
再生数急上昇ソング定点観測 (2023年10月1週目) [バックナンバー]
「槇原ドリル」ブームでTikTokユーザーが槇原敬之に注目 / 「人マニア」は新たなボカロアンセムになるか
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2023年10月6日 18:30 20
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」がスタート。今週は9月28日発表のミュージックビデオランキングと楽曲ランキングのトップ100から、要注目トピックをピックアップします。
文
YouTubeのミュージックビデオランキングで今回初めてランクインしたのは、11位の
そんな今週は、下記の3曲に注目した。
ナヨン「NO PROBLEM(Feat. Felix of Stray Kids)」Band Live Clip.
※YouTubeミュージックビデオランキング 週間44位
しかしナヨンが28歳を迎えた9月22日に、彼女が生演奏をバックに歌う「NO PROBLEM(Feat. Felix of Stray Kids)」のMVが公開され、わずか10日間で300万回再生を突破。ナヨンが初めて「NO PROBLEM」をパフォーマンスしているだけでなく、バンドを従えている様子も新鮮で、そのうえフィリックスも参加したとあって、瞬く間に世界中のK-POPファンの間で話題となった。
槇原敬之「もう恋なんてしない」
※YouTubeミュージックビデオランキング 週間63位
この曲がリリースされたのは1992年のこと。ポケベルが誕生した年に生まれた失恋ソングで、100万枚を超えるミリオンセラーを記録し、30年が経った今も多くの人に歌い継がれている名曲だ。実は今、TikTokで「槇原ドリル」というアンオフィシャルなこの曲のリミックス音源がバズり、これでダンスすることが若者の間で大流行している。
544 6th Aveが踊る槇原ドリル
ドリルミュージックとは、2010年代にシカゴで流行ったヒップホップのサブジャンル。銃、暴力、ギャングの抗争を想起させる不穏な音楽で、チーフ・キーフとDJ Kennが作ったと言われている。その後、UKドリルやブルックリンドリルと派生し、グローバルなジャンルへと進化を遂げて、日本でもドリルスタイルのラッパーやビートメイカーが増加した。そんなドリルと
原口沙輔 feat. 重音テト「人マニア」
※YouTube楽曲ランキング 週間89位
楽曲ランキングからは89位の「人マニア」を紹介する。
SASUKE「平成終わるってよ」ミュージックビデオ - YouTube
若くして華々しい実績を持つ彼は、今年5月にアーティスト名をSASUKEから原口沙輔に変更し、1stアルバム「アセトン」をリリース。その後、自身初のボーカロイド楽曲「人マニア」を発表すると、この曲がネット最大級のボカロイベント「ボカコレ2023夏」で投稿数6600曲中の11位に輝いた。さらに、Billboard JAPANが発表するニコニコ動画ランキング「ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20」では9月20日公開分から3週連続で1位を獲得している。9月24日には
月ノ美兎withブラクラーズ「人マニア」
「ポリエステルの仕事はムリか」「金で殺して愛を買うね」など無機質な歌声から繰り出される批評性の高い歌詞。そして1音目から釘付けになるサウンドに加え、何度も聴きたくなる中毒性のあるメロディは、CDの売り上げ以上にストリーミングの視聴回数が重要視されている今の音楽シーンにおいて、まさにヒットするべくしてヒットした楽曲と言える。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
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島袋孝一 « しまこ 𝕏 » @simakoo1
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