TK from 凛として時雨、初自主企画でthe HIATUSと“夢中”競演

TK from 凛として時雨が2月4日に東京・新木場STUDIO COASTにて自主企画「error for 0 vol.1」を開催。ゲストにthe HIATUSを迎え、ツーマンライブを行った。

TK（Vo, G）は2010年に行われたthe HIATUSの全国ツアー「ANOMALY TOUR 2010」に凛として時雨で参加した経験があり、今回はTKがゲストにthe HIATUSを迎える形で自身初の自主企画を実施した。the HIATUSは「The Ivy」でライブをスタートさせ、「The Flare」では歪んだギターサウンドと繊細なピアノの音色で徐々に会場の熱気を上げる。MCでは細美武士（Vo, G）が「TK、呼んでくれてありがとう！」と感謝の言葉を述べるとともに、この日が2016年1発目のライブであることを笑顔で話していた。

ライブ中盤に彼らはmasasucks（G）による伸びやかなギターフレーズと柏倉隆史（Dr）のビートが心地よく重なる「Thirst」や、躍動感のあるアンサンブルの「Unhurt」などでフロアを踊らせる。さらに「Lone Train Running」では観客による大合唱が沸き起こった。残すところ3曲であることを話した細美は、2010年のツアーをきっかけに話すようになったというTKについて語り始める。ギタープレイが尋常ではないと感じていることを明かし、人柄については「すごくいい子」と絶賛。その後も饒舌かつユーモアたっぷりのMCを続け、観客のみならずバンドメンバーが声を上げて笑う場面も見られた。そして「Insomnia」「紺碧の夜に」で熱狂を生み出した彼らは、ラストに「Silver Birch」を届け、ドラマチックなムードの中でライブを終えた。

TK from 凛として時雨はこの日、TKとサポートメンバーのBOBO（Dr）、TOKIE（B）、大古晴菜(Key)、佐藤帆乃佳（Violin）の5人で出演し、1曲目「unravel」で一気にオーディエンスのテンションを引き上げた。続けて彼らはキレのあるビートとピアノがスリリングな雰囲気を醸し出した「phase to phrase」、TKの息使いやテクニカルなギタープレイが印象的な「Abnormal trick」を披露。その後3月2日リリースのミニアルバム「Secret Sensation」より表題曲と「subliminal」を届けると、観客はシンセリードをふんだんに取り入れた新曲群のアンサンブルにじっくりと聴き入っていた。

続けてバンドはシンプルなピアノ伴奏が存在感を放った「contrast」や、TKがブライトなアコースティックギターの音色と歪んだエレキギターのサウンドを使い分けた「flower」を演奏。ラストには「Fantastic Magic」で圧巻のアンサンブルを響かせてライブ本編を締めくくった。

アンコールではまずTK、大古、TOKIEの3人が姿を見せ、「fragile」を披露。この曲ではTOKIEがアップライトベースを弓奏して深みのある音を生み出し、TKの繊細な歌声をボトムで支えた。そして残るサポートメンバーもステージに再登場したあと、TKは初の自主企画を尊敬するバンドのthe HIATUSと迎えられたことに感謝を述べてから、ライブ中の心境について言及。普段はいろいろ考えながらライブをすることが多いと話しつつも、この日はライブ前に細美と会話をしたことがきっかけで「今日は頭の中を空っぽにして、ライブを楽しめました」と語った。ラストに彼らは「film A moment」をエモーショナルに届け、鮮烈な余韻を残してステージをあとにした。

なおTK from 凛として時雨は新作を携え、3月より全国ツアー「TK from 凛として時雨 TOUR 2016 "Secret Sensation"」を開催する。

※記事初出時、一部キャプションのクレジットに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。