RYUKYUDISKOツアーファイナルを豪華ゲストが祝福

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RYUKYUDISKOが全国ツアー「RYUKYUDISKO LIVE TOUR 2009 "pleasure"」の最終公演を12月2日に東京・LIQUIDROOM ebisuで開催。豪華ゲストアーティストとともに、2年ぶりとなったワンマンツアーを盛大に締めくくった。

ライブではおなじみ、首里城DJ卓でプレイするRYUKYUDISKO。左が廣山哲史、右が廣山陽介だ。

ライブではおなじみ、首里城DJ卓でプレイするRYUKYUDISKO。左が廣山哲史、右が廣山陽介だ。

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多和田えみはひらひらした服をまとって登場し、2曲を熱唱。

多和田えみはひらひらした服をまとって登場し、2曲を熱唱。

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「遥」演奏の様子。RYUKYUDISKOのビートに合わせMEGのボーカルとiLLのギターが絡み合う幻想的な空間が展開された。

「遥」演奏の様子。RYUKYUDISKOのビートに合わせMEGのボーカルとiLLのギターが絡み合う幻想的な空間が展開された。

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この日のライブはツアーファイナルらしく、他の公演とはひと味違った演出が随所で繰り広げられた。まずオープニングDJは盟友・RAM RIDERが担当。徐々に観客で埋まっていくフロアに4つ打ちビートを響かせ、ライブ開始を待ちわびるオーディエンスの熱を上げていく。そしてスタート時間を10分ほど過ぎた頃に、DEVICEGIRLSによる映像がスクリーンに映し出されると、待ちわびた観客からどよめきが上がった。続いてRYUKYUDISKOの2人がステージに姿を見せ、廣山哲史がドラムスティックを持った両手を上げると、それにあわせて観客も諸手を上げて歓迎する。

そしてまず鳴らされたのは、最新アルバム「pleasure」に収録された「ARIGATO」だ。りんけんバンドの名曲をサンプリングしたこの曲は、テクノと琉球音楽の“ちゃんぷるー”(ミクスチャー)を特徴とする彼らならではのナンバー。オープニングから強めのビートにさらされたオーディエンスは、カチャーシーと呼ばれる沖縄の踊りを真似た手振りでステージに応える。メンバーも最初からハイテンションで、廣山陽介はたびたびDJ卓に乗り出しフロアを煽り、哲史はステージ前方に躍り出てエイサー用のパーランクー(小太鼓)を叩きまくる。

また、続く「TAIKO ROCK」では「ハイサイおじさん」のフレーズがミックスされ、「RKD Experience」(RKD TEKNO+Uchina Experience)ではFATBOY SLIM「Praise You」をマッシュアップするなど、大ネタを混ぜ込んでくるサプライズも。RYUKYUDISKOらしい遊び心満載のライブが展開されていく。

次に「てぃんさぐぬ花」のイントロが聴こえると、観客から歓声が上がり、同時に1人目のゲストとして多和田えみが登場。三線の音が優しいトラックにあわせて沖縄方言の歌詞を丁寧に歌い上げ、LIQUIDROOMを島色に染めていく。「こんばんは、多和田えみです! RYUKYUDISKOツアーファイナルおめでとうございます、今日は最後まで皆さんエンジョイしていってください!」と短いMCを経て、「Starlight Waltz」に突入。テクノなワルツという異色な組み合わせを、多和田のソウルフルな歌声がつないでいく。また後半では、スクリーンに流れるビデオクリップにあわせてツアーグッズのタオルをぐるぐる回してヒートアップ。まだまだ様子見の面持ちだった後方の観客をも熱狂に巻き込んで、颯爽と去っていった。

多和田がステージを降りると、スクリーンには某つぶやきサービスに似た画面が大写しに。「なまぬーそーがー?」(今何してる?)と書かれた画面に、「RKD1」「RKD2」からのメッセージが次々に流れると、フロアからはその都度笑いが起きる。MC代わりの粋な演出も、ライブであまりしゃべらない彼ららしい試みと言える。

短い演出の後は「OK Sampler」からスタート。井上ジョーの声による無国籍感漂うフレーズと歪んだギターが印象的な楽曲に、再び踊りまくる観客が続出。さっと挿入されたブレイクでは陽介がタオルをフロアに投げ入れ、わあっと嬌声が起きる。また陽介がハンディカメラで観客を撮影した映像が、リアルタイムでメインスクリーンに投影され、DEVICEGIRLSがその場でVJ用の映像とミックス。これでオーディエンスとステージの距離がいっそう縮まったのが見て取れた。

