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スガシカオ、多彩な表情で魅せた生ライブ試聴会ツアー

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スガシカオ「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015 『THE LAST』」12月25日の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:中河原理英)

スガシカオ「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015 『THE LAST』」12月25日の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:中河原理英)

スガシカオが、単独ツアー「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015 『THE LAST』」の東京公演を12月25日と26日にZepp DiverCity TOKYOにて開催した。

1月20日に約6年ぶりのオリジナルアルバム「THE LAST」をリリースするスガ。その前に実施された今回のツアーは全公演、アルバム曲を先行披露する“生ライブ試聴会”付きで行われた。

12月25日

東京公演の初日は、「THE LAST」の生ライブ試聴会と「ACOUSTIC NIGHT」と銘打ったアコースティックライブの2部構成で行われた。場内が暗転すると「THE LAST」のリリースへの期待を煽るオープニングムービーを経て、スガがバンドメンバーとともにステージへ。定位置にスタンバイした彼は、アルバムの1曲目を飾る「ふるえる手」を、歌詞を噛み締めるように熱唱した。

第1部で彼は「THE LAST」に収録される11曲のうち7曲を、歌詞を盛り込んだ映像をスクリーンで流しながら熱演。「あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ」ではエロティックな一面を見せ、一方で「アストライド」ではポジティブなメッセージを観客に伝える。またMC中にはアルバムリリース前にツアーを行うことについて「お客さんをドキドキさせたかった」と述べ、共同プロデューサーである小林武史とのエピソードなどを語った。

約1時間にわたる生ライブ試聴会を経て第2部がスタート。1人でステージに現れたスガはギターを抱え、赤いスポットライトを浴びながら「アイタイ」を艶めかしく歌い上げた。続く「フォノスコープ」でバンドが合流し、温かなアコースティックセッションが展開される。スガが「今日はクリスマスということで、いつもとはちょっと違う感じにしてみるよ」と宣言した通り、楽曲ごとに入れ替わり立ち替わりでバンドメンバーが登場し、スガとともにセッションを繰り広げていく。

「個人的にすごく好きな曲で」という紹介から始まったのは、林田"pochi"裕一(Key)と2人で奏でる「宇宙」。スガはマイクスタンドに手を添え、穏やかな歌声をフロア中に響かせた。また「夜空ノムコウ」「黄金の月」といった楽曲もアコースティックアレンジで披露し、優しく穏やかなムードを作り出していく。オーディエンスが心地よさそうに柔らかなアンサンブルに耳を澄ませる前で、スガも「やってみるとすげえ面白いです」と述べ、アコースティックライブを存分に堪能している様子だった。

中盤までは「ACOUSTIC NIGHT」にぴったりなしっとりとしたナンバーが続いていたが、「ちょっと踊ってみますか? アコースティックライブから離れますが、年末らしいファンクを楽しんでみませんか」という言葉から始まった「19才」で会場は一気にパーティムードに。スガは高揚した空気を煽るように「コノユビトマレ」「はじまりの日」といったシングル曲を連投したのち、ダイナミックなバンドのアンサンブルに乗せて「青空」を披露して本編を締めくくった。

アンコールの幕開けを飾ったのは「午後のパレード」。ミラーボールがまばゆい光を放つ中で、朗らかなサウンドに合わせてスガも観客も軽やかにステップを踏む。「91時91分」で鬼気迫るようなシャウトを轟かせたあと、スガは「もう1曲やろう、もう1曲」と発言。観客が沸き立つ中、「クリスマスだからクリスマスっぽい曲を選ぼうと思ったらないんだよ……」とボヤきつつ、「12月の歌を最後に歌いたいと思います」と「Cloudy」をパフォーマンス。そして穏やかな余韻と「よいクリスマスを!」という言葉を残して去っていった。

12月26日

2日目も初日と同様、ニューアルバムの生ライブ試聴会で幕開け。転換を挟んだ第2部は「FUNK PARTY」と題され、新旧さまざまなナンバーがバンドサウンドで届けられた。

「あまい果実」でスタートした第2部で、スガはどっしりとしたビートに乗せて歌声を響かせる。「ドキドキしちゃう」では、スガがステージ前方でギターソロを繰り出しフロアを熱狂の渦へと巻き込んでいった。続く「19才」で彼はJUON(G / FUZZY CONTROL)の隣でギターを弾くマネをしたのち、身ぶり手ぶりを交えながら歌唱。シンガロングやジャンプで大盛り上がりを見せる客席を目にし、うれしそうに「ファンキーピーポー!!」と声を上げた。

