NICOツアーファイナルで出来立て新曲「手をたたけ」披露

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6月10日、NICO Touches the Wallsが全国ツアー「NICO Touches the Walls TOUR 2011 PASSENGER ~We are Passionate Messenger~」のファイナル公演を東京・Zepp Tokyoにて開催した。

「NICO Touches the Walls TOUR 2011 PASSENGER ~We are Passionate Messenger~」ツアーファイナルの模様。

「NICO Touches the Walls TOUR 2011 PASSENGER ~We are Passionate Messenger~」ツアーファイナルの模様。

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光村龍哉(Vo, G)

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古村大介(G)

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坂倉心悟(B)

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対馬祥太郎(Dr)

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このツアーは、3rdフルアルバム「PASSENGER」発売直後からスタートし、全国12会場で2カ月にわたり展開。各公演ともに即日完売するほどの大盛況で、現在のNICOの注目度の高さをうかがわせた。

客席が暗転するとともに雷鳴が轟くという劇的な形でライブがスタート。ダンサブルなビートに乗せて、まずは対馬祥太郎(Dr)が駆け込むようにステージへ。そして観客の歓迎を受けながら、ドラムセットの隣に設置されたタムをリズミカルに刻んでいく。続いて古村大介(G)がドラマチックなギターを鳴らし、坂倉心悟(B)はうねりのあるベースで音を重ねていく。最後に光村龍哉(Vo, G)が登場し、4人が揃うと会場は大歓声に包まれた。

「最高の夜にしようぜ、東京! 準備はいいか?」と光村が叫ぶや否や、対馬のカウボーイのような掛け声で「ロデオ」が始まる。ツアー序盤は前のめりな部分があったプレイも安定感を増し、より強くリスナーに訴求。肉体的なサウンドが、一瞬でフロアを圧倒していた。

エンジン全開のプレイは2曲目の「THE BUNGY」にも引き継がれ、軽快なリズムにあわせて会場の床が上下に揺れる。シャウトを繰り返す光村の傍らで、坂倉と古村は積極的に前に出てオーディエンスを煽り、絶好調であることをアピール。続く「容疑者」は、かすれ気味の光村の歌声が情感たっぷりに響き、楽曲の切ない世界をオーディエンスに伝えた。

ミディアムナンバーで少し空気を入れ替えたところで、再びギアをトップに入れての「サドンデスゲーム」。ライブで披露されるたびに、この曲は強靭さとスピードを増した様子。ストロボのように明滅するライトにあわせて、破壊的なアンサンブルが炸裂し、ライブ序盤とは思えない熱狂が会場を支配した。

4曲をノンストップで演奏し終え、光村は「2カ月ぶりに東京に帰ってまいりました。ただいま!」と挨拶。さらに「今日は全国の皆さんと作り上げたツアーの集大成をお届けしようと思います。今日は伝説を作りましょう」と殺し文句を言い放った。

続いてのパートでは、ライブの定番とインディーズ時代の楽曲を交互に演奏。光村の息づかいまでもが聴こえるアカペラから始まった「行方」、熱気でステージが霧のように白く立ちこめた「錆びてきた」と起伏のある展開でライブが進んでいく。

メンバー紹介とソロコーナーが繰り広げられた「SURVIVE」は、爆笑が起きるほどの盛り上がりに。光村と古村が爪弾いたTHE VENTURES顔負けのテケテケギターと、対馬のテクニシャンぶりを感じさせるドラミングも秀逸だったが、特に歓声があがったのは坂倉のソロコーナー。「意味もなくコーラを飲んでいる」という歌詞にちなんで、坂倉がコーラを飲むのがツアー中の恒例となっていたのだが、初日は350ml缶だったコーラのサイズがこの日は1Lボトルに拡大。光村にボトルを手渡されると坂倉は、「聞いてないッス!」と抵抗しながらも果敢にチャレンジ。しかし、半分を飲んだところで古村にバトンタッチし、2人で飲み干すというチームワークの良さを披露した。

その後のMCで光村はツアー中の坂倉のコーラの飲みっぷりを回顧し、「500mlいけるようになったから、1Lもいけると思ったんだけど。でも、古君がいたからね」と笑顔で古村を見やり、「これがバンド愛です!」と観客を笑わせた。

