凛として時雨、タフネスさを証明したツアーファイナル

1

287

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 148 50
  • 3 シェア

9月下旬から開幕した凛として時雨のライブハウスツアー「凛として時雨TOUR2011 “αβ+1”」が、11月30日に東京・LIQUIDROOM ebisuにてファイナルを迎えた。

「凛として時雨TOUR2011 “αβ+1”」LIQUIDROOM ebisu公演の模様。

「凛として時雨TOUR2011 “αβ+1”」LIQUIDROOM ebisu公演の模様。

大きなサイズで見る(全5件)

TK

TK

大きなサイズで見る(全5件)

345

345

大きなサイズで見る(全5件)

ピエール中野

ピエール中野

大きなサイズで見る(全5件)

2011年は初のホールツアー「VIRGIN KILLER SUICIDE」や、自主企画ライブツアー「トキニ雨#13 ~Tornado Edition~」、今回の「凛として時雨TOUR2011 “αβ+1”」というタイプの異なるツアーを3本実施した時雨。LIQUIDROOM ebisuでのライブは今年最後のワンマンライブとあって、それにふさわしい気合の入ったステージが展開された。

新作のリリースに伴うツアーではないため、セットリストは時雨のベスト盤とも言える構成に。フラッシュライトが明滅する中で、オープニングを飾ったのは「nakano kill you」。スティック回しを華麗に決めつつ怒濤のドラミングを披露するピエール中野(Dr)と、TK(Vo, G)と345(B, Vo)のエモーショナルなツインボーカルに観客は拳を突き上げ応える。

エッジの効いたカッティングギターが炸裂した「想像のSecurity」、TKの絶唱に感化されるように345も声を張り上げた「COOL J」と、インディーズ時代のナンバーがアップデートした形で再現される。「DISCO FLIGHT」が始まると、オーディエンスの歓声がひと際大きく響く。高速チューンを連発しながらも、3人は圧倒的なアンサンブルを畳み掛け、長いツアーで得たタフさをオーディエンスに印象付ける。TKの「凛として時雨です」という手短かな挨拶のあとは、ピエールのドラマチックなシンバルから「I was music」へ流れる。リバーブがかかったTKのボーカルが楽曲の不穏さを引き立て、激しいサウンドにあわせてダイバーが続出。スピーディな展開を見せる「テレキャスターの真実」では、ギミックに富んだフレーズと緊張感のあるツインボーカルがフロアを揺らしていた。

345の伸びやかなボーカルが冴える「ハカイヨノユメ」が終わると、TKが「新曲やります」と呟くようにアナウンス。そして始まったのは、プレイヤーとしての3人の魅力が全開となったミディアムナンバー。345の猛々しいベースや、ピエールの技巧的な一面が垣間見えるドラムアレンジ、TKのバリエーションに富んだギターフレーズなど聴きどころが満載の1曲だ。演奏後には、新曲がオーディエンスに受け入れられたことを証明するように、力強い拍手が沸き起こった。

幻想的なサウンドがフロア中に広がった「illusion is mine」に続いては、TKがアコースティックギターをアグレッシブにかき鳴らす「Tremolo+A」。この曲ではTKの息づかいまでもが聴こえる生々しいボーカルが楽曲の躍動的な一面を際立たせていた。

ライブのクライマックス直前では、ピエールのMC&ドラムソロコーナーも。今回のツアーではMCなしの公演もいくつかあったが、ツアーファイナルということもあり、ボリューム満点の充実したひとときに。ファイナル公演を記念してと前置きすると、まずは十八番とも言える嵐「A・RA・SHI」を弾き語りで歌い上げ、さらに湘南乃風の大ヒット曲「純恋歌」もサービス。ついでに「今日がファイナルだからしばらくできなくなっちゃうぞ!」と言い放つと、おなじみのバイブスコールを皮切りに、Perfumeのニューアルバムを祝ってと「チョコレイト・ディスコ」のワンフレーズや、Xジャンプ、NHK教育テレビ「いないいないばあ」で人気の曲「ぐるぐるどかーん」などを盛り込んだスペシャルなコール&レスポンスを繰り広げ、本編とは異なる一体感を作り出す。あまりの観客の息のあったレスポンスに、言い出しっぺのピエールが思わず笑いだすほどだった。しかしスティックを握ればドラマーの顔に変貌。笑いだらけのMCから一転し、緩急をつけたドラムソロでドラマーとしての底力を存分にアピールした。

ライブの後半戦は「JPOP Xfile」から幕を開け、3人がオーディエンスに挑むような視線を投げかけた「Telecastic fake show」、TKと345の絶叫がフロアを切り裂いた「感覚UFO」とスピーディな楽曲が連発される。クライマックスに向け、さらにテンションを高めていく3人のパフォーマンスは、鬼気迫るものがあった。

そして345のハートウォーミングな物販紹介と観客への感謝の言葉を経て、ライブを締めくくる「傍観」が演奏される。終盤はTKが自分の存在を刻み付けるように絶叫を繰り返しギターをかき鳴らし、ピエールと345もそれに合わせて音を重ね、最後のセッションに興じる。カオティックなサウンドスケープがフロアを満たした頃、TKはマイクスタンドとギターを床に叩き付け、1時間半のステージに幕を下ろした。

凛として時雨「凛として時雨TOUR2011 “αβ+1”」2011年11月30日(水)東京都 LIQUIDROOM ebisu セットリスト

01. nakano kill you
02. 想像のSecurity
03. COOL J
04. DISCO FLIGHT
05. I was music
06. knife vacation
07. a symmetry
08. テレキャスターの真実
09. ハカイヨノユメ
10. 新曲
11. illusion is mine
12. Tremolo+A
13. 夕景の記憶
14. JPOP Xfile
15. Telecastic fake show
16. 感覚UFO
17. 傍観

この記事の画像(全5件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

凛として時雨、タフネスさを証明したツアーファイナル http://t.co/DFrfNjzf

コメントを読む(1件)

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 凛として時雨 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。