5年目の神戸「ネコフェス」で70組熱演「2度とない人生で5度も楽しい時間をありがとう」

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兵庫県神戸市を舞台にしたライブサーキットイベント「ネコフェス2017」が6月25日に開催され、計70組のアーティストが各会場でライブを繰り広げた。

アルカラのアンコールの様子。(撮影:オイケカオリ)

アルカラのアンコールの様子。(撮影:オイケカオリ)

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このイベントはアルカラが地元・神戸を盛り上げるべく企画し、2013年から毎年行っているもの。5年目を迎えた今年は、昨年まで会場になっていたチキンジョージ、Kobe SLOPE、神戸VARIT.、ART HOUSE、Event-hall RAT、KOBE BLUEPORT、MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎、Star-Club、クラブ月世界に加えてKINGSXが追加され、過去最大である10会場での同時開催となった。当日は降水確率が90%だったにもかかわらず、奇跡的にも雨はほとんど降らず過ごしやすい1日となった。

寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)(撮影:新倉映見(えみだむ))

寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)(撮影:新倉映見(えみだむ))[拡大]

MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎ではRhythmic Toy WorldやLACCO TOWER、四星球らが熱演。Ivy to Fraudulent Gameは15:00にこのステージに登場し、1曲目から「Dear Fate,」で気合いの入った演奏を披露した。その後も彼らは、疾走感のあるエッジーなギターサウンドでオーディエンスを魅了し、寺口宣明(G, Vo)は耽美な歌声を響かせながら何度も「最高だ」とシャウト。今回初めて「ネコフェス」に出演したことについて、寺口は最後に「今日は呼んでもらってうれしいです。そのうれしさがライブに出てると思います」と感謝の言葉の述べ、「故郷」でライブを締めくくった。

清水エイスケ(Age Factory)(撮影:オイケカオリ)

清水エイスケ(Age Factory)(撮影:オイケカオリ)[拡大]

セックスマシーンやLOSTAGE、山田将司(THE BACK HORN)などが出演した東門街のライブハウス・ART HOUSEでは、15:40からAge Factoryがライブを実施。楽器を叩き壊さんばかりの破壊的なバンド演奏と共に、清水エイスケ(Vo, G)が鬼気迫るテンションでエモーショナルな歌を聴かせる。「Puke」で会場を不穏な空気に染め上げたのち、彼らは7月26日リリースのミニアルバム「RIVER」から新曲「SUNDAY」を披露。さらに地響きのような轟音を立てながら、彼らは最後に「ロードショー」を演奏した。

平松愛理とアルカラ(撮影:新倉映見(えみだむ))

平松愛理とアルカラ(撮影:新倉映見(えみだむ))[拡大]

神戸VARIT.にはバックドロップシンデレラや植田真梨恵、ベッド・イン、ヒトリエなどジャンルを問わない幅広い面々が登場したが、その中でも特に幅の広さを感じさせたのは平松愛理。「神戸を代表するアーテイスト」として主催者・アルカラから出演オファーを受けた平松は、「ならバックバンドやってよ」と返答したとのことで、この日はアルカラをバックバンドに迎えてのライブが行われた。彼女はヒット曲「Single is Best!?」や、神戸に本社を構えるネスレ日本のCMソング「LaLa,Smile」などをバンドサウンドに乗せて伸びやかに歌唱。MCではアルカラの稲村太佑(G, Vo)と平松による、噛み合っているのか噛み合っていないのかよくわからないまま盛り上がっていくトークの応酬で、会場が笑いに包まれる。最後は稲村がバイオリンを演奏し、平松がキーボードを弾きながら代表曲「部屋とYシャツと私」を歌唱。平松とアルカラに大きな拍手と声援が贈られた。

牧達弥(go!go!vanillas)(撮影:オイケカオリ)

牧達弥(go!go!vanillas)(撮影:オイケカオリ)[拡大]

