女王蜂全国ツアー「A」超満員のZeppで終幕「これからも共犯でお願いします」

2017年7月4日 14:26 1330 6 音楽ナタリー編集部

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女王蜂の全国ツアー「女王蜂全国ツアー2017『A』」のファイナル公演が、7月2日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて行われた。

女王蜂（撮影：中野修也）

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最新アルバム「Q」を携え、全国15カ所で開催された今回のツアー。最終日のチケットはソールドアウトし、超満員のオーディエンスがメンバーの登場を待ち構えた。

オープニングではステージ上方のスクリーンに映し出された「Q」の文字が砂のように消え失せ、開演を知らせる。その後ステージに現れたメンバーは「DANCE DANCE DANCE」からライブをスタート。ビジューをあしらった華やかなスーツ姿で繰り出されるダイナミックなサウンドに、早くもフロアは大きく揺れた。

アヴちゃん（Vo）（撮影：中野修也）［拡大］

ミラーボールが輝く中で披露された「金星」、やしちゃん（B）のベースラインが心地よく響く「しゅらしゅしゅしゅ」が終わると、アヴちゃん（Vo）は「ようこそこんばんは、女王蜂です！踊れるかー！」とオーディエンスに挨拶。そのまま「ヴィーナス」へとなだれ込み、フロアには無数のジュリ扇が舞った。

爆音が響き渡った「ギラギラ」、重厚なビートとひばりくん（G）の流麗なギターが絡み合う「超・スリラ」、アヴちゃんが表情豊かなボーカルを聴かせる「空中戦」と、その後もほぼノンストップでのパフォーマンスが続く。狂乱状態から一転し、「つづら折り」ではゆったりしたリズムに乗せて湿度を感じさせるサウンドが響いた。

MCでアヴちゃんは超満員のフロアを見渡し「パンパンやん。すごいやん！」と笑顔を見せる。そして「アルバムを出してから、いろいろなことがいいように回ってきたと思います。曲を口ずさんでくれる人が増えて『すごいな、作ってよかったな』と思うし、これが醍醐味なんだろうなとも思います」とオーディエンスへ呼びかけた。

「Q」を披露する女王蜂。（撮影：中野修也）［拡大］

「ただ、これから歌う1曲だけはどうしても1人で歌いたい。今から世界一静かにしてください」というアヴちゃんの言葉のあと、演奏されたのは「Q」。波打ち際の映像がスクリーンに映し出される中、暗いステージから情念を込めた歌声と演奏が届けられる。観客は微動だにせず、その音にじっくりと聴き入った。

メンバー全員がアグレッシヴなプレイを展開した「告げ口」からは再びフロアの熱気が上昇していく。ポップに奏でられた「もう一度欲しがって」のあと、アヴちゃんの「踊れますか？」という言葉から「デスコ」へ突入。ルリちゃん（Dr）が刻むダイナミックなビートに乗せ、フロアはまたしても狂乱状態へと陥る。曲中、アヴちゃんはスーツの上下を脱ぎ捨てて黒シャツ1枚で妖艶に歌い上げ、オーディエンスをさらに狂喜させた。

アヴちゃんはこの日の衣装について「衣装よかったでしょ？自分たちで宝石縫ったんです。お裁縫ができないと女王蜂には入れないですから。ただ、めっちゃ重いねん（笑）」と語って笑顔を見せる。そしてソールドアウトで迎えたツアーファイナルへの思いを「活動休止してたし、『解散したんじゃなかったんだ』ってやっと最近言われなくなりました（笑）。それもこれもCD買って、来てくださる皆さんのおかげです」と明かした。

その後、アヴちゃんはあるファンからもらった手紙についてのエピソードを披露したあと「自分のことを笑わなくてもいいような音楽をやりたいです。できると思うねん」とさらなる前進を誓い「雛市」を熱唱。荘厳なアンサンブルで本編を締めくくった。

アンコールではツアーグッズのTシャツに白いミニスカート姿のアヴちゃんが1人でステージに現れ、観客から「かわいいー！」と歓声を受ける。ここでアヴちゃんは、自身が出演するミュージカル「ロッキー・ホラー・ショー」に、女王蜂全員が舞台音楽のメンバーとして参加することを明かしてファンを大喜びさせる。アヴちゃんは「1人で修行やと思ってたけど、全員で修行です！」と意気込んだ。

左からDAOKO、アヴちゃん（Vo）。（撮影：中野修也）［拡大］

ここでアヴちゃんはツアーファイナルのスペシャルゲストとしてDAOKOを呼び込んだ。本編をステージ袖で観ていたというDAOKOは「毎回泣いちゃいます」とライブを絶賛。アヴちゃんは「DAOKOちゃんは実は女王蜂ファンからの成り上がりやからね」と、愛おしそうに彼女を見つめた。そんな2人が歌ったのは「金星 feat. DAOKO」。サビでは2人のキュートな高音が響き渡り、会場を華やかな空気に変えていった。

アヴちゃんとハグを交わしたDAOKOとハイタッチしながら、メンバーたちもステージへ登場。アヴちゃんは「この景色を覚えておこうと思います。初めてこのツアーで『女王蜂、大きくなりたいなと思いました」と語り「もし女王蜂がめっちゃ大きくなって、チャートにバーって入ったりしたら、なんか面白く変わるんじゃないかと。これからも面白いことをやっていくので、共犯でお願いします」とオーディエンスに呼びかけ、「アウトロダクション」でツアーの幕を閉じた。スクリーンには「A」の文字が浮かび上がり、アルバムに対する彼女たちの“答え”がこのライブであることを提示した。

女王蜂は8月より、このツアーの“番外編”公演を全国3会場で開催。9月からは対バン企画「蜜蜂ナイト3」を全国4公演にわたって行う。