横浜流星×藤井道人×スターサンズが放つ衝撃作「ヴィレッジ」から各界著名人12名が受け取ったもの

横浜流星の主演作「ヴィレッジ」が4月21日に全国で公開される。日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「新聞記者」、大ヒットとなった「余命10年」の藤井道人が監督を務め、スターサンズが制作した本作は、ある村を舞台に1人の男の変化と社会構造の歪みを浮き彫りにするサスペンス。同調圧力、格差、貧困といった現代日本社会が抱える問題がリアルに投影されている。

映画ナタリーでは本作を鑑賞した各界著名人からのコメントを掲載。それぞれの「ヴィレッジ」への思いをしたためてもらった。

文 / 平野彰

横浜流星×藤井道人×スターサンズ、
日本映画界の雄が満を持して投じる衝撃作

主演を務めたのは今や引く手あまたなスター俳優・横浜流星。生まれ育った村で過去に父親が起こした事件によって周囲から蔑まれ、絶望しながら日々を生きる主人公・片山優を演じた。あるきっかけから一筋の光を見出し、懸命に生きていこうとする優には、横浜自身が俳優として感じている迷いや恐れも反映されているという。

そんな横浜と6度目のタッグを組んだのは、大ヒット作「余命10年」でも監督を務めた藤井道人。盟友である横浜とは脚本執筆段階からディスカッションを重ねてロケハンを一緒に行い、優という主人公をともに作り上げ、「今まで見たことがない横浜流星」を引き出した。

横浜流星演じる片山優(右)。

横浜流星演じる片山優(右)。

横浜流星演じる片山優。

横浜流星演じる片山優。

そして本作を制作したのが、気鋭の映画会社スターサンズだ。「新聞記者」のほか「宮本から君へ」「MOTHER マザー」「ヤクザと家族 The Family」「空白」などを手がけたスターサンズの代表・河村光庸は2022年6月に急逝したが、世に一石を投じる彼のスタイルは「ヴィレッジ」にも確かに受け継がれている。

黒木華演じる中井美咲(左)、中村獅童扮する大橋光吉(右)。

黒木華演じる中井美咲(左)、中村獅童扮する大橋光吉(右)。

古田新太演じる大橋修作(左)、横浜流星扮する片山優(右)。

古田新太演じる大橋修作(左)、横浜流星扮する片山優(右)。

黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、中村獅童、古田新太ら豪華キャストが集結

優に生きる意味と希望を与える幼なじみ・中井美咲を演じたのは、藤井の監督作「余命10年」にも出演した黒木華。彼女は「初共演の横浜さんとも、藤井監督の演出のもとでお芝居のやり取りをより深くできたと思っているので、このような機会を与えてもらい光栄でした。今までに観たことがない映画になると感じています」と振り返る。

横浜流星演じる片山優(左)、黒木華扮する中井美咲(右)。

横浜流星演じる片山優(左)、黒木華扮する中井美咲(右)。

古田新太演じる大橋修作(左)、木野花扮する大橋ふみ(中央)、一ノ瀬ワタル演じる大橋透(右)。

古田新太演じる大橋修作(左)、木野花扮する大橋ふみ(中央)、一ノ瀬ワタル演じる大橋透(右)。

古田新太は豪腕運営で村を牛耳る村長・大橋修作役、中村獅童は修作の弟である刑事・光吉役で出演。修作の息子・透を「宮本から君へ」の一ノ瀬ワタル、大橋一族の要・ふみを「愛しのアイリーン」での怪演も記憶に新しい木野花が演じた。借金返済のためゴミ処理場で働く筧龍太に扮するのは「MOTHER マザー」の奥平大兼。裏で村を支配するヤクザ・丸岡勝役で杉本哲太、優の母・君枝役で西田尚美が脇を固める。

