3月からスタートした
計22公演におよんだツアーの最後を見届けるべく、フロアは満員の観客で埋め尽くされ、期待と興奮が渦巻く。そんなオーディエンスの思いに応えるべく、モーモーの3人はサービス過剰とも言えるさまざまな演出を交えたパフォーマンスを繰り広げた。
「ライブの前に、まずはこちらでお楽しみください」と、開演前に巨大バルーンがフロアに投げ込まれる演出から始まったこの日。メンバーがコーラス2人を引き連れて演奏した1曲目「パンティー泥棒の唄」から金色のリボンテープが発射され、オーディエンスは大盛り上がり。さらに休むことなく「美沙子に捧げるラブソング」「Hello!! Mr.Coke-High」など激しいナンバーばかりが投下され、会場の興奮は早くも最高潮に。ゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)は「I love you!」「サンキュー」と観客に向かって叫び、ユコ・カティ(Key, Vo)とT-マルガリータ(B)も負けじとアグレッシブなプレイで奔放なゲイリーのパフォーマンスを支える。
中盤では「ゲイリーがワーって歌ってばっかりだと死んじゃうから、ユコ・カティ歌います!」とゲイリーからユコにメインボーカルがチェンジ。会場の興奮を落ち着かせるように、ウィスパー混じりのアダルトな歌声で「午前二時」や「コンタクト」が届けられた。また続くパートではT-マルガリータのノイジーなベースが炸裂する「Smells like SURUME!!」がサイケデリックなムードを醸し出す。この曲では、ユコがキーボードを抱えながらプレイに興じ、ゲイリーがシャッフルビートを叩きながら吠えるように歌うというバンドの激しい一面があらわになった。
ユコが弾くグランドピアノに、ゲイリーが切ないボーカルを絡ませた「Good Bye Thank You」のあとは、怒濤の後半戦へ。「バラードのあとに、このテンション持ってくの大変なんだぜ!」とゲイリーは言いながら、かつてドラマーだった元メンバーの野口への恨み節を執拗に叫びそのまま「野口、久津川で爆死」を熱演。観客は音に合わせて「爆死!」とシャウトしたり、拳を突き上げたり、3人のパフォーマンスを盛り上げる。さらに「POP!烏龍ハイ」「ユキちゃん」とライブの定番曲が続き、そのまま本編のラストナンバー「サイケな恋人」へとなだれ込んだ。
3人が奏でるおなじみのイントロにオーディエンスは大熱狂。曲の途中でゲイリーはドラム横に設置されたお立ち台に乗ると「パンティコール」を呼びかける。すると盛大な「パンティ!」の声があがり、この日一番の一体感が会場を包み込んだ。「悪ふざけで始まったパンティコール。Zepp Tokyoのみんながやってくれるとは思わなかったぜ」とゲイリーはうれしそうな表情を浮かべ、勢いよく履いていたスパッツを脱ぐ。パンツ姿になってみせたところで、そのパンツにも手をかけて脱ぐと、その下にはもう1枚を履いていた、というおなじみの芸も披露し、「これがJ-POPの限界です!」と彼が絶叫すると大歓声と拍手が巻き起こった。そして観客の「パンティコール」が大きく響く中、ゲイリーは「I love you!」と叫び、ユコとマルガリータとともにステージを降りていった。
その後、アンコール代わりに起きたパンティコールに導かれてステージに戻ってきたメンバーは汗だくになりながら観客に感謝を伝える。ゲイリーは「早く引っ込めって言われていた時代が懐かしい!」とオーディエンスを笑わせた。バラードナンバー「悲しみは地下鉄で」とセンチメンタルな「MY SHELLY」の2曲でアンコールが終了するも、止まらないパンティコールに応え3人が再びステージに。カラフルな風船が飛び交う中で、サイケデリックでポップな「スシェンコ・トロブリスキー」が演奏され、この日何度目かのゲイリーの「I love you!」のシャウトで3カ月におよんだツアーは締めくくられた。
なおこの日のライブの模様は、10月3日にDVD「Live at Zepp Tokyo 2012.6.22:エンペラー」としてリリースされることが決定。またモーモールルギャバンは2012年最後のワンマンライブを11月23日に新木場STUDIO COAST、11月30日になんばHatchで開催する。
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- モーモールルギャバン|Victor Entertainment
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音楽ナタリー @natalie_mu
モーモー初Zepp Tokyoワンマンで“J-POPの限界”に挑戦 http://t.co/z6LWGXqC