音楽ナタリー PowerPush - MUSIC TAGS vol.2
牧達弥(go!go!vanillas)×ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)×小野武正(KEYTALK)
“バンド戦国時代”鼎談
ビクターエンタテインメントが企画するライブイベント「ビクターロック祭り番外編~Getting Better presents“MUSIC TAGS vol.2”~バンド戦国時代~」が、10月に東名阪で開催される。出演バンドはKEYTALK、キュウソネコカミ、go!go!vanillas。現在のバンドシーンの中で際立った存在感を放つ3バンドの競演は、ロックファンの大きな注目を集めている。
ナタリーではイベント開催に先駆け、小野武正(KEYTALK / G)、ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ / Vo, G)、牧達弥(go!go!vanillas / Vo, G)の鼎談を企画。まさに“戦国時代”とも言えるバンドシーンの話題を中心に、貴重なトークを展開してもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 福本和洋
「なんや? こいつら」
──「MUSIC TAGS vol.2」に出演するのは、KEYTALK、キュウソネコカミ、go!go!vanillasの3バンド。非常に刺激的なイベントになりそうですね。
小野 僕も楽しみですね。この3人の年齢も近いんですよ。ちょうど1つずつ違っていて。
牧 僕が一番下なんですけど、学年でいうと1年(牧)、2年(小野)、3年(ヤマサキ)で。
小野 セイヤさん、中3ですね。
ヤマサキ ホンマや(笑)。そう言えば中学に入ったとき、3年の人って怖くなかった? 同じ人間には思えないというか。
小野 そうですね(笑)。
──この3バンドの交流って、いつくらいから始まったんですか?
小野 えーっと、牧くんとはこの前の「SWEET LOVE SHOWER」のときに初めて話をしたくらいなんですけど。
ヤマサキ めっちゃ最近やん。
牧 そうなんですよ。ほかのメンバーは「ROCK IN JAPAN FES」のときに挨拶させてもらったんですけどね。
小野 キュウソとKEYTALKは2年くらい前から知り合いですね。
ヤマサキ 俺は3~4年前から知ってたけどね。KEYTALK、神戸にめっちゃ来てた時期あったやろ?
小野 ありました。月1くらいでライブやってて……それは盛り過ぎか(笑)。でも、2~3カ月に1回くらいは行ってたかな。
ヤマサキ 僕らが出てたライブハウスに「今月のピックアップ・イベント」ってKEYTALKの名前がバコーン!と出てて、「なんや? こいつら」って思ってたから(笑)。俺、ライブハウスのスケジュールをチェックするのがめっちゃ好きだったんですよ。
小野 すごいですね、それ(笑)。
ヤマサキ 今月はどんなバンドが来てるかな?って。東京から来てるバンドは、バンド名のあとに「(東京)」って書いてるやん? それを調べてライブを観に行って。だから、バニラズも知ってたよ。Mersey Beat(神戸のライブハウス)にも出てたやろ?
牧 はい(笑)。まだ音源も出てないときですね。
ヤマサキ そのときはホームページをチェックして「ちょっとイケメンやな」って思ったくらいやったけど(笑)。
──どうしてほかのバンドをチェックしてるんですか?
ヤマサキ 分析するのが好きなんですよね、インディーズバンドを。自分らもそういうシーンから出てきてるし、「こいつら、どんな音楽をやってるんやろう?」って。
牧 研究熱心なんですね!
ヤマサキ インディーズバンドっておもろいやん。売れようとしてないヤツらもいっぱいおるんやけど、そういうヤツらの音楽って、たまにホームラン打ってたりもして。
小野 あーなるほど。お客さんは入ってないんだけど……。
ヤマサキ 「なんやコレ? すごいな」っていう。で、それを観に行くねん。KEYTALKは「ビルジャック」(神戸のライブハウスMersey Beatと神戸BACKBEAT主催のライブイベント)も出てたやろ?
小野 出てました(笑)。あのときキュウソも出てたんですか?
ヤマサキ うん。女王蜂とかも出てたし。
KEYTALKもキュウソネコカミもライブが“生”
──牧さんのKEYTALK、キュウソネコカミに対する印象は?
