「美女と野獣」は1994年にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイで初演され、日本では1995年に劇団四季により、東京・大阪同時ロングランという形で初演された。今回の公演では「美女と野獣」初演で振付を手がけたマット・ウェストが演出と振付を担当し、舞台美術が一新されるほか、台本・演出もリニューアルされる。なお今回の公演は2018年6月から昨年2月にかけて中国・上海ディズニーリゾートのウォルト・ディズニー・グランド・シアターで上演されたバージョンを踏襲したものとなる。
会見には株式会社オリエンタルランドの吉田謙次代表取締役社長(兼)COO、劇団四季の吉田智誉樹代表取締役社長が出席した。オリエンタルランドの吉田社長は「長きにわたり多くの皆様に愛されている『美女と野獣』を、このたびアンフィシアターで上演していただくことになり、大変うれしく思っております。当社は1983年に東京ディズニーランドをオープンして以来、この舞浜の地を魅力的にしていくべく、テーマパークからテーマリゾートへと進化させて参りました。そしてこの先もさまざまな方法で東京ディズニーリゾートを魅力ある場所に育て上げていきたいと思っていますが、その1つとしてアンフィシアターでディズニーミュージカルを上演できないかと思い、今回劇団四季様にお声がけさせていただきました。劇団四季様は『ライオンキング』『アナと雪の女王』などさまざまなディズニーミュージカルを全国各地で上演し、多くの皆様に感動を与えています。同じディズニーコンテンツを扱う劇団四季様に公演いただくことで、東京ディズニーリゾートを訪れる皆様に新たな魅力をご提供できると確信しております」と話した。
続けて劇団四季の吉田社長が登壇。「舞浜アンフィシアターでの劇団四季作品の上演は初めてのことです。今回このようなご縁をいただき、大変うれしく思っております」とあいさつし、今回の企画について説明。「今回は、上海ディズニーリゾートのウォルト・ディズニー・グランド・シアターで2018年から昨年にかけて上演された新演出版を踏襲します。作品の感動はそのままに、まったく新しい形でお目見えします」と話し、上海版のダイジェスト映像を披露した。
劇団四季の吉田社長は「舞台美術は、“外見にとらわれず、人の心の中まで見通す”という作品テーマにのっとって奥が見通せたり、透かしがあり、色鮮やかでスタイリッシュな舞台美術になっています。また台本の改訂も行われまして、テンポ良く物語が進められるようになっており、これによってよりドラマが明瞭に打ち出されていると思います。例えばベルが違うソロナンバー『A Change in Me』が追加されたことで、野獣との交流によってベルの中に生まれた思いの変化が描かれるほか、父モリースとの親子愛が一層強く感じられる場面になっています」と具体的な改訂部分に言及。さらに演出の改訂により、従来版より30分程度上演時間が短くなると語った。さらに舞浜アンフィシアターでの上演に向けて、作品の“インストール作業”を行っていると述べ、同劇場の半円形舞台上にプロセニアムを建て、ステージを拡張すると話した。
また、オリエンタルランドと劇団四季のコラボレーションについては、パークとミュージカルのセットチケットの販売も検討中だといい、「これまで来場されなかったお客様にもお越しいただく動機付けができれば」と構想を明かした。なおパークとミュージカルのセットチケットについては、通常チケットの一般発売と同時を目指していると営業担当者が補足した。
続けて記者から、キャストオーディションと衣裳についても質問が寄せられる。劇団四季の吉田社長は「オーディションは、子役以外は基本的に劇団内のメンバーを対象にしたオーディションとなります」と説明し、衣裳については「それぞれのキャラクターのイメージは変わりませんが、色鮮やかな印象になると思います。例えばベルの黄色のドレスは、黄色がより華やかな色合いの黄色になり、刺繍も施されています。また“もの”にされてしまった者たちの衣裳も、ものとしての無機質な印象は残しつつも、例えば裾の丈の長さが変わることで全体的に軽やかな印象になると思います」と話した。
その後、過去公演の出演者より平田愛咲がベル役を務め「わが家」、飯田洋輔がビースト役を務め「愛せぬならば」、早水小夜子がミセス・ポット役を務め「美女と野獣」の歌唱を披露。会場が一瞬にして「美女と野獣」の世界観に包まれ、記者たちが拍手を送った。
ディズニーミュージカル「美女と野獣」舞浜公演は10月よりロングラン上演予定で、チケットは5月に発売予定。詳細は続報を待とう。
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