熱狂のKEYTALK×キュウソ×バニラズ対バン

ビクターエンタテインメントが企画するライブイベント「ビクターロック祭り番外編～Getting Better presents "MUSIC TAGS vol.2"～バンド戦国時代～」のツアーファイナルが、10月17日に東京・Zepp Tokyoで開催された。

大阪・なんばHatch、愛知・Zepp Nagoyaを回ってきたKEYTALK、キュウソネコカミ、go!go!vanillasの3組。開演前にステージ後方のスクリーンに各バンドのビデオクリップが流れただけで合唱が巻き起こるなど、フロアは期待と興奮で包まれていた。

一番手としてステージに登場したバニラズは「アクロス ザ ユニバーシティ」でイベントの口火を切る。そのまま「エマ」になだれ込むと長谷川プリティ敬祐（B）はオーディエンスにジャンプを促し、「ミスタースウィンドル」ではジェットセイヤ（Dr）がパワフルなドラムソロを見せつける。キャッチーな新曲「マジック」や1stシングル「人間讃歌」を届けたあとはMCタイムへ。牧達弥（Vo, G）が「KEYTALKとはこのツアーが初めての対バンだったんだけど、八木（優樹）さんがハイテンション過ぎて、俺ら申し訳ない感じだった（笑）」と話せば、プリティは「俺らの出番の前に絶対（小野）武正さんがうちらのところに来て『がんばれ！』って言ってくれる」と語り、楽屋での雰囲気のよさを伺わせる。その後、「ホラーショー」でライブを再開させた彼らはラストに「オリエント」をプレイしてステージをあとにした。

続くキュウソは音合わせで「KMDT25」を演奏して本番前から観客を喜ばせる。一度退出したのち、ステージに再び登場した彼らが「ビビった」からライブ本編をスタートさせると、瞬く間にフロアは熱狂の渦に。「ファントムヴァイブレーション」ではオーディエンスの「スマホはもはや俺の臓器」というシンガロングが響きわたり、「DQNなりたい、40代で死にたい」ではフロアにウォールオブデスが発生。さらにヤマサキセイヤ（Vo, G）は、客の上を歩きながらフロアの中央まで行き、“ヤンキーこわい”のコール＆レスポンスを繰り広げた。

キュウソの“暴走”は止まらず、「お願いシェンロン」ではヤマサキが“元気玉”や“かめはめ波”など、「ドラゴンボール」の技を繰り出しながら熱唱。さらに“筋斗雲”に乗って再び客の上を移動するパフォーマンスで観客の視線を釘付けにする。そしてショートチューン「ウィーワーインディーズバンド!!」で「音楽で飯は全然食えない！」と絶叫し、最後はダンスナンバー「良いDJ」でフィニッシュした。

トリを飾ったKEYTALKも、勢いよくステージに登場した寺中友将（Vo, G）がいきなり客席に飛び込むなど気合い十分。1曲目「太陽系リフレイン」からフロアを大いに揺らすと、「はじまりの扉」「fiction escape」などアッパーチューンを次々と投下していく。10月22日リリースのダンスロックナンバー「MONSTER DANCE」を届けたあとは、寺中が「夏が好きすぎて、これから秋、冬になっていくけど、思い出せば思い出すほど夏は輝くっていう歌です」と紹介して「エンドロール」をさわやかに歌い上げた。

MCでは小野武正（G, Cho）が「3カ所回ってきたけど、1つだけ感想を言うなら『楽しかった！』」と語り、首藤義勝（Vo, B）も「楽しすぎてボーッとしていてパジャマで来てしまいました」と自身のラフな衣装について自虐的に触れる。また前日に北海道でライブしていた彼らは、空港での失敗談を紹介してフロアを和ませた。その後八木優樹（Dr, Cho）の激しいドラムソロと「Zepp Tokyo、かかってこいや！」という雄叫びを合図にラストスパートへ。「S.H.S.S.」「トラベリング」を叩き込んで最後は寺中の「Zepp、すごく盛り上がってくれてまるで夏のようでした」というセリフから「MABOROSHI SUMMER」へとつないで本編を締めくくった。

アンコールでは小野が「僕らだけでやるわけにはいかないんです！」と観客を煽って、キュウソとバニラズを呼び込む。するとライブの2日後に26歳を迎える八木の誕生日を祝うサプライズケーキも一緒に運び込まれ、八木が喜びのスカダンスを踊る場面も。ラストはメインボーカルを務めた八木をはじめ総勢13人でMONGOL800「小さな恋のうた」のカバーを披露。ピースフルな空気に包まれる中、3時間におよんだ「MUSIC TAGS vol.2」は幕を閉じた。