牧 すごいバンドですよね、ホントに。世代は近いんですけど、どこに行っても名前を聞くし、夏フェスとかでもみんなが話題にしてるので。KEYTALKもキュウソネコカミも、ライブが本当に“生”なんですよね。予定調和では終わらせないというか。
ヤマサキ バニラズは正統派として戦ってて、それもすごい思うよ。俺らは日によって当たり外れが大きいし、あとで「なんでMCであんなこと言ったんやろう?」って思うこともあるんだけど(笑)、バニラズはいつもカッコいいライブをやってるイメージがあって。
牧 あ、ありがとうございます。キュウソとは「列伝」(スペースシャワー列伝)でも一緒だったんですけど、そのときもセイヤさんは「ここが変わって、よくなった」とか言ってくれて。
小野 僕にはそんな話してくれないですけど。
ヤマサキ だって、いつも酔っ払ってるやん(笑)。
牧 (笑)。そういう話って、打ち上げのときにすることが多いですからね。
小野 飲んでるときって濃厚な話ができるからね。
牧 「列伝」のときは家飲みくらいのテンションだったんですけどね。
ヤマサキ 「ウエーイ!」って盛り上がる感じとは違ってたからな。でも、雰囲気はすごくよくて。
小野 僕はわりと濃厚な話が好きなんですよ。酔っ払って、言わなくていいことまで言って……。僕の場合、ライブのMCよりも打ち上げのことで後悔することが多いですね。「なんであんなこと言っちゃったんだろう」って。
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- ~ビクターロック祭り番外編~「Getting Better presents "MUSIC TAGS vol.2"~バンド戦国時代~」
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- 2014年10月7日(火)大阪府 なんばHatch
<出演者>
KEYTALK / キュウソネコカミ / go!go!vanillas - 2014年10月8日(水)愛知県 Zepp Nagoya
<出演者>
KEYTALK / キュウソネコカミ / go!go!vanillas - 2014年10月17日(金)東京都 Zepp Tokyo
<出演者>
KEYTALK / キュウソネコカミ / go!go!vanillas
- 2014年10月7日(火)大阪府 なんばHatch
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KEYTALK(キートーク)
2009年7月結成。首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G, Cho)、八木優樹(Dr, Cho)で構成される。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterからシングル「コースター」でメジャーデビュー。2014年5月にリリースしたアルバム「OVERTONE」のレコ発ツアーは全カ所ソールドアウトを記録し、ファイナルの東京・赤坂BLITZ公演を大成功に収める。10月にニューシングル「MONSTER DANCE」を発表。
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キュウソネコカミ
2009年末に大学内の“就活敗残者”を中心に兵庫県西宮で結成される。ヤマサキセイヤ(Vo, G)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、ソゴウタイスケ(Dr)による“5人組全方位対応型ネガティヴディスコパンクバンド。”2012年3月に1stフルアルバム「10代で出したかった」、12月に2ndフルアルバム「大事なお知らせ」、2013年10月に1stミニアルバム「ウィーアーインディーズバンド!!!」を発表する。6月に2ndミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」をビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりリリース。破天荒なステージとは裏腹に地道に活動を続け、着実にライブの観客動員を伸ばしていく。2014年に出演したフェスやイベントでは、入場規制がかかるなど注目度の高さを証明。メジャーにフィールドを移したあとも、バンド名の通り“窮鼠猫噛み”のごとく強いものに噛み付きながら精力的に活動している。
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go!go!vanillas(ゴーゴーヴァニラズ)
牧達弥(Vo, G)、宮川怜也(G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)による4人組バンド。どこかノスタルジックで心地よいメロディ、骨太なバンドサウンドが魅力。2013年1月に7inchシングル「人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ」を、同年7月に1stアルバム「SHAKE」をSEEZ RECORDSよりリリースする。2014年2~3月にはスペースシャワーTVが企画するライブツアー「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」に参加し注目を集める。また2月に2000枚限定シングル「オリエント / ホラーショー」を発表し完売させる。8月にはタワーレコード限定シングル「エマ」を発表。11月5日にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりメジャーデビューアルバム「Magic Number」をリリースする。