは異なる記載がありました。訂正してお詫びいたします。

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