映画ナタリー Power Push - 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」

石原さとみインタビュー 役への不安、役への愛

取材・文 / 伊東弘剛 撮影 / 笹森健一

キャラクターの声に耳を澄ませる

──石原さんの演じられたハンジは、原作の中でも人気の高いキャラクターですが、原作は読まれましたか?

石原さとみ

はい。この映画のオファーをいただいてから読んだんですけど、本当にハマっちゃいました。一気に全巻読んでしまうくらい。

──それは原作の世界観に引き込まれたということですか?

そうですね、あとはキャラクターの魅力とか。でも、ハンジを演じることを意識しながら読んだので、客観的には読めなかったんです。だからハンジがあまり出てこない巻はすごくすらすら読めましたね(笑)。あとアニメでも、ハンジが出ていないシーンはワクワクして観れるんですけど、ハンジが出たらもう勉強、仕事モードになっちゃって……。

──仕事への熱意が鑑賞の楽しみを邪魔してしまったというお話でしたが(笑)、その勉強の部分を詳しく教えていただけますか。

そうですね、原作やアニメで所作や癖などを見つけて自分の中のハンジ像を少しずつ組み立てていきました。あとアニメ版のハンジのしゃべり方や声のトーン、話す速度などを特に参考にしました。

──アニメ版のハンジの声は、女優としても活躍されている朴璐美さんが担当されていますね。

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より。

実は、アフレコの前から電話でずっと相談に乗ってもらっていて。「こういうときは、どうやって叫びますか?」「こういう場面なんですけど、どういう息遣いをしますか?」とかいろいろと質問を聞いてもらって、役を組み立てる参考にしました。

──マンガの実写化作品に出演するとき、一番気を遣うのは声? 例えば水城せとなさんの同名マンガを原作にしたテレビドラマ「失恋ショコラティエ」に出演したときはどのように役作りをしたんでしょうか?

参考にするものがマンガしかなければ、声のトーンとかは気にしないです。したくても参考にできないので(笑)。「失恋ショコラティエ」のときは、原作に描かれたファッションやメイク、髪型とかをすごい研究しましたね。原作キャラクターの雰囲気が出るように。でもアニメ化されると声が付いて、キャラクターの印象が作られるじゃないですか。だからアニメがある作品のときは、その声に近づけるよう強く意識しますね。

石原さとみに戻ってしまう瞬間が怖い

──人気マンガの実写化ということで賛否両論が起こることが予想されたかと思いますが、そのことについてはどのように考えられていました?

そうですね……。原作のマンガが好きな友達に、私がハンジやるって言ったときは「いやいやいや」っていう反応が返ってきて(笑)。それには、「素直すぎるだろ」って思いましたけど、私がハンジに扮している写真を見せたら、すごい喜んで「ハンジだ!」と言ってくれたんです。

──原作好きも認めてくれた。

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より。

そうなんです! 写真を見せたあとは作品に期待を寄せてくれて。役作りの上で有意義な情報をいろいろともらいました。でもクランクイン前も、撮影中も「私はこんなにハンジのことが好きなんだ!」みたいな熱い話を何回も聞かされて(笑)。「私が演じるキャラクターをこんなにも愛している人がいる」っていう事実に大きなプレッシャーを感じました。もちろん、それは意味のあるものだったし、とてもありがたいことだと思っていました。

──朴さんからも、原作ファンのご友人からもさまざまなアドバイスをいただいたかと思うのですが、石原さんはハンジをどのように捉えていたんでしょうか?

うーん……どうだろう。物語上、エレンやミカサはわかりやすく原作と違う部分があるけど、ハンジはそこまで大きな違いはないように思えて。だからなんですかね、監督やスタッフの方から大きな注文というものもなかったんです。なので私のほうから質問を投げたり、意見を言ったりしてキャラクター像を固めていきました。それに繰り返しになってしまうんですけど、撮影中はとにかく声に気を付けましたね。あとはほかの人と対話をしない感じ。

──対話をしない感じ?

石原さとみ

ハンジって自分の世界に没入しているキャラクターなんです。人と対面で会話をするシーンも少ない、というよりほとんどない。だから現場での気持ちの持っていき方には、強く注意を払いました。

──原作でも巨人に対する距離感や考え方が独特ですよね。

そうなんです。そのキャラクターの個性も踏まえてなんて言うんだろう……キャストの人たちとは現場での待ち時間以外はあんまり一緒に過ごさないようにしました。常にハンジでいられたらいいんですけど、石原さとみに戻っちゃう瞬間が怖くて。それにキャスト内で親しくなりすぎると、役のあり方とブレてしまうので。

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「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」全国東宝系にて公開中 / 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」2015年9月19日より全国東宝系にて公開

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
スタッフ

監督:樋口真嗣
原作:諫山創(講談社「別冊少年マガジン」連載中)
脚本:渡辺雄介、町山智浩
特撮監督:尾上克郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「SOS」
音楽:鷺巣詩郎

キャスト

エレン:三浦春馬
シキシマ:長谷川博己
ミカサ:水原希子
アルミン:本郷奏多
ジャン:三浦貴大
サシャ:桜庭ななみ
サンナギ:松尾諭
フクシ:渡部秀
ヒアナ:水崎綾女
リル:武田梨奈
ソウダ:ピエール瀧
ハンジ:石原さとみ
クバル:國村隼

石原さとみ(イシハラサトミ)

1986年12月24日、東京都生まれ。2002年、第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン「ピュアガール2002」でグランプリに輝き、2003年放送の「窓を開けたら」でドラマ初主演を務める。同年、映画デビュー作「わたしのグランパ」での演技が高く評価され、第46回ブルーリボン賞新人賞をはじめ多数の映画賞を獲得。2005年のドラマ「WATER BOYS2」でエランドール賞新人賞、2006年公開「北の零年」で第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞に輝いている。

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