「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」新宿で開催、4作が日本未公開

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特集上映「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」が、11月8日より東京・K's cinemaで開催される。

「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」ビジュアル

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今回の特集では、1940年代から1950年代に製作されたフィルムノワールの中で、ギャング映画に焦点を当てた15作がスクリーンにかけられる。ジョセフ・H・ルイスの「暴力団」や、実在のギャング、ジョン・デリンジャーを描いたマックス・ノセック監督作「犯罪王デリンジャー」、リチャード・フライシャーの出世作「その女を殺せ」などがラインナップに並んだ。ロバート・アルドリッチの長編2作目「身代金誘拐事件」など4作は日本未公開となる。

「犯罪王デリンジャー」場面写真

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「身代金誘拐事件」場面写真

「身代金誘拐事件」場面写真 [拡大]

「悪の力」場面写真

「悪の力」場面写真 [拡大]

11月8日には、映画評論家の上島春彦と吉田広明を招いた開催記念トークイベントも実施。吉田は本特集の開催に際し「ノワールに侵食されたギャング映画=ギャング・ノワールが湛える闇は、ノワール以上に暗く、淀んでいる」とコメントを寄せている。

「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」開催概要

2025年11月8日(土)~12月5日(金)東京都 K's cinema

上映作品

「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」開催記念トークイベント開催概要

2025年11月8日(土)「暴力団」14:30回上映後
登壇者:上島春彦(映画評論家) / 吉田広明(映画評論家)

吉田広明 コメント

犯罪を描く映画としてギャング映画の後継となったのがフィルム・ノワールということになるが、その中に現れるギャングは30年代の最盛期にあった陽性の爆発力を失い、彼らの暴力は暗く、陰湿なものとなってゆく(「復讐は俺に任せろ」や「暴力団」)。ギャング自身が自己破滅 / 破壊的な存在だったり(「ギャングスター」、「ラケット(脅迫者)」)、ギャング(というかこの場合はその弁護士)にも同情の余地があり、必ずしも黒白が明確でなかったり(「悪の力」)、ギャング・ノワールは限りなく灰色の世界に近づく。ギャング組織に潜入する捜査官の孤独(「国境事件」)、誰が敵か味方か分からない疑心暗鬼の世界(「その女を殺せ」)。ギャングへの復讐心ゆえに揺らぐ、刑事とギャングの境界線(「復讐は俺に任せろ」)。ノワールに侵食されたギャング映画=ギャング・ノワールが湛える闇は、ノワール以上に暗く、淀んでいる。

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※記事初出時より、一部記述を修正しました。

読者の反応

浅野健太郎 @billywilder8

おお!!
これ凄いなぁ〜、これは、早めにチケット買わないと、シネフィル達で満席になるなww https://t.co/SU4vezzGJ1

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