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Jコミから絶版マンガ図書館へ、セリフ検索導入

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株式会社Jコミが運営する電子書籍サイト「Jコミ」が、明日7月11日に「絶版マンガ図書館」と名称を変え、大幅なバージョンアップを行う。それに先駆け本日7月10日、「ラブひな」などを代表作に持つマンガ家としても知られながら、Jコミ代表取締役でもある赤松健が、都内にて記者会見を開催した。

「Jコミ」はこれまで絶版になったマンガの全巻無料配信をメインに、クラウドファンディングサービス「JコミFANディング」、未単行本化作品をオンデマンド印刷する「Jコミで印刷できるってよHD」といったサービスを展開してきた。

「絶版マンガ図書館」と名称を変えた理由について赤松は、「より分かりやすいサービス名にするため」と語り、「出版社が電子化に踏み切らない絶版マンガを、売れる売れないに関わらず平等に収録する“図書館”のような存在を目指す」と明かす。また「ネット上に蔓延する海賊版を脅かす存在となり、絶版マンガの海賊版を完全に撃滅する」とも意気込んだ。

赤松はこのバージョンアップで「電子書籍版YouTube」を目指すとも宣言した。仕組みとしては、読者が「絶版マンガ図書館」に掲載してほしい作品の一部をアップロードすると、Jコミ側が絶版かどうかを判断し、絶版だと認定された場合にはランダムな5ページを透かし入りで公開。そして作品の作者からの連絡を待ち、許諾が得られた場合のみ全ページを無料で公開するという。公開された作品は、スマートフォンのJコミ専用アプリでも配信される。

さらにデータベース欄も強化。すべての作品に「Wiki欄」が設けられ、掲載年や掲載誌、あらすじ、キャラクター解説などをファンが追記していくことができる。もちろん作者本人が編集・訂正することも可能だ。これに伴い、Jコミに設置されていた「赤松健による解説」は廃止される。

年内には「絶版マンガ図書館」掲載作品のセリフの文字列検索に対応することも発表。会見では赤松がマンガのフキダシを自動検知し、セリフをデータ化するデモンストレーションを実施した。赤松は、セリフの文字列検索ができるようになることで、学術研究に役立てることはもちろん、作品と掲載広告が精度よく結びつくようになると説明。動画は広告と結びつきが弱いことから、電子書籍は動画よりも優位に立てると論じた。

またJコミを一般層にアピールするため、今秋よりソフトバンクグループのSBイノベンチャーと提携し、電子コミックアプリ「ハートコミックス」ベータ版をApp Storeにてリリース。「基本無料、読み放題」をコンセプトに、オープン時には300冊以上の作品を無料で提供する予定だ。

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