タイのスプラッタームービー「
本作の主人公は、体の弱い少女を育てながら屋台を引いて生計を立てるバス。彼女は幼少期に受けた虐待のトラウマと夫が作った借金返済に苦しんでいた。ある日反政府デモに巻き込まれたバスは、その恐怖から外出できなくなってしまい、屋台を辞めて自宅にラーメン屋を開業。母親の秘伝レシピによって店は繁盛し、デモのときに助けてくれた学生運動家のアタボンも手伝うように。2人は次第に惹かれ合うが、アタボンはバスのラーメンに隠された“ある秘密”に気付いてしまう。バスを
あまりの残酷さにラーメン業界からクレームが入り、タイでは10分以上カットした短縮版で2009年に公開された本作。今回はインターナショナル完全版にて上映されている。予告編には、スープの中に浮かぶ人間の顔や、バスが包丁を持ち歩く姿などが収められた。
監督のティワ・モエーサイソンは「『人肉ラーメン』はタイ国のある時代に実際に起きたある出来事に基づいて作られた作品です。国民が思想の違いにより激しく対立し、分裂した結果、恐ろしい悲劇が起きました。この映画に偲ばせた意図は現代においてもいくらでも解釈の余地があると思います」と語っている。
また映画感想屋声優の
「人肉ラーメン(アンカット版)」は11月29日より、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で上映。12月1日に行われるトークショーには野水が登壇する予定だ。
映画「人肉ラーメン」予告編
ティワ・モエーサイソン
日本の観客に敬意を表し、大いに感謝します。「人肉ラーメン」はタイ国のある時代に実際に起きたある出来事に基づいて作られた作品です。国民が思想の違いにより激しく対立し、分裂した結果、恐ろしい悲劇が起きました。
この映画に偲ばせた意図は現代においてもいくらでも解釈の余地があると思います。
野水伊織(映画感想屋声優)コメント
現実と心の内を行き来する演出で、主人公・バスの人生を見事に追体験させられる。
情念、湿度、汗、におい……そういったものが鼻先まで香ってきそうな臨場感があり、あまりに叙情的だ。
タイトルでキワモノ映画と食わず嫌いするのはもったいない。涙の塩気と血肉の旨みたっぷりの人肉ラーメン、ご賞味あれ。
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)コメント
血肉の中にドス黒い情念が入り混じった究極の人間料理。
人体調理描写と同じくらい丁寧に描かれる、哀しみに満ちたドラマが胸を突く。
救われなかった者たちによる慟哭の味を召しませ……。
サメ映画ルーキー(日本サメ映画学会会長)コメント
主人公の店主がもう不幸過ぎてどうしても彼女に肩入れせざるを得ない。それはそれとして人肉ラーメンは一家に伝わる秘伝の味なので解体・調理だけでなく仕入れのスキルも高くて「プロやな──」と思わされるシーンがいくつかあった。
でもやっぱり悲しい話。
くれい響(映画評論家)コメント
ピー(精霊)も黒魔術も登場しない、異色すぎるタイ・ホラー見参!
殺人を繰り返すヒロインの悲惨すぎる境遇に、いたたまれなくなること請け合いだ!!
人間食べ食べカエル @TABECHAUYO
タイより生まれた重く哀しい血みどろラーメンホラー映画『人肉ラーメン』がまさかの劇場公開!しかも完全版!!!私もコメントを寄稿しました!昔、野水伊織さんの発信でこの映画を知って初めて観た時の衝撃は、今も忘れられません。 https://t.co/UOsVFJD5yE