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蒼井優“きかん坊なみんなの子”「アズミ・ハルコ」の門出にハラハラ

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「アズミ・ハルコは行方不明」初日舞台挨拶の様子。左から松居大悟、太賀、蒼井優、高畑充希、葉山奨之、石崎ひゅーい。

「アズミ・ハルコは行方不明」初日舞台挨拶の様子。左から松居大悟、太賀、蒼井優、高畑充希、葉山奨之、石崎ひゅーい。

アズミ・ハルコは行方不明」の初日舞台挨拶が本日12月3日、東京・新宿武蔵野館にて行われ、キャストの蒼井優高畑充希太賀葉山奨之石崎ひゅーい、監督の松居大悟が登壇した。

本作は、山内マリコの同名小説を原作にした群像劇。独身OL・安曇春子の失踪をきっかけに起こる出来事を、彼女が消えるまでと消えたあとの時間を交錯させながら描く。蒼井が春子を、高畑が春子の顔のグラフィティを街中に拡散するギャル・木南愛菜を演じる。

2008年公開の「百万円と苦虫女」以来の単独主演を務めた蒼井は「みんなの真ん中に作品があった。だから自分が突出して作品を背負ったという感覚はないんです」とコメント。続けて「私が何かする前にみんながひとつになっていた。すごい恵まれたチームに入ることができました」と振り返る。

自身の演じた役をうまくつかめなかったという高畑は「意志がない役なので、衣装合わせをやったとき、シーンごとに衣装のテイストが違って。そんな衣装合わせは初めてで余計混乱しました。しかも監督はぜんぜん助けてくれないし」と松居をチクリと刺す。愛菜と一緒にグラフィティを拡散するユキオ役の太賀は「(ユキオたちは)自分じゃないものになろうとして、自分らしさをなくしていくように見えた。そして松居組は(意識的に)明確なゴールを決めずにやっていて、題名通り“行方不明”になる中で本当の自分らしさを見つけていくような現場だったし、そんな作品になったと思います」と述懐した。

キャスト陣の関係を聞かれた葉山は「ドッキリを仕掛けるのが(松居組の)ブームになっていて、僕と助監督がケンカするというドッキリをしたんです。それに引っかかった蒼井さんが号泣して」と裏話を披露。蒼井は「こんなに仲良くやってきたのに、もう終わったこのチームと思って。そうしたら『うっそー』みたいなことを言ってきて、その言葉に力が抜けちゃって……でも仲良く初日を迎えられてよかった」と笑顔を見せる。シンガーソングライターとして活動する石崎は「僕は心が動いたときにしか曲ができないんですけど、この撮影が終わったあと5、6曲作れたんです」と明かし、「そんな勝手に作った中の1曲『お前は恋をしたことがあるか』を勝手に収録したアルバム(『アタラズモトオカラズ』)を勝手に12月7日に発売するんですけど」と続けると、キャスト陣が「宣伝やん!」とツッコんだ。

松居は「初日を迎えて複雑な気持ちです。ゆっくり丁寧に作って、宣伝もみんなでやってきて、寂しいのとうれしいのといろんな思いがごちゃごちゃになっていて整理できてません。でもこの作品を観たあとの観客の方も同じようにいろんな思いが混濁した状況になるのかなと思います」と心境を述べる。そんな中太賀が耳元で「泣く?」と聞くと、松居は「泣かないよ。そういうこと言われると余計訳わかんなくなっちゃうじゃん!」と返し、仲良さげな様子を見せる。

最後の挨拶を振られた蒼井は「(本作は)みんなの子供みたいな感じなんです。今まで携わってきたどの映画より心配だし、言うことを聞かないし、きかん坊のような映画で。でもその分みんなで手塩にかけて作ってきた作品です。ぜひ皆さんに手を差し伸べてもらえたらうれしいです」と語り、観客に思いを届けた。

(c)2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会

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