9月下旬から始まったツアーも後半に差し掛かり、すっかりコンディションも安定してきた様子の彼ら。途中で光村龍哉(Vo, G)が喉を故障する事態にも見舞われたが、現在では完全復活。ツアー序盤に比べ、演奏面はよりタイトさを増し、さらに楽曲のアレンジにはアップデートが加えられるなど、バンドの成長ぶりを伺わせた。
ライブの幕が上がり、光村が「NICO Touches the Wallsです!」「ここにいる人は1人残らず満足させて帰りたいんで」と挨拶をすると、オーディエンスは大歓声と拍手で熱狂ぶりを伝える。その声に応えるように、古村大介(G)と坂倉心悟(B)は楽器から伸びるケーブルをものともせず、ステージの前方で観客を煽りながら楽器をときに激しく、ときに丁寧に鳴らす。対馬祥太郎(Dr)は緩急のあるリズムを刻み、フロントの3人を支えるような頼もしいプレイを繰り広げた。
なおこの日のセットリストはバラードのあとに高速ロックチューンを持ってくるなど、普段以上に起伏の激しい内容。終盤のMCでフロアから「熱い!」という声が飛び交うと、光村は「今夜は最高だっていう言葉として受け取ってもいいのかな?」と笑顔を見せた。また彼は喉の不調で公演を延期したことについて述べ、「歌えるのが当たり前だと思ってたから、歌えなくなったらなす術がなくて。そのときに地獄だなって思った。生きてても歌えない俺ってなんなんだと」と自分にとっての音楽の必要性を明かす。「音楽を通してみんなと生きていくんだなって。これからも歌い続けたい。ここにいるみんなで最高に楽しい空間を作っていきたい」と決意を新たにしていた。
また本編も大きな盛り上がりを見せたこの日のライブだが、特に大きな歓声が上がったのアンコールだった。事前に告知されていたように新曲「夢1号」が初披露され、その様子はUstream、ニコニコ生放送、YouTube Live、WEB動画チャンネル「JAMBORiii STATION」で生中継された。ちなみに「夢1号」は、光村が夢で書いたメロディと歌詞を元に作られたナンバーで、メンバー4人のコーラスから幕を明けるバンドにとって新境地とも言える楽曲。光村は「こういうアンニュイな感じのほうがNICOっぽいと思ってる。この曲には売りがありまして、ものすごくコーラスを入れたんです。『NICO青年合唱団』を結成しました。この4人でハモりながらお届けします」と紹介し、浮遊するようなハーモニーと複雑なバンドアンサンブルを響かせた。
「なんか初めてだから心配で……」とつぶやく古村の不安をよそに、オーディエンスは曲が終わると大きな拍手をステージの4人に送る。その反応に緊張から解き放たれたメンバーは、楽曲にちなんでさまざまな夢にまつわるエピソードを交えたMCを繰り広げ、クライマックスに向けてラストスパートをかけた。最後に「12月17日のNHKホールはもっともっとパワーアップして帰ってきたいと思います」と誓ったNICOの4人。ツアーのセミファイナル公演にあたるNHKホールでのパフォーマンスに期待がかかる一夜となった。
そして新曲「夢1号」は12月19日にリリースが決定しているが、カップリングにツアーからのライブ音源が3曲収録されることが決定。収録楽曲などの詳細は発売日に公開されるとのこと。
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NICO、夢の中で作った「夢1号」初パフォーマンス大成功 http://t.co/mWDMqDv9