「ネコフェス」会場の中で最北端である、北野異人館街の坂の中腹にあるKobe SLOPEには、GRAPEVINEやSound Schedule、クリトリック・リス、キュウソネコカミなどが熱いライブを展開。さらに途中から会場の空調が壊れてしまったとのことで、19:00からのgo!go!vanillasのライブは開演前からサウナのようなムンムンとした熱気で満たされていた。彼らが軽快なリズムに乗せて「おはようカルチャー」でライブを始めると、観客は暑さを忘れたかのように踊り、シンガロングを繰り広げる。牧達弥(Vo, G)が「この灼熱のライブハウス、まだまだ最強の空間にできます!」と言って「マジック」に突入すると、超満員の会場はますますヒートアップ。7月26日にリリースするニューアルバム「FOOLs」から、リードトラック「ラッキースター」もいち早くパフォーマンスした。

稲村太佑(アルカラ)(撮影:新倉映見(えみだむ))

稲村太佑(アルカラ)(撮影:新倉映見(えみだむ))[拡大]

「ネコフェス」の会場で最大のキャパを誇るチキンジョージでは、フレデリック、Suchmos、夜の本気ダンス、赤色のグリッターといった人気アーティストが続々登場。10月に全メンバーが卒業することが発表されているひめキュンフルーツ缶は首にタンバリンを下げながらアルカラのカバー「トロピカルおばあちゃん~ばーばばばぁ~」を歌唱し、8月いっぱいで活動を休止するリバーシブル吉岡はアルカラへのリスペクトを込めたライブを披露した。そして20:30になると、イベントのトリを務めるアルカラがステージに登場。「はじまりの歌」から「半径30cmの中を知らない」「アブノーマルが足りない」とノンストップで畳みかけ、会場は熱狂の渦に包まれる。さらに稲村が「みんなにプレゼントを持ってきました」と語り、7月26日リリースのニューアルバム「KAGEKI」から「如月に彼女」「さすらい」という2曲の新曲をオーディエンスに届けた。

アルカラのアンコールの様子。(撮影:オイケカオリ)

アルカラのアンコールの様子。(撮影:オイケカオリ)[拡大]

稲村はその後、5年連続で「ネコフェス」に出演したリバーシブル吉岡が活動休止に伴ってイベントを卒業したことに触れ、「出会いがあれば別れがあるというのは生きていることそのもののように思います。『ネコフェス』はこれからも新しい出会いがあるし、別れもあるんだろうなって。長くやっていくっていうのはそういうことかなって思います。新しい出会いには感謝して、辞めていく奴は精一杯送り出していく、そういう愛のある懐の広いイベントにしていきたい」とコメント。「リバーシブル吉岡に歌います」と宣言して本編最後に「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」を披露し、思いを込めて「いつか十年後でいい笑いあって 偶然でもいい何処かで会って 叶わぬ想いでも信じたくて 今」と歌い上げた。さらにアンコールで彼らは、バンドのマスコットキャラクターであるくだけねことにゃんにゃん、その子供であるベビタとベビニャン、さらには袖で観ていた出演者たちをステージに呼び込み、一緒に「シンガスマイル」を歌唱。稲村は「2度とない人生の中で、5度もこんな楽しい時間をありがとうございます。まだ決まってないけど、来年も絶対やるから」と誓ってステージを去った。

なおスペースシャワーTVでは、アルカラの結成15周年を記念した特別番組「ア・ル・カ・ラ物語! ~15周年 K・A・G・E・K・I な奇行史~」が8月25日(金)24:30からオンエアされることが決定。この番組では「ネコフェス」の模様も放送される。

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スペースシャワーTV「ア・ル・カ・ラ物語! ~15周年 K・A・G・E・K・I な奇行史~」

2017年8月25日(金)24:30~25:30

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※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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urute @urute_

最高だったな~~~
5年目の神戸「ネコフェス」で70組熱演「2度とない人生で5度も楽しい時間をありがとう」 - 音楽ナタリー https://t.co/AjwoEK54s1

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