続いては「ツアー中で一番曲の株が上がった、成長した曲なんじゃないかと。ワクワクしながら聴いてください」という紹介で「ページ1」。キラキラした音像に会場の空気が高揚していく。キャンドルライトの演出が印象的な「君だけ」は、ツアー前半に比べ、ボーカルを引き立たせるようなアレンジに。切実な思いを歌った歌詞が、重厚なサウンドとともに響きわたった。

光村と古村の息の合ったギターセッションから始まった「マトリョーシカ」を経て、新曲「手をたたけ」を初披露。「夏っぽい楽しい曲を書いてみました」と光村が明かしたこの曲は、観客のハンドクラップが必須のゴキゲンなポップチューン。キャッチーなメロディとストレートな歌詞が耳に残るナンバーだ。かといってアレンジがシンプルなわけではなく、ギミックも随所に取り入れられており、彼らのプレイヤーとしての素質も反映された仕上がり。今後彼らが出演するイベントやフェスに参加する人は楽しみにしておこう。

虹色のライトがステージを彩った「ホログラム」、そして「妄想隊員A」でポップな一面を打ち出した後は、本編のクライマックスに突入。「みんなが抱えてるものをステージに向かって吐き出してくれ。俺らが全部音にして吐き出してやるから!」という言葉から、光村のアカペラで「Diver」が始まる。そしてオーディエンスの大合唱とダイナミックなサウンドスケープが会場に広がった。

本編のラスト「Passenger」の前に光村はツアーの思い出や、アルバムに込めた思いを吐露。「ものすごく収穫のある、とても楽しいツアーでした。そんなツアーにできたのは、みなさんのおかげだと思います」と改めて感謝し、「僕らは一生、音楽とみなさんと一緒に旅を続けていきたい。みなさんとNICOという箱船の乗って、どこまでも一緒にいけたらと思います」と語った。そして「1回きりの人生なので、自分たちが信じた道を歩みたいし、そんな僕らについてきてほしいです。そしてみなさんも自分の信じた道を貫いてほしい」「音楽と僕らはいつでもみなさんの傍にいます。本当に素晴らしいツアーをありがとう」と熱い思いを伝えた。

そこからつなげられた「Passenger」を、4人はオーディエンスに全身全霊で届けた。光村は声を枯らし絶唱し、古村、坂倉、対馬は曲に込められたメッセージを噛み締めるように音を重ねる。最後の「ラララ」を観客とともに合唱する4人の表情は、「PASSENGER」という作品をファンに無事届けられた充足感にあふれていた。

アルバムの世界をしっかり提示した本編の一方、アンコールは爆笑の連続の楽しくゆるい雰囲気に。しかし、決めるところは決めるメンバーたち。ツアー会場で募った東日本大震災の義援金の報告とともに、震災の影響で中止となった仙台公演のリベンジを誓い、観客の喝采を浴びる。さらに、本編で演奏した新曲についても触れ「ツアー中に作って、今日が正真正銘の初披露だったんです。まだまだ新曲があるんで、2011年もよろしくお願いします」と挨拶した。

アンコール1曲目は会場のボルテージを上げるような「GANIMATA GIRL」。古村がフロアに乱入する場面もあり、観客のボルテージはさらに上昇していく。そして最後にオーディエンスの心を潤していくような「雨のブルース」を丁寧に奏で、「PASSENGER」ツアーに幕を下ろした。

ライブを重ねるごとにたくましさを増していっただけでなく、ツアー中にセットリストを変えたり、ライブの定番曲に大胆なアレンジを加えたり、2カ月の間にバンドとして進化をみせたNICO Touches the Walls。その中でもZepp Tokyoでのツアーファイナルは、彼らのさらなる飛躍を予感させる一夜となった。

「NICO Touches the Walls TOUR 2011 PASSENGER ~We are Passionate Messenger~」Zepp Tokyo公演セットリスト

01. ロデオ
02. THE BUNGY
03. 容疑者
04. サドンデスゲーム
05. 行方
06. 錆びてきた
07. SURVIVE
08. Broken Youth
09. ページ1
10. 君だけ
11. マトリョーシカ
12. 手をたたけ
13. 友情讃歌
14. ホログラム
15. 妄想隊員A
16. Diver
17. Passenger
<アンコール>
18. GANIMATA GIRL
19. 雨のブルース

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