続く「Sound to Bang【Counting Rhyme】」を経て、スクリーンに再びMC代わりの映像が映し出される。「東京のみなさん こんばんは 沖縄からシーサーに乗って津々浦々 今夜リキッドルームにたどりつきました」とこの夜のために作られたテロップを観た観客は、指笛やバンド名のコールなどで応える。そしてゲストのSAWAが姿を現し次の曲にスムーズに移るはずが、何の音も聴こえてこない。ここで初めて陽介がマイクに向かうと、言った言葉は「すみません、プログラムのロードに思ったより時間がかかってしまっています」。思わぬトラブルとなったが、SAWAがMCでその場をつなぐ。この夏、各地でライブを一緒に行った仲ならではの、息のあった様子をうかがわせた。

改めて「SPLASH★」をSAWAとともに披露。胸キュンなメロディにSAWAのガーリーな歌声が乗るナンバーで、ステージは一気に華やいだ雰囲気に。さらに「夢のFUTURE」ではSAWAに加え、楽曲の後半でしおりも加わり、豪華ツインボーカルでのパフォーマンスとなった。そしてSAWAが「ありがとうございました! SAWAでした! 続いてはしおりちゃんです!」と口にしてステージを後にすると、「ハイビスカス」が艶やかに歌い上げられる。音源よりもビートを強調したサウンドがしおりのメロウな歌声と混ざりあい、フロアは心地良いグルーヴに包まれた。

曲が終わり、観客から「RYUKYUー!」「DISKOー!」と掛け合いのようなコールが飛ぶ中、「ありがとうございます、しおりちゃんでした。……しおりちゃんも同じ沖縄の人なんです、知ってました?」とおもむろに陽介がMCを始める。「自己紹介が遅れました。改めてRYUKYUDISKOです。本日は『TOUR "pleasure"』ファイナルにお越しいただきありがとうございます。なんか、感極まって涙が出そうです」と口にすると、オーディエンスからあたたかい拍手がわく。気を取り直したように「沖縄行ったことある人ー!」と観客に挙手させ、「結構いるんだね。最近僕らはあんまり帰れてないんだよね?」と兄に話を振るも、次の準備にいそしんでいる哲史は応えない。「あ、今結構いっぱいいっぱいみたいなんで(笑)。いつもこうなんですよ、ワンテンポ遅れた感じで」とちゃかす陽介を受け、にっこりと満面の笑みを返す哲史。RYUKYUDISKOのライブにしては珍しい生MCでの掛け合いに、驚く人たちもちらほら見受けられた。

さらに陽介が「カチャーシーって知ってる? RYUKYUDISKOの音楽にはカチャーシーがぴったりだと思ってるので、今日はぜひ! 皆さんに覚えて帰ってもらいたいです」と口火を切って、映像を使ったカチャーシー講座が始まった。「カチャーシー分解」「カチャーシー実演」と題された映像がDEVICEGIRLSの手によってチョップ&ミックスされ、「カチャーシーに決まったルールはありません」という女性の声が何度もリピートされるうちに、恥ずかしがっていた観客も次第に踊りの渦の中に。フロア中で両手がひらひらされたところで、おもむろに「WIRE MATSURI」へとなだれ込んだ。

続く「太陽ぬ夜」「MOTHER」では、ゲストボーカルの城南海が奄美の島唄をルーツに持つ浪々とした歌声を響かせ、MCで語ったとおり「南国の島時間」をもたらす。また「遥」ではiLLMEGが参加し、MEGの甘い声とナカコーのクールな声&浮遊感あふれるギターが楽しめるという贅沢ぶり。さらに曲のラストではナカコーがギターソロをかき鳴らすなど、スペシャルな夜ならではのステージングを息をのんで見つめるオーディエンスが続出した。

いよいよライブは終盤戦に。陽介が再びハンディカメラを手にすると、哲史の手元にフォーカスを当てる。映し出されたのはiPhoneで、アプリケーション「iDaft」を使ってDAFTPUNK「Harder Better Faster Stronger」のフレーズを次々に叩きだす様子に観客も大喜び。そのまま「Top of the Island」を鳴らし、フロアのテンションを高く高く持ち上げる。途中、哲史が指笛を吹くも3回に1回は失敗してしまい、そのたびにわぁっと観客から笑いが起きるという微笑ましい場面も。次にゲストボーカルとして曽我部恵一が登場し、メンバー2人の生まれた年をイメージして歌詞を書いた「1978」を披露。スクリーンに映った「welcome! sokabe keiichi」の文字をバックに透き通ったボーカルを響かせた。