そして美咲の弟・恵一を演じた作間龍斗(HiHi Jets / ジャニーズJr.)は、物語の先へとつながる“超重要シーン”を担った。

横浜流星演じる片山優(左)、奥平大兼扮する筧龍太(右)。

横浜流星演じる片山優(左)、奥平大兼扮する筧龍太(右)。

作間龍斗演じる中井恵一(左)、黒木華扮する中井美咲(右)。

作間龍斗演じる中井恵一(左)、黒木華扮する中井美咲(右)。

著名人12名からコメントが到着!
※順不同、敬称略

舘ひろし(俳優)

舘ひろし

現代社会が作り出した人間のダークサイドを圧倒的な演出と迫真の演技で
映画の世界に引き込まれて行く。
そこには藤井道人監督ならではのリアルが存在している。
故河村プロデューサーが追求した魂の叫びが見事に表現され、
若い才能たちによって生き続けている。
これぞ映画のあるべき姿だと。

プロフィール

舘ひろし(タチヒロシ)

1950年3月31日生まれ、愛知県出身。1975年にオートバイチーム・クールスを結成し、レコードデビュー。1976年に「暴力教室」で銀幕デビューを飾った。「西部警察」シリーズや「あぶない刑事」シリーズで知られるほか、主な出演映画に「野性の証明」「免許がない!」「終わった人」「アルキメデスの大戦」「ヤクザと家族 The Family」「鋼の錬金術師 完結編」などがある。

石原さとみ(女優)

石原さとみ

“ゴミクズ”が憎くて切なくて…炎が美しく感じました。
優は心が強くないと演じられないです。
この作品を完成させた藤井監督も横浜さんも、皆さん…本当に精神が強い方々です。
凄すぎます。

プロフィール

石原さとみ(イシハラサトミ)

1986年12月24日生まれ、東京都出身。2003年に映画「わたしのグランパ」で女優デビューを果たす。2005年公開の「北の零年」で第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2016年公開の「シン・ゴジラ」、2021年公開の「そして、バトンは渡された」でも日本アカデミー賞の優秀助演女優賞に輝いた。近年の出演作には映画「忍びの国」「決算!忠臣蔵」や、ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」「アンナチュラル」「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」「恋はDeepに」などがある。スターサンズ企画の主演映画「ミッシング」が2024年に公開。

見城徹(編集者)

見城徹

人間の生きる営みの根源を時代を通底させて甦えらせた現代の神話世界。
観客は[人間の業を見つめ続けた能楽]と[欲望渦巻く日本の村]が捩り合った
強烈な一夜の夢に犯されて身じろぎも出来なくなる。
何という哀切! 何という官能! 藤井道人監督の離れ業に感嘆を禁じ得ない。
主演の横浜流星は愚か者たちの絶望と歓喜を背負って圧倒的な物語の主人公として神がかって立っている。
とんでもない映画が誕生した。

プロフィール

見城徹(ケンジョウトオル)

1950年12月29日、静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、1975年、角川書店に入社。「野性時代」副編集長「月刊カドカワ」編集長を経て41歳で取締役編集部長に就任。1993年に角川書店を退社して幻冬舎を設立し、29年間で25冊のミリオンセラーを世に送り出す。著書に「編集者という病い」「たった一人の熱狂」「読書という荒野」などがある。

家入レオ(アーティスト)

家入レオ

目は心の窓。生きた目をした人間がこの物語の中に一体何人いただろうか。
もうこれ以上傷付きたくない、と自分を守るつもりでついた嘘がゆっくりと他人を殺していく。
そんな風にしか自分を守る術を知らない人間を、愚かだと私は笑えない。

プロフィール

家入レオ(イエイリレオ)

1994年生まれ、福岡県出身。2012年2月にシングル「サブリナ」でメジャーデビューを果たし、1stアルバム「LEO」でオリコン2週連続2位を記録する。同年「第54回 輝く!日本レコード大賞」で最優秀新人賞を受賞。以降もコンスタントにリリースを重ね、2017年の4月には初の日本武道館公演を行った。同年、藤井道人らが監督を務めたドラマ「新宿セブン」に出演。2022年2月にデビュー10周年を迎え、それを記念したベストアルバム「10th Anniversary Best」をリリースした。2023年2月、アルバム「Naked」を発表。年内に2本のツアー開催が決定している。

