まらしぃ「初心に戻って」全国ツアー最終公演完遂

11月22日に東京・めぐろパーシモンホール 大ホールにて、まらしぃの全国ツアー「marasy piano live 2015」の最終公演が実施された。

今回のツアーは彼が9月にリリースした最新アルバム「The PianO」を携えて行ったもの。この日の公演の冒頭と終盤の模様はニコニコ生放送で配信されており、公演開始前からステージ上のスクリーンにはニコ生視聴者のコメントが映し出された。

定刻を迎えると、猿のぬいぐるみを手にしたまらしぃがステージに登場。オーディエンスにハンドクラップを要求した彼は、アルバム「The PianO」の収録曲「楓神」でライブをスタートさせた。2曲目「千本桜」の演奏中には一瞬演奏を止めて観客の手拍子を乱すなど、茶目っ気のあるパフォーマンスでフロアの笑いを誘う。また「ファンから多数の要望があった」と説明し、アンプラグドで「亡き王女の為のセプテット」「月まで届け、不死の煙」をプレイ。オーディエンスは彼の演奏にじっくりと耳を傾けた。

ライブ中盤、まらしぃはゲーム「パズル＆ドラゴンズ」のキャラクターをイメージした楽曲「Sogna」「Hera」「AndrOmeda」を立て続けに演奏。その後はkors kとのコラボユニット・maras kとして制作した「アンラッキーガールちゃんの日録」「Play Time!!」などのアップチューンでフロアのテンションを引き上げていった。MCに入り「今回のツアーで僕はスピードを磨いてきた」と話したまらしぃは、オーディエンスに“勝負”を持ちかける。勝負の内容は、彼がだんだん速度を速める「ゲゲゲの鬼太郎」の演奏に手拍子を合わせられるかというもの。手拍子が乱れたらまらしぃの勝ち、最後まで手拍子を合わせられたらオーディエンスの勝ち、というルールがアナウンスされたところで演奏がスタートした。序盤は揃って鳴っていた手拍子も、まらしぃが演奏の速度を速めるたびにおぼつかなくなり、最終的には乱れてしまう。演奏終了後、彼は満面の笑みを浮かべながら、客席に向けて「僕の勝ちってことでいいですか？」と話した。

ライブが終盤に差し掛かり「こんなにたくさんの方に囲まれて演奏できて幸せです。こういうときこそ、初心に戻って」と語った彼は、まらしぃとして最初に作った曲「夢、時々…」を情感豊かに演奏し、心地よい音色を届けた。さらにPerfume「チョコレイト・ディスコ」を自在にテンポを変えながら披露し、アルバム「The PianO」の最後を飾るナンバー「Fine」へ。ピアノを弾き終え、客席に深々とお辞儀をしたまらしぃは、猿のぬいぐるみを手にステージをあとにした。

アンコールでまらしぃは、ゲストとして尺八奏者の小湊昭尚をステージに招き「情熱大陸」「アマツキツネ」の2曲をプレイ。2人は時折目配せをしながら息ピッタリのセッションを繰り広げ、場内の大喝采を浴びていた。まらしぃのソロステージに戻り、ツアーを締めくくる曲として彼が演奏したのは「ナイト・オブ・ナイツ」。自身を挟んで向かい合うように置かれたグランドピアノと電子ピアノを同時に演奏するテクニックで観客を魅了した。最後に彼はスケッチブックに「東京ありがとう みなさん大好きです!!!」とメッセージを書き、全国ツアー「marasy piano live 2015」をフィナーレに導いた。