映画評論家・柳下毅一郎が有料Webマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」に発表している邦画レビューを集めた書籍「皆殺し映画通信 破滅へあと三歩」が、9月26日にフィルムアート社より刊行された。
柳下が真の“最先端の日本映画”とともに現代を問う本書には「
「皆殺し映画通信 破滅へあと三歩」目次
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なぜこんな映画を作ったのか──なぜザビエルなのか? なぜミュージカルなのか? ひたすら謎なばかりである
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YouTubeに夢をいだき、YouTubeに裏切られる悲しい男の話が映画に
それにしても野球YouTuberとはなんなのか
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能登地震、東日本大震災、コロナ禍の三度の危機を乗り越えてきた加賀温泉に能登半島地震
ぜひ加賀温泉に行きましょう!
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非合法に片足突っ込んだフィリピンパブ地方映画で町おこしとは春日井市も立派である
「劇場版マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」
即興劇ミステリーも、見ている側にとっては単に下手な演技
「四月になれば彼女は」
そうかこいつも岩井俊二フォロワーだったか! 岩井俊二的記号が飛び交うエセ岩井俊二映画
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キャバクラ映画があるならホストクラブが映画を作ってもいいじゃないか!
というわけで大阪ミナミのホストクラブが製作。主役は現役ホスト!
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「大阪シリーズ第10弾!」って知らないよ!
まるで誰も知らない映画を延々と見続けているのに一向に知名度のあがらない皆殺し映画通信!
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兵庫県明石市発の家族映画は「恋人はシャブ中」
たとえ愛があろうと薬物中毒は乗り越えられない
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こんなタイトルつけてあたかもいい話みたいに語ってしまう無自覚なミソジニーっぷりが、町興しの映画としては完全に失敗しているのではと思わずにいられない
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待ってました! と言っても待っていたのはこの世で俺一人であろう、四年ぶり第三弾
次回作は作られないままシリーズ終了なのでしょう
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地方映画といえば、東京で夢破れたアラサー女子が故郷に帰る話だ、と喝破したグ・スーヨン
それがなんでこうなるの?
「逃走中 THE MOVIE」
バラエティ番組をドラマにして劇場版とか、いったい何を考えているのかと思ったら、世にも安易な映画化脚色がまた一本
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いまどき「転校生」かよ! 百万回擦りたおされたネタを、今更本当になんのひねりもないままに……
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銀座四丁目交差点にある公衆電話のタイムマシンでタイムトラベル
ザギンのシースー屋は出てきません。じゃあなんなんだこのタイトル!
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「日本一のバス運転手」を目指す新人バス運転手が主人公のバス映画が誕生
しかしほとんど事件らしい事件も起こらない……
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銀座の高級クラブのコロナ禍の日々を描く「コロナ・エクスプロイテーション映画」
銀座のクラブみんな滅べば世の中ちょっとはマシに……
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地方の本屋で「いやあすばらしいですねえ」と吉田類のようなおべんちゃらを言い、また次の本屋へ……
その数珠つなぎで作られた書店応援ロードムービー
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カーリングの神様は、手に珠を握った龍のかたち……ってドラゴンボールのシェンロンじゃないか!
そんな使いまわしみたいな神様でいいのか!
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「侍タイムスリッパー」以上に、あんたなんのために来たの?と問いたくなる無意味タイムスリップ映画
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「史上初、釣り恋愛映画」鮎は美味しそうだし、カメラはしっかりしていたけれど、なんでこんなドラマにしたのかはさっぱりわからず
「聖☆おにいさんTHE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団」
福田雄一映画、二年ぶりの登場。このまま消え去ってしまうのか……
とほのかな希望さえ抱きつつあったのに
「海の沈黙」
倉本聰原作・脚本。構想六十年、巨匠が映画の脚本を書くのは三十六年ぶり……
ともなるといろいろ忘れてることもあるみたいで
「グランメゾン・パリ」
正月映画の大本命はTBS放映の連続ドラマの映画版完結編
またこのパターンか……
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地方映画兼UMA映画、こんな美味しいネタを見逃せるわけがない!
「スオミの話をしよう」
男の身勝手さに翻弄される女性を描くつもりがただの悪女に、上から目線のいつもの三谷幸喜流コメディができあがった
◉皆殺し映画通信LIVE収録
第一部 皆殺し映画2024総決算
第二部 皆殺し映画放談2024
柳下毅一郎(映画評論家) × 轟夕起夫(映画評論家)
皆殺し映画リスト
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柳下毅一郎による邦画レビューを集めた書籍「皆殺し映画通信 破滅へあと三歩」発売
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