「長崎―閃光の影で―」の
高瀬隼子の小説をもとにした本作の主人公は、早見有日というペンネームで小説家デビューし文学賞を受賞した長井朝陽。普段はゲームセンター「PAL」で働いている彼女だが、“早見有日”が注目されたことで兼業作家であったことが職場、友人、地元に知れ渡るように。しかし周囲の朝陽に対する接し方が少しずつ変化し、小説の世界が現実を侵食し始める。監督を「ぬけろ、メビウス!!」の
「辰巳」やドラマ「シナントロープ」で知られる森田は、作中で繰り広げられる“もう1つの物語”の主人公・ミサコ役に選ばれた。森田は「ミサコという浮ついた女の子、どこにでもいそうな一人の子が、朝陽の脳内で転がされているような。高々と笑う少女たちと朝陽の沸々とした表情が見えるシーンとのギャップは違う物語が地続きで紡がれているような感覚にもなり、面白く感じています」と本作の魅力を語っている。
さらに細田が朝陽の担当編集者・瓜原役、美山が朝陽の同僚ナミカワ役に起用され、中井が朝陽の幼なじみ・帆奈美役、久保田が朝陽の母役で参加。入来は朝陽のアルバイト時代の先輩サキヨ役、相馬はPALのマネージャー・木村役を担う。6名のコメントは後掲した。
「うるさいこの音の全部」は2026年冬に全国で公開される。なお同作のクラウドファンディングがMotion Gallery(モーションギャラリー)で実施中。リターンとしてオンラインプレミア試写会の参加権や、メイキング映像集、キャストサイン入り特別グッズなどが用意された。
森田想 コメント
ミサコという浮ついた女の子、どこにでもいそうな一人の子が、朝陽の脳内で転がされているような。
高々と笑う少女たちと朝陽の沸々とした表情が見えるシーンとのギャップは違う物語が地続きで紡がれているような感覚にもなり、面白く感じています。
撮影はこれからなので、原作や脚本と照らし合わせて、文学的で素敵な作品になればいいなあと思いつつ、現場の皆さんと一緒に作ることを楽しみにしています。
細田善彦 コメント
高瀬さんの原作は、作家の話ではありますが、ぼくが普段意識していなかった、あるいは意識しないようにしていた感情を事細かく掬い上げており、まるで自分自身の物語のように感じました。
練り上げられた映画脚本からは、原作へのリスペクトが感じられるだけでなく「無敵感漂う三人の後ろ姿」といったト書きなど、随所に村上さんの作風が感じられ、感銘を受けながら読み進めました。
加藤監督とご一緒するのは4度目ですが、打ち合わせの際に、オニツカタイガーの白い靴を履かれていて「あ、これ欲しかったやつだ」好きなものが似ているんだなと嬉しく思いました。
「加藤慶吾×川床明日香」という組み合わせは、非常に魅力的であり、完成が楽しみです。
川床さん演じる主人公、長井朝陽を見守る、芯の通った担当編集者、瓜原として、しっかりと存在できればと思います。
美山加恋 コメント
外側と内側の境目がわからなくなること、私もよくあります。「本当の自分ってなんだ」と私もいまだに悩みます。
生きてきた中で何かを間違ったこともあるし、自分にしかわからない罪もある。
ふと眠っていた感情が起きて来て、不安なのか怒りなのか、とにかく掻き消したくてたまに「んんはぁぁあ!(叫)」とか言ってます。(笑)
私は主人公と全く違う人生を歩んでいます。それでもこんなにも共感するということは、きっとこの気持ちは思っているより沢山の人と共感できるのかもしれない。
例えば、SNSの自分と現実にいる自分。
友達といる自分と1人でいる自分。
友達でも細分化されていくかもしれない。
あの人といる自分とこの人といる自分。
みんなどこかで違う自分を演じているかもしれない。
映画が完成した時、この気持ちはどこにぶつかっていくんだろう、ととても楽しみですし、この世界の住人として暫くの間生きることを私も楽しめればと思います。
中井友望 コメント
相手の求める自分、自分がなりたい自分、そこにどうにか追いつこうとする自分。人と居ても、ひとりで居ても、どうしたって何かにとらわれてしまう。でも結局その何かってなに?
わたし自身そんなことを多く考える人生でした。
そして、これからもきっとそうだと思います。原作、脚本を読みながら、そういうくるしさを消化する方法もやっぱりまた、表現でしかないのかな、と絶望でもありとんでもない希望のようなものを感じました。
撮影はこれからですが、そんな物語に関わらせていただけることを嬉しく思います。
久保田磨希 コメント
登場人物の感情のヒダがとても生々しく、そしてリアルで、けれどどれもが特別な事ではなくすべての登場人物に感情移入をしながら原作や台本を読みました。
主人公の長井朝陽のちょっと歪んだ考え癖は、母親との関係性から出来上がったものが大きいのではないかと思っています。
娘のことを愛していないわけではないけれど、とても無神経な母親、デリカシーのない人物というのを意識して演じようと思っています。
すべての人が自分の人生の主人公になりたい、けれどどの人も誰かの脇役であるということを見せてくれる映画だと思います。
私自身はどの立場か。
見てくださったあなたはどの立場でしょうか?
是非、劇場にその感情を体験しにいらしてください。
入来茉里 コメント
台本を読みながら、あーわかるなぁ…と、途中でふと自分のことを考える時間があったくらいの共感度でした。
人間関係における複雑で繊細な表現にどきどきして、読み進めるのが怖い瞬間も。
でもそれと同時に、現場ではこの世界観に溶け込めるリアルなお芝居がしたいなと撮影に向けての思いも込み上げました。
今は現場に行くのがとても楽しみです。
相馬理 コメント
私は今回主人公・朝陽が働くゲームセンター「PAL」のエリアマネージャーの木村を演じます。
台本を初めて読んだとき、主人公が周囲からの見られ方に悩み、葛藤していく姿にサラリーマンとして働いていた頃の自分を思い出してとても共感しました。
そして、加藤慶吾監督とは久しぶりの再会となり、またご一緒できることを本当に嬉しく思っています。
この作品がどんな映像になるのか僕自身もとても楽しみにしていますので、是非たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!
森田想の映画作品
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文藝春秋 文藝出版局 @BunshunBungei
高瀬隼子さん『うるさいこの音の全部』映画化のキャストが公開されました! 2026年冬の公開が楽しみです。 https://t.co/ZeZdTBbUZ1