内田英治(映画監督)

内田英治

作り手たちの痛々しいまでの気迫に惹き込まれる。それが役者さん方に伝播し、内面が透けるほどの純粋な演技が生まれる。ああ映画だ。参加者全員のエネルギーが集約された表現。それがこの映画だ。

プロフィール

内田英治(ウチダエイジ)

ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。週刊プレイボーイ記者を経て映画監督に。伊藤沙莉主演「獣道」が2017年に公開されたのち、脚本・監督を担ったNetflixシリーズ「全裸監督」シーズン1が2019年に全世界で配信された。2021年には「ミッドナイトスワン」が日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝く。2022年には「異動辞令は音楽隊!」が公開。再び伊藤を主演に迎えた最新作「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」はブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルト国際映画祭で受賞。日本では2023年6月30日に公開される。

押切蓮介(マンガ家)

押切蓮介

いやだいやだいやだ!
努力より向上心より勇気より希望より愛よりも
人間の業と悪が全てを飲み込んでしまう事を
証明させられるじゃないか!
いやだ!! オラはこんなムラいやだぁ!!

プロフィール

押切蓮介(オシキリレンスケ)

1979年9月19日生まれ、神奈川県出身。1998年にヤングマガジン「マサシ!!うしろだ!!」でデビューし、「でろでろ」などホラーギャグの分野で人気を博す。主な作品に「ミスミソウ」「ピコピコ少年」「ゆうやみ特攻隊」「ぎゃんぷりん」「ハイスコアガール」「狭い世界のアイデンティティー」など。「ミスミソウ」は実写映画化、「ハイスコアガール」はテレビアニメ化も果たした。現在は月刊ビッグガンガンで「ハイスコアガール DASH」、怪と幽で「おののけ! くわいだん部」を連載中。

しんのすけ(映画感想TikToker)

しんのすけ

出る作品すべて全力投球な横浜流星くんだが、今回は“村に背負わされた闇”という閉鎖的で陰鬱な男を超熱演!!
もはや無敵‼
そして傑作「ひらいて」でも良かった作間龍斗くんは確実に今回で映画ファンが存在を覚えたはず。
2人の関係に胸が…🥹

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プロフィール

しんのすけ

1988年生まれ。MEW Creators代表取締役。京都芸術大学映画学科を卒業後、「水戸黄門」の助監督として業界に入り、「HiGH&LOW」シリーズなど多数の作品に参加する。2019年に映画感想TikTokクリエイターの活動を開始。イベント登壇や専門学校講師も行う。TikTokと東宝がタッグを組んだ映画祭「TikTok TOHO Film Festival」の審査員を担当。2022年に著書「シネマ・ライフハック 人生の悩みに50の映画で答えてみた」が刊行された。

津田健次郎(声優・俳優)

津田健次郎

自然豊かな美しき村に聳えるゴミ処理場の違和感。不都合なモノを捨て蓋をしてゆく。能楽の邯鄲の如く全ては一瞬の夢。だがそこには穴。映画は、役者陣の暴発を孕むエネルギーと共にパワフルに繊細に日本の暗部を照射。穴は何処に繋がっているのか…

プロフィール

津田健次郎(ツダケンジロウ)

6月11日生まれ、大阪府出身。アニメ、洋画吹替、ナレーターなどの声優業、舞台や映像の俳優業を中心に、映像監督や作品プロデュースなど幅広く活動している。主なアニメの出演は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」の海馬瀬人役、「呪術廻戦」の七海建人役、洋画吹替は「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レン役など多数。2019年に映画初監督作「ドキュメンターテイメント AD-LIVE」が公開され、2021年にはWOWOW「アクターズ・ショート・フィルム」にて監督・脚本作「GET SET GO」を発表した。連続テレビ小説「エール」で語りを務めたほか、俳優としてドラマ「最愛」「リバーサルオーケストラ」などに出演している。

