台湾映画「赤い糸 輪廻のひみつ」のヒットを記念し、監督の
「赤い糸」の大ヒットを受け来日
本イベントは「麻吉砥加電影presents『赤い糸 輪廻のひみつ』大ヒット感謝&新作待望特別企画『ギデンズ・コーが語る、ギデンズ・コーの世界』」と題し、12月27日・28日の2日間にわたって開催されるもの。「怪怪怪怪物!」を皮切りに、「ミス・シャンプー」「あの頃、きみを追いかけた」「赤い糸 輪廻のひみつ」の4作品が上映され、ギデンズ・コーはすべての回に登壇する。
2017年製作の「怪怪怪怪物!」は、ギデンズ・コーがオリジナル脚本を手がけた学園ホラー。いじめられっ子の高校生リン・シューウェイが、問題を起こしたことをきっかけにいじめっ子3人とともに奉仕活動を命じられ、ある老人の家を訪れたことから物語は動き出す。4人はそこで出会った“モンスター”を捕獲し独自の実験を始めるが、やがて恐怖の惨劇に巻き込まれていく。
本作は第30回東京国際映画祭ワールドフォーカス部門で披露されたものの、日本ではその後、イベント上映や配信に限られてきた。国内の上映権も切れており、貴重な機会とあって会場は満席。大きな拍手に迎えられたギデンズ・コーは「皆さんのおかげで日本に来ることができました。改めて映画を観たら、当時の自分と再会できたような気がします。このような機会をいただけて光栄です」と笑顔で挨拶した。
なお、この日の通訳を務めた高百合(こう・ゆり)は「怪怪怪怪物!」のラストで教室の外にいる生徒役として出演している人物でもあり、「(劇中に出てくるのは)私が通っていた高校です。実際はとても楽しい学校生活でした(笑)」と話して会場を和ませた。
「怪怪怪怪物!」撮影当時は「この世界に恨みがあった」
トークではまず、「赤い糸 輪廻のひみつ」が日本でヒットしていることへの思いが語られた。ギデンズ・コーは「この映画は、日本の配給の方たちに大切に守られてきたと感じています。いい映画でも、宝物のようにプロモーションしてもらえなければ力を発揮できない。強いつながりを感じて、自分への励ましになりました」と感謝。そして「『赤い糸』を観てから、今日初めて『怪怪怪怪物!』を観た方は?」と客席に問いかけると、多くの手が挙がる。両作の作風の違いを踏まえて、「たぶん皆さん、この映画を観て『この人、気分がよくない時期があったんだな』と思ったでしょう(笑)」と自虐気味に笑い、「『怪怪怪怪物!』の撮影当時はこの世界への不満や恨みがたくさんあって、それを忠実に作品に反映しました。でも誰の人生にも、救われる瞬間や新しい可能性がある」と振り返った。
自分は今でも小説家だと思っている
SNSで募集した質問コーナーでは、「映画用の脚本と小説を書くときの違い」について言及。「自分は今でも小説家だと思っていて、病院の問診票にも『作家』と書きます」と明かし、「映画を作るときも、ほかの監督とは少し違う自由さがあると思います」と自身のスタンスを語る。「あの頃、きみを追いかけた」や「赤い糸 輪廻のひみつ」が自ら手がけた小説の映画化であるのに対し、「怪怪怪怪物!」は完全オリジナル脚本。「原作がないので、構想から映像でイメージしていました。文字にするプロセスがなかったのは特殊なケースです」と説明する。一方で、「映画を撮り終えた頃、自分の人生も少し落ち着いて、あとから小説版を書きました」と述べ、小説版の結末についても紹介。「映画の中では十分に描ききれなかった優しさを、小説では補うことができました」と語った。
客席からも質問が挙がり、モンスターの設定について問われると「小説版では姉妹がモンスターになっていく背景を描いています。台湾の読者には『映画より面白い』と評価されてムカつきました(笑)」と率直に打ち明ける場面も。そして「“太陽”は最初から決めていました。いつも結末を先に決めて、そこから逆算して物語を書いています」と解説する。
また残酷シーンの描写について「あえて見せなかったのか?」と聞かれると、「予算がなかったんです。そのおかげで上映前の年齢審査でR18にならなくてよかった。でもR指定にならなくても興行収入がよくなかったので、撮っておけばよかった(笑)」と裏事情を明かしつつ、「別の撮り方にしたおかげで、切なく詩的な感じに表現できたシーンもある。映画のすべての決定は、偶然でもあり運命でもあります」と答えた。
日本のマンガを実写化するなら……
日本のサブカルチャーの影響も色濃く反映されているため「日本のマンガを実写化するなら、どの作品?」という質問も。「日本のマンガと香港映画は、自分をクリエイターとして育ててきた栄養素」と述べ、「自分の作品が日本でマンガ化されたらうれしいけれど、日本のマンガを映画化しようとは一度も考えたことがありません。考えるだけで恐縮してしまう」と回答。その後も「通訳の間にも一生懸命考えましたが……やっぱり思いつかないです」と言いつつ、「『柔道部物語』(の映画化)は一瞬だけ考えたことがあります。主人公の眉毛が面白い形になっているんです」と打ち明けた。
最後に「(本イベントで)これから上映される作品は、人生でハッピーな時期に撮った映画です。ちゃんと黒字にもなりました(笑)。観れば当時の自分がどれだけ幸せだったかわかると思います」とコメントを残し、イベントは温かな拍手の中で幕を閉じた。
ギデンズ・コーの映画作品
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【九把刀氏】ギデンズ・コー来日「日本のマンガは自分を育てた栄養素」、「怪怪怪怪物!」も振り返る
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