「STUDIO HISASHI with Anime」特集|TKの音楽はなぜアニメと深く結びつくのか?

アニメ専門チャンネル・AT-Xによる新たな動画配信サービス「AT-DX」が3月にスタート。このサービスにて、GLAYのHISASHI(G)がナビゲーターを務めるアニメ紹介番組「STUDIO HISASHI with Anime」が毎月1回配信されている。

「STUDIO HISASHI with Anime」はアニメに造詣が深いHISASHIが、新たな作品との出会いを視聴者に提供する番組。アニメに携わったことのあるアーティストやクリエイターを迎え、HISASHIとゲストがアニメについて深く語り合う。5月2日より配信されている第2回には、TK from 凛として時雨が登場。ソロでは「東京喰種トーキョーグール」「15周年 コードギアス 反逆のルルーシュ」「91Days」「pet」「チェンソーマン」「僕のヒーローアカデミア」、バンドとしても「PSYCHO-PASS サイコパス」「陰陽師」など、多くのアニメ作品に楽曲を提供してきたTKが、音楽ルーツやアニメ作品への携わり方を語る。

音楽ナタリーでは初回に引き続き収録現場に潜入し、HISASHIとTKに収録の感想を語ってもらった。

取材・文 / 中川麻梨花撮影 / 須田卓馬

「STUDIO HISASHI with Anime」はAT-DXにて配信中。

「STUDIO HISASHI with Anime」公式サイト

「STUDIO HISASHI with Anime」#2 収録レポート

東京都内のジャズバーを舞台に「STUDIO HISASHI with Anime」2回目の収録が行われた。HISASHIがゲストとして迎えたのはTK from 凛として時雨。HISASHIはかねてよりSNSなどで凛として時雨をプッシュしており、GLAYの作品にゲストドラマーとしてピエール中野を招いたこともあったが、意外にもこれまでTKと話す機会はほぼなかったという。収録冒頭ではTKが「僕、ずっとGLAYのコピーをさせていただいていたんです」と打ち明け、自身の音楽ルーツを語る。自らミックス、マスタリングも手がけているTKのエンジニアとしての一面に、HISASHIは興味津々。なぜTKが自らエンジニアを担当することになったのかを聞き出し、お互いのバンドのレコーディング方法にも話を広げた。

左からHISASHI、TK。

左からHISASHI、TK。

「アニメタイアップはコラボレーションみたいな感覚で作っています。アニメの監督さんやプロデューサーさんと、どういうものにしたいかを話して」とTKは主題歌作りのスタンスを語る。「PSYCHO-PASS サイコパス」「東京喰種トーキョーグール」といった作品を皮切りにアニメ主題歌を作り始めた彼は、「自分の中だけでは生み出せなかったものが引き出された」と当時を振り返り、作品との出会いによって表現の幅が広がったことを語った。

番組ではTKが大切にしている物を紹介するコーナー「思い出ライナーノーツ」や、HISASHIに“推しアニメ”をプレゼンするコーナーも。TKは「世界の滅亡と平和、友情が同時進行でうごめいている」という現在公開中の最新映画作品を紹介。自身も主題歌に作曲で携わっているこの作品について、「いち視聴者として物語に引き込まれてしまった。どんでん返しというか、いろんなところに仕掛けがあって」と熱弁する。映画は前編、後編に分かれて公開され、TKは前編の主題歌を担当。彼は「前編を観た人は、この作品がどういうふうになるのかがわからずにこの曲を聴くだろうなと思って」とあえて物語を途中までしか知らない状態で楽曲制作に取りかかったことを話し、HISASHIを驚かせた。

あっという間に収録終了時間を迎え、TKは「まだまだアイドリングトークだと思ってますよ」と話し足りない様子。HISASHIも「盛り上がってるところで次の話にいかなくちゃいけないもんね」と名残惜しむ。すっかり意気投合した2人のトークを番組で楽しもう。

HISASHI&TKインタビュー

HISASHIさんが優しすぎて溶けちゃうんじゃないか

──2人でじっくりとお話されるのは初めてということですが、この番組のオファーが来たときのTKさんの率直な心境は?

TK とにかくHISASHIさんとしゃべりたいなって。

HISASHI えー、うれしい! TKくんと話すのはほぼ初めてだから「しゃべってくれる人なのかな?」とちょっと心配だったんだけど、やっぱり音楽の話をしてると、人となりが見えてくるね。「TKくんはこういう人かな?」というぼんやりとしたイメージが、徐々に立体化していく感じがあった。番組収録ではTKくんがイギリスに行ったときの話や、カメラの話をしてくれたけど、それを聞いていて、TKくんの音楽に全部つながるなと合点がいったよ。

TK 僕は今日お話ししていて、HISASHIさんが優しすぎて自分が溶けちゃうんじゃないかと思いました(笑)。

HISASHI ええ!?

TK 前にSUGIZOさんの生誕祭(2019年7月に開催された「SUGIZO 聖誕半世紀祭 HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.」)にソロで出演させていただいたときに、最後にその日の出演者みんなでステージに上がる時間があったんです。僕はそういう場面にあまり出ていくようなタイプではなくて、どうしていいかわからなかったんですが、そのときに僕の近くにHISASHIさんがいてくれて、ちょっと声をかけてくださって。それがかなりうれしかったんですよね。今日お話ししていても、その優しい印象のままでした。

左からHISASHI、TK。

左からHISASHI、TK。

HISASHI GLAYもフェスにほとんど出てこなかったバンドだから、気持ちは少しわかるんだよね。

TK あえてフェスに出ないようにしてるんですか?

HISASHI いや、夏は自分たちのライブをいつもやってるから、スケジュール的に合わないことが多くて。でも、今年はデビュー30周年ということで、フェスにも出る予定だよ。

TK そうなんですね!