成田悠輔(経済学者・起業家)

成田悠輔(写真:小田駿一)

成田悠輔(写真:小田駿一)

「世の中必要なもんだけで回ってるわけじゃねえだろ。」
というか、そもそもこの世や人生に必要なもんなんてあるんだろうか?
この映画はそんな問いを投げつけてくる。だが、それすらどうでもいい。
げに何事も一炊の夢なのだから。夢は能の一幕のように張り詰めた次の瞬間、
火事のように燃え散るだけだから。

プロフィール

成田悠輔(ナリタユウスケ)

1985年生まれ、東京都出身。イェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表取締役。専門はデータ・アルゴリズム・ポエムを使ったビジネスと公共政策の想像とデザイン。著書に「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」などがある。

二宮正明(マンガ家)

二宮正明「ガンニバル」1巻(日本文芸社)

二宮正明「ガンニバル」1巻(日本文芸社)

楽しいパチンコ、楽しきいじめ、楽しき帰郷にたまに慕情、

地獄の閉鎖空間の中で見えるそれぞれの幸福と絶望! 妬ましく追いかける過去に能が舞う!
本当のゴミは誰だ!?

小さな村で語られるは巨大なる社会!
これもひとつのエンタメや!!

プロフィール

二宮正明(ニノミヤマサアキ)

香川県出身。2016年、二宮志郎名義で描いた「リボルテック谷口」で第68回ちばてつや賞佳作を受賞する。「ドメスティックハピネス」でモーニング(講談社)の新・新人賞「第2回THE GATE」大賞を受賞。2016年から2017年にかけてモーニングに「鳥葬のバベル」を連載した。2018年には名義を本名の二宮正明に変更し、閉ざされた村を舞台とするサスペンス「ガンニバル」の連載を週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で開始。累計発行部数230万部を超える同作は主演・柳楽優弥でドラマ化され、ディズニープラスにて配信された。

深川麻衣(女優)

深川麻衣

村の中で、それぞれが光を掴もうと生きる姿がどうしようもなく生々しく、眩しく、苦しく。
最後の優の表情が忘れられません。
もしかしたらあったかもしれない別の結末について、何をどう選択したらよかったのか、答えの出ない問いがぐるぐると頭に浮かびましたが、それでも今生きている日々と同じで、自分なりに考え続けるしかないんだろうな、という結論に至りました。

プロフィール

深川麻衣(フカガワマイ)

1991年3月29日生まれ、静岡県出身。2011年から乃木坂46の1期生として活動をスタートし、2016年にグループを卒業。2018年に初主演映画「パンとバスと2度目のハツコイ」で第10回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞。主な出演作は、映画「愛がなんだ」(今泉力哉/19)、「僕と彼女とラリーと」(塚本連平/21)、ドラマ「まんぷく」(NHK/19)、「日本ボロ宿紀行」(TX/19)、「青天を衝け」(NHK/21)、「連続ドラマW ギバーテイカー」(WOWOW/23)など。2023年4月5日に「特捜9 season6」(EX)の放送がスタートした。

呂布カルマ(ラッパー)

呂布カルマ

ゴミがゴミでゴミを上塗り。こんな村無くなればいい。

プロフィール

呂布カルマ(リョフカルマ)

1983年生まれ。2010年にトラックメイカー・鷹の目とともにレーベル「JET CITY PEOPLE」を設立。2017年から2020年にかけてテレビ朝日系「フリースタイルダンジョン」に“モンスター”として出演し、知名度を上げる。2022年には新曲「Lucky Boy, Lucky Girl」がショートアニメ「なならき~Seven Lucky Gods~」の主題歌に。同年にACジャパンの2022年度全国キャンペーン広告「寛容ラップ」に起用され話題を呼んだ。バラエティ番組などでも活躍し、現在は山添寛(相席スタート)、加納(Aマッソ)とともにテレビ東京「正解の無いクイズ」にレギュラー出演中。

2023年4月14日更新