ライブ中盤ではスガがアコギを弾き伸びやかに歌い上げた「Re:you」、彼のラップ調のボーカルに観客が手を揺らした「はじまりの日」、不穏なコーラス音を皮切りに壮大なアンサンブルが紡がれた「アイタイ」といった多彩なナンバーが披露されていく。終盤に向かうにつれ、ファンのテンションはさらに高まっていき、「シカオちゃーん!」という声が場内に響く。彼は客席に向けて「もう少しみんなと、この愛おしい時間をファンクで埋めつくしたい! 今年の最低なヤツら、最低なことを全部置いていってくれ!」と言い放ち、「したくてたまらなーい!」と咆哮。そしてファンクナンバー「したくてたまらない」が演奏されると、観客は「ヘイ! ヘイ!」と声を弾けさせた。

スガは「みんなのファンクが届いたぜー!」と満足げな様子で「91時91分」を披露。カッティングギターに乗せ、表情豊かなボーカルを聴かせていく。彼は本編最後に「イジメテミタイ」を艶やかな声色で歌い始め、サビでは歪んだギターサウンドが響く中でアグレッシブに声を上げた。その後スポットライトに照らされた岸田容男(Dr)が豪快なドラムソロを繰り出す。スガの煽りによってファンとメンバーがタオルを回すとドラミングはさらに激しさを増していき、岸田は「トキオー! ハッピーニューイヤー!」と叫んで本編を締めくくった。

アンコールを受けたバンドはおそろいのツアーTシャツで登場し、まばゆい光が照らす中「Progress」を演奏。スガの優しい歌声が場内を包みこんだ。彼は「なんか終わっちゃうのやだなー。すごいやだなー」と楽しい時間を惜しむ様子を見せる。その後「よし! 後悔のないように『午後のパレード』を歌おう!」という彼の言葉から同曲が披露され、ミラーボールに反射した光の粒子がフロアに降り注いだ。坂本竜太(B)が中央のお立ち台に乗り、スラップを繰り出してオーディエンスをヒートアップさせると、そのまま「コノユビトマレ」へとなだれ込む。バンドは温かいアンサンブルを息ぴったりに届け、場内にハッピーな空気を漂わせた。

鳴り止まない拍手に応えてダブルアンコールを実施したスガは「20周年の頃にはまた大きいツアーをやりたいね」と願望を語りファンを喜ばせた。そしてスガ、林田、坂本の3人によるアコースティック編成で「Cloudy」がしっとりと届けられたのち、スガは「みんなよいお年をー! 今年もありがとねー! また来年会おうぜー!」と手を振ってステージをあとにした。

なお、Zepp DiverCity TOKYOで行われた2日間のライブの模様は、2月28日(日)21:00よりWOWOWにてオンエアされる。

スガシカオ「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015 『THE LAST』」
2015年12月25日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

第1部

01. ふるえる手
02. 大晦日の宇宙船
03. あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
04. オバケエントツ
05. 愛と幻想のレスポール
06. 真夜中の虹
07. アストライド

第2部

01. アイタイ
02. フォノスコープ
03. Party People
04. 宇宙
05. コーヒー
06. 夜空ノムコウ
07. 黄金の月
08. そろそろいかなくちゃ
09. LIFE
10. 19才
11. コノユビトマレ
12. はじまりの日
13. Progress
14. 青空

アンコール

01. 午後のパレード
02. 91時91分
03. Cloudy

スガシカオ「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015『THE LAST』」
2015年12月26日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

第1部

01. ふるえる手
02. 大晦日の宇宙船
03. あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
04. オバケエントツ
05. 愛と幻想のレスポール
06. 真夜中の虹
07. アストライド

第2部

01. あまい果実
02. ドキドキしちゃう
03. 19才
04. Happy Birthday
05. LIFE
06. 赤い実
07. Re:you
08. はじまりの日
09. Loveless
10. アイタイ
11. 青空
12. したくてたまらない
13. 91時91分
14. イジメテミタイ

アンコール

01. Progress
02. 午後のパレード
03. コノユビトマレ

ダブルアンコール

01. Cloudy

WOWOW 「スガ シカオ ライブ・ツアー2015『THE LAST』」

2016年2月28日(日)21:00~

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