LITEがそれぞれの自宅からリアルタイム遠隔ライブ実施、国境を超えたゲストもセッションに参加

LITEが5月17日に配信ライブ「LITE×FEVER“Stay Home Session”」を開催した。

「LITE×FEVER“Stay Home Session”」はメンバーそれぞれが自宅から参加し、遠隔でバンド演奏を披露するという試み。LITEは5月10日に自身の公式アプリ「The Room」でパフォーマンスを配信するなど、遠隔による同時演奏のシステムを構築し、武田信幸（G）がnoteにて「バンドの遠隔同時演奏を生配信する方法」と題した記事を投稿して反響を呼んだ。5月17日の配信ライブは東京・新代田FEVERのYouTube公式チャンネルにて行われ、有料コメント機能のSuper Chatで集まった投げ銭収益は同ライブハウスの活動資金に充てられる。

ライブはZoomの不調により開始予定時間を15分ほど過ぎた20:15頃にスタートした。LITEは遠隔ながらもYAMAHAのフリーソフト「NETDUETTO」を駆使したシステムにより、レイテンシー（遅延）を最小限に抑えた環境で1曲目に「Deep Layer」を演奏。「Human Gift」では座って演奏する武田、楠本構造（G, Syn）、井澤惇（B）に対して、山本晃紀（Dr）は電子ドラムで通常のライブと変わらない激しいパフォーマンスを見せた。またライブ中にはチャット機能を使い、オーディエンスとコミュニケーションを取る場面もあり、楠本が機材トラブルでパソコンを再起動した際には「これぞライブって感じ」と、ライブさながらのトラブルすらも楽しむコメントが。また「Temple」の演奏前には「井澤さんの右手がもっと見たい」とリクエストが寄せられ、アングルを調整するひと幕もあった。

「Zone 3」「D」と人気曲が続き、SNSなどで配信ライブの評判を聞きつけてやって来たと思われるアーティスト仲間も続々とチャットに参加。「Ghost Dance」の演奏後、武田は「このやり方が広まれば、実際のライブハウスでのライブと、YouTubeアカウントからのライブを同時に開催できる」と述べ、井澤は「早く普通のライブもやりたいけどね。『音でけえ』と思うんだろうなあ」と本音を口にした。ライブ終盤、LITEは細かなブレイクを挟む楽曲構成の「Contemporary Disease」で、遠隔にも関わらず強烈なグルーヴ感を生み出した。

チャット欄にアンコールを求めるコメントが勢いよく流れる中、サプライズゲストとして台湾からElephant GymのKT Chang（B, Vo）が配信ライブに参加。Elephant GymはLITEと2019年に北米ツアーを共にした間柄であり、最近ではコロナ禍の日本を支援するためのクラウドファンディングも行っている。KTを迎えたLITEは、ツインベース編成でこの日2度目の「Ghost Dance」をプレイ。演奏序盤こそ国をまたいだリモートセッションに若干苦戦した様子を見せていたが、彼らは演奏を続けるうちに息を合わせていき、見事なアンサンブルを聴かせた。笑顔で演奏を終え、通常のライブでの再会を誓った。

なおこの配信ライブの模様はアーカイブ公開されている。