そして、アウトロのビートからスネアのマーチリズムとホイッスルの音に移り、本編ラストの曲「RKD MARCH」に突入。ゲストとしてアナウンスされていたBLACK BOTTOM BRASS BANDは、なんとサイドステージから4管のサウンドを轟かせ、フロアをおおいに驚かせる。BBBBの4人はその後メインステージに移動し、RYUKYUDISKOが鳴らすホイッスルやサンプラーによる「DISKO!」のコールと絡みながら演奏。会場中がハッピーな空気で満たされたところで、哲史&陽介の2人がスネアの音にあわせてステージ前方まで歩いていき、ぴょこんとお辞儀したことでライブ本編が終了した。

終止踊り、笑い、カチャーシーを繰り広げたオーディエンスは、疲れも見せずにすぐさまアンコールを要求。するとステージ上にはギターアンプやスタンドマイク、パーカッションが持ち込まれていく。そう、アンコール1曲目はDachamboとのコラボによる「RYUKYUDISTO」だ。Dachamboの5人が紡ぐグルーヴ感あふれる演奏がRYUKYUDISKOのテクノサウンドを包み込み、哲史と陽介が鳴らすビートがDachamboに自由なインプロビゼーションを促す様子は、まさにジャムっているとしか言いようのない光景。違うフィールドに属しながらも音楽を楽しんでいるという点でひとつになった2組が繰り広げるセッションは、RYUKYUDISKOの新境地を感じさせる素晴らしい瞬間となった。

メンバーもそれは感じたようで、曲が終わった後陽介が思わず「……すごかったですね、びっくりしました」とつぶやく場面も。さらに「せっかくなんでちょっと乾杯をしたいと思います! ASAHIビールで、乾杯!」と続け、メンバー2人が美味しそうに缶ビールを口にすると、本編とはひと味違った、どことなくゆるやかな雰囲気が会場に流れる。その後この日の参加ゲストへの感謝や観客を巻き込んだ撮影会、哲史のボコーダーによるMCなどを経て、アンコールならではの「NICE DAY」&「ナサキ」スペシャルメドレーが鳴らされる。そして最後の楽曲「てくの NO ひみつ」で、フロアのテンションも最高潮に。腕を振り上げ、足を踏み鳴らし踊りまくる観客に、RYUKYUDISKOの2人はこの日一番の笑顔で応えていた。

すべての曲が終わると、ステージ前で2人が挨拶。差し伸べられた右手を見て照れくさそうにする哲史の左手を陽介がぎゅっとつかみ、ゆっくりとバンザイ。そのまま深く深くお辞儀をする様子に、オーディエンスから惜しみない拍手と感謝のコールが贈られた。メンバーが退場すると「MY WAY」が聴こえる中、スクリーンにエンドロールが流される。ゲストの名前、セットリスト、スタッフの名前に続き、最後に映し出された「ニーフェデービル」(本当にありがとう)という沖縄の言葉に送られ、この日のライブは幕を閉じた。

アルバム「pleasure」で鳴らされた最新型RYUKYUDISKOサウンドが目の前で次々に再現されたステージは、まさに圧巻のひとことに尽きた。RYUKYUDISKOは年末から年明けにかけてageHa、幕張メッセ、渋谷duo MUSIC EXCHANGEなどでライブを行うことが決定している。2年ぶりのワンマンツアーを経て、さらに練度の上がった彼らのライブをぜひ観逃さないでほしい。

なお、この日のライブの模様が12月10日(木)19:00~21:30にMUSIC ON! TVにて放送されることが決定。会場に足を運べなかった人は、録画予約をお忘れなく。

「RYUKYUDISKO LIVE TOUR 2009 "pleasure"」2009年12月2日@LIQUIDROOM ebisu セットリスト

01. ARIGATO
02. TAIKO ROCK
03. RKD Experience(RKD TEKNO+Uchina Experience)
04. てぃんさぐぬ花 feat.多和田えみ
05. Starlight Waltz feat.多和田えみ
06. OK Sampler
07. Sound to Bang【Counting Rhyme】
08. SPLASH★ feat.SAWA
09. 夢のFUTURE feat.SAWA+しおり
10. ハイビスカス feat.しおり
11. WIRE MATSURI
12. 太陽ぬ夜 feat.城南海
13. MOTHER feat.城南海
14. 遥 feat.iLL&MEG
15. Top of the Island
16. 1978 feat.曽我部恵一
17. RKD MARCH feat.BLACK BOTTOM BRASS BAND

<ENCORE>
EN01. RYUKYUDISTO feat.Dachambo
EN02. RYUKYUDISKO Mega Mix(NICE DAY~ナサキ)
EN03. てくの NO ひみつ

<ENDING>
MY WAY

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♦tarø♦ @PTTLimit

行きたかったー!

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