東京の芸術文化を世界に発信すべく、毎年秋に開催されている東京芸術祭。演劇、ダンス、映像、アートプロジェクト、伝統芸能など、国内外のさまざまなアーティストや作品が東京で出会い、交流し、変化する。
このたびステージナタリーでは、東京芸術祭2019参加作品に迫る特集を複数展開。アーティストたちは“今”をどのように捉え、表現へと昇華していくのか。その眼差しの先を探る。
東京芸術祭とは?
東京芸術祭とは、2016年にスタートした、東京都豊島区・池袋エリアで開催される都市型総合芸術祭。2018年に宮城聰が総合ディレクターに就任し、河合千佳、杉田隼人、多田淳之介、内藤美奈子、長島確、根本晴美、横山義志がディレクターに名を連ね、宮城を含む8名のプランニングチームによりプログラムを展開している。
2019年の東京芸術祭は?
2019年の東京芸術祭は9月21日から11月23日に開催。「出会う。変わる。世界。」をテーマに、全27プログラムが行われる。総合ディレクターの宮城聰は、「演劇は自分以外の他者と出会う旅。他者に出会うことで自分が変わり、人々が変わることで、世界が変わっていく」とテーマに込めた思いを語っている。
また、今年はその“出会い”を増やすべく、新企画「ワールドコンペティション」を実施。宮城はコンペティションについて「既存の“モノサシ”をもって作品の寸法を測ろうという企画ではなく、『新たな“モノサシ”をつくる』ことに挑む試みです。そして同時に、演劇を測る“モノサシ”なんて不可能だ、という諦めに対する挑戦でもあります」と企画を紹介する。コンペティションのアーティスト審査員賞の審査委員長には、フランスの元文化大臣でナンシー演劇祭の創始者ジャック・ラング、副委員長には夏木マリが就任。宮城は「審査員の方々には、コンペの参加作品だけでなく、ほかの東京の舞台芸術にも触れてもらい、新しい才能を発掘してもらえたらと思っています。そこから若いアーティストが世界への足がかりを得る可能性もありますし、その積み重ねから、やがて、アジアの舞台芸術家の多くが日本を視野に入れるようになれば、発信拠点としての東京もこれまで以上にプレゼンスを増すのではないかと期待しています」と意気込みを語っている。
- 東京芸術祭2019
- 東京芸術祭 (@tokyo_festival) | Twitter
- 東京芸術祭 - ホーム | Facebook
- 東京芸術祭 (@tokyo_festival) | Instagram
- 宮城聰(ミヤギサトシ)
- 演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術監督。2017年にアジアでは初めて、フランス・アビニョン演劇祭のオープニング作品として「アンティゴネ」を上演した。2018年に第68回芸術選奨文化科学大臣賞を受賞、2019年にフランス芸術文化勲章シュバリエを受章した。東アジア文化都市2019豊島舞台芸術部門総合ディレクター。
2019年10月9日更新