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「まりも兄弟の茶飯事」笑えて心を軽やかにしてくれる、常識破りの三つ子コメディ
2025年5月8日 12:15 PRイトノコ、蔵人幸明「まりも兄弟の茶飯事」
地味で真面目な普通の男子高校生である鞠茂参吾。実は彼は三つ子であり、兄2人はテレビで人気の芸人と、国民的アイドルだという秘密があった。トラブルを避けるために兄弟であることを隠しながら生活している3人だったが、人気芸能人の兄を持つ参吾は苦労が絶えない。「じゃあ、君の代わりに殺そうか?」の蔵人幸明が原作、「2歳差の幼なじみ」の
文
兄二人はスター!? 常識破りの兄弟コメディ
連休明けで気分が乗らない人も多い今の時期。そんなときには、テンポよく笑えて、ふいにドキッとさせてくれるマンガが心を軽やかにしてくれる。「まりも兄弟の茶飯事」は、まさにそんな作品だ。
本作をジャンルで括るなら「兄弟コメディ」。家族ならではの遠慮のないやりとりに思わず笑い、ふとした瞬間に見える絆にじんと心を打たれる……。そんな絶妙なバランスがこのジャンルの魅力だが、「まりも兄弟の茶飯事」がひときわユニークなのは、登場人物が三つ子であること、そしてそのうち2人が芸能界の第一線で活躍する有名人だという点だ。
主人公は、平凡な日常を望む真面目な男子高校生・鞠茂参吾(まりもさんご)。将来は手堅い公務員を目指し、穏やかな日々を夢見ている彼だが、実は平穏無事にはいかない事情がある。それは、なんと長男が若手人気芸人の苺(壱吾)、次男はスーパーアイドルのNi・Go(弐吾)という超有名芸能人の兄を持つ三つ子だからだ。
トラブルを避けるため、三つ子であることを秘密にして生活している参吾だが、人気芸能人の兄2人を持つ末っ子の彼は、毎日が何かと気苦労が絶えない……。「まりも兄弟の茶飯事」では、そんな人気芸能人の兄たちと、平凡を求める普通の男子高校生が織りなす、慌ただしい日常が描かれていく。
ツッコミ満載のなかに光る兄弟の絆
兄2人が有名人という状況で、参吾が劣等感に悩まされるのでは?と思いきや、そんな心配は無用。物語にドロドロ感はなく、ポップで心地よいテンポで進んでいく。例えば、参吾が三つ子であることがバレないよう奮闘する様子や、超クールなアイドルであるNi・Go(弐吾)の実はおっとりした一面を陰ながらサポートする場面、さらには苺(壱吾)のコント練習に完璧なタイミングで付き合うシーンなど、ギャグ満載で笑わせてくれる。ひとえに、兄2人が有名人だからこそ生まれる超設定や奇想天外なシーンが、この物語の面白さを加速させている。
さて、ここまで読んで気づいた方もいるだろう……。実は有名人の兄2人とナチュラルに渡り合える参吾が一番すごいのでは?と。思わずツッコミを入れたくなる参吾のそのキャラクター性こそが、本作のもう1つの面白さでもある。スーパースターの兄弟を持つ参吾には日々さまざまな試練が降りかかり、参吾はそれにあの手この手で対応していく。しかし自らのすごさに参吾は気付くことがない。そんな彼に思わずツッコミを入れることで、読者はまるでギャグの応酬に参加しているかのような感覚に陥り、物語にどんどん引き込まれていく。
さらに、忘れてはならないのが、そんな参吾を誰よりも近くで見守り「うちの弟、すごいだろ?」と言わんばかりの眼差しを向ける兄2人の存在。兄たちの輝かしい表舞台と、参吾の普通の高校生としての姿が対照的でありながらも、お互いに必要不可欠な存在であることが伝わってくる。そんな三つ子の姿にも思わずじんときてしまう。
笑いだけじゃない、やわらかな勇気を届ける1冊
この三つ子だけでも十分に心を掴まれるが、参吾の同級生でNi・Go(弐吾)のガチオタ・香宗我部さんや、そのマネージャー・矢倉さん、苺(壱吾)の相方・渕くんなど、個性豊かなキャラクターたちが登場し、物語の展開に一層のスリルと笑いをもたらす。
三つ子であることは絶対にバレてはいけないという爆弾を抱えながらも、この三兄弟だからこそ巡り合う仲間たち。そして、秘密というスリルをを交え、芽生えていく友情や恋愛。本作は、コメディや兄弟の絆だけではなく、各々の登場人物たちの成長や心の動きにも焦点を当てていく。特に、参吾が兄たちとの慌ただしい日々や、そこから生まれる仲間たちとの交流を通して、少しずつ自信をつけ、最新3巻で自分を解放していく様子には、思わず私たちも背中を押されるような気持ちになる。
「まりも兄弟の茶飯事」が私たちにもたらすのは笑いだけではない。時に笑い、時に心温まる瞬間が積み重なり、読者にやわらかな勇気を届けてくれる。こんな時期だからこそ、心を軽くしてくれる1冊としてぜひ手に取ってみてほしい。
「まりも兄弟の茶飯事」第1話を試し読み!
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