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「そのいのち」は、ミュージシャンの中村佳穂が2018年に発表した楽曲「そのいのち」にインスパイアされた佐藤が、約12年ぶりに書き下ろした戯曲。介護ヘルパーとして働く山田里見、彼女の雇い主で障害を持った相馬花と、その夫・和清の穏やかな日々が、あることをきっかけに狂い始めていく様を通じて、“持つ者”と“持たざる者”の間にある“愛と憎しみの境界線”が描かれる。演出を手がけるのは堤泰之。
モチーフとなった楽曲「そのいのち」の印象について、佐藤は「本当に良い曲で、この曲が流れる作品を作りたいと思いました。中村さんとは直接面識はないんですが、X(旧Twitter)上で上演を喜んでくれていて、そのご縁で相互フォローになりました(笑)」と自慢げに語り、会場を和ませる。
また、本作を執筆した理由や、ハンディキャップを持つ佳山明と上甲にかを花役にキャスティングした理由について問われた佐藤は「よく人から『佐藤さんはパブリックイメージと真逆の作品を書きますよね』と言われるんだけど、僕にとって“負”を力に変えること=生きることなんです。そういう作品じゃないと心血を注げない。この作品を上演することによって、“負”が力に変わるところをこの目で見てみたかった」と言葉に力を込める。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の撮影現場で、佐藤から直々にオファーを受けたという宮沢は「台本を読ませていただいたのですが、とあるシーンで鳥肌が立ったんです。それで『このお芝居をやってみたい』と思い、お受けしました」と述懐。続いて、共演者である佳山と上甲に言及し、「お二人とごあいさつさせていただいたのですが、作品に対してすごく前向きでいらっしゃって、勇気をもらいました。彼女たちが肉体的・精神的に不安がなく、自由な気持ちで稽古に臨めるように、高みを求めながら良いお芝居を作っていけたら」と意気込みを語った。
これを受けて、佐藤は「宮沢りえという信頼の置ける俳優と一緒にやれるのが本当に楽しみ。『そのいのち』という作品は、座組全員が一丸となって立ち向かわないと越えられない山。でも、越える価値がある山だと思っています」と意欲を見せた。
「そのいのち」の公演は、11月9日から17日まで東京・世田谷パブリックシアター、22日から24日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、28日に宮城・東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)にて。チケットの一般販売は、東京公演分が9月1日、兵庫・宮城公演分は9月8日に開始される。
そのいのち
2024年11月9日(土)~2024年11月17日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター
2024年11月22日(金)~2024年11月24日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2024年11月28日(木)
宮城県 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
スタッフ
脚本:
演出:堤泰之
出演
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@stage_natalie 観に出かけたいですね。