ジブリ美術館「『山脇百合子の仕事部屋』展」内覧レポート、「ぐりとぐら」絵本作家の部屋を再現

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企画展示「『山脇百合子の仕事部屋』展 ~ごちゃごちゃから見えるもの~」が明日11月19日から2027年5月まで、東京・三鷹の森ジブリ美術館で開催される。本日11月18日に内覧会が行われた。

「『山脇百合子の仕事部屋』展 ~ごちゃごちゃから見えるもの~」では「ぐりとぐら」の絵本作家・山脇百合子の仕事部屋を再現

「『山脇百合子の仕事部屋』展 ~ごちゃごちゃから見えるもの~」では「ぐりとぐら」の絵本作家・山脇百合子の仕事部屋を再現

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児童文学作家の姉・中川李枝子と手がけた「ぐりとぐら」シリーズで知られる絵本作家の山脇(大村)百合子。2人の共作である「いやいやえん」の中の1話「くじらとり」や、絵本「たからさがし」「そらいろのたね」はスタジオジブリによって映像化されており、これらは宮﨑駿に「どうしてもアニメーションにしてみたい」と思わせた作品でもある。なお館内の映像展示室・土星座では11月19日から12月26日にかけて「くじらとり」が、2026年1月3日から31日にかけて「たからさがし」が上映される。

映像展示室・土星座で上映される「くじらとり」「たからさがし」

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館長の安西香月によるとジブリ美術館建設中の2000年、山脇の自宅を訪れて実際に部屋を見たことが展示の発端。このたび山脇の家族から声を掛けてもらったことで企画が実現した。安西は部屋を見た際に、ジブリ美術館の常設展示室に作ろうとしている“少年の部屋”に相通ずるものを感じたそう。また、そこで愛用品を1つひとつ説明する山脇の姿を目にして、誰からも愛される絵を生み出すことができる人柄に触れた。

安西香月

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展示は大きく2つのスペースに分かれており、第1室には高校生の頃から画業生活を送った山脇の仕事部屋を再現。机の上には眼鏡、ノート、辞書など愛用品が多数置かれており、中には「ぐりとぐら」のアイテムも。そして棚には、小学生の頃から読書家だった彼女の蔵書約2000冊がずらっと並ぶ。安西は「お部屋の中で子供が遊んでいた面影もあって、こういう部屋から温かい絵が生まれるんだなというのがにじみ出ています」と説明した。

山脇百合子の仕事部屋

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山脇百合子の仕事部屋に並ぶ本

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第2室には仕事で描いた絵に加え、子供たちのために描いた絵、趣味で取り組んだ作品、心を込めて描いた手紙・はがき、スケッチブックなどが展示されている。企画の構想を開始した2024年10月から、毎日山脇の絵を見続けたという安西は「走っているときや跳んでいるときの子供って、自分が消えるくらいの速度だと感じていると思うんです。百合子さんは子供が思い描いているものや気分を絵で表せる人」と魅力に言及。展示物の“すくすく身長計”には、背の高さに合わせて徐々に大きくなるよう動物が描かれており、そこからも子供のイマジネーションに寄り添って創作を続けた山脇の姿勢がうかがえる。そのほか版画、編み物、刺繍、パッチワークキルトといった彼女の“4大趣味”に関する作品も見ることができる。

山脇百合子が描いた年賀状イラスト

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山脇百合子が描いた絵

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山脇百合子が描いた“すくすく身長計”

山脇百合子が描いた“すくすく身長計” [拡大]

なお実物も20点ほどあるそうだが、多くは複製となっている。絵を長く展示すると色はげの可能性があったり、来場者にはがきの両面を見てもらったりするためだ。

山脇百合子が描いた「ぐりとぐら」の絵

山脇百合子が描いた「ぐりとぐら」の絵 [拡大]

また安西からは、山脇と宮﨑の裏話も披露された。宮﨑は「ぐりとぐら」の映像化も望んでいたが、「完成度が高すぎてアニメーションの入る余地がない」という理由で断念したという。

三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の完全予約制。毎月10日10時に翌月入場分のチケットがローソンチケットで発売される。11月分はすでに売り切れており、現在12月分の申し込みを受け付けている。

三鷹の森ジブリ美術館はもうクリスマス仕様(装飾期間は12月26日まで)

三鷹の森ジブリ美術館はもうクリスマス仕様(装飾期間は12月26日まで) [拡大]

「山脇百合子の仕事部屋」展 ~ごちゃごちゃから見えるもの~

開催日程

2025年11月19日(水)~2027年5月(予定)

開催場所

東京都 三鷹の森ジブリ美術館

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© Kentaro Yamawaki © Akemi Yoshihara © Museo d'Arte Ghibli

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