「木の上の軍隊」山田裕貴の目に大粒の涙、堤真一は「僕は泣きません!」

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映画「木の上の軍隊」の公開記念舞台挨拶が7月25日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの堤真一山田裕貴津波竜斗、監督の平一紘が登壇。出演者でもあるガレッジセール川田広樹が司会を務めた。

「木の上の軍隊」公開記念舞台挨拶の様子。左から川田広樹、平一紘、堤真一、山田裕貴、津波竜斗

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「木の上の軍隊」ポスタービジュアル

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井上ひさし原案の舞台をもとにした本作では、太平洋戦争で熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄・伊江島を舞台に、終戦を知らないまま2年間を木の上で生きた2人の日本兵の姿が描かれる。堤が宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄、山田が沖縄出身の新兵・安慶名(あげな)セイジュンを演じ、セイジュンの幼なじみ与那嶺幸一に津波が扮した。

堤真一

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山田裕貴

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沖縄で先行公開されたのち、昨日7月25日に全国で封切られた本作。堤は「ようやく全国公開を迎えて本当にうれしいです。これで宣伝のためにバラエティ番組に出なくて済む! でも楽しいキャンペーンでした」と述べ、笑いを誘う。山田は「改めて今日から全国でも観てもらえるんだと思うとうれしいです」と語り、「古くから付き合いがある岩永ひひおさんが『お前とんでもない映画を生み出したな。本当によかったぞ』と泣きながら電話をかけてきたんです。身内から、そんなテンションで電話がくるのはなかなかないこと。お二人(山口静雄氏、佐次田秀順氏)の実話をもとにしたストーリーが伝わったとうれしかったです」と喜んだ。

沖縄県の映画館には、山田裕貴の発案で感想ボードが飾られている

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佐次田秀順氏の曾孫が書いたメッセージ。山田裕貴はしばらくSNSの固定ツイートにしていたそう

佐次田秀順氏の曾孫が書いたメッセージ。山田裕貴はしばらくSNSの固定ツイートにしていたそう[拡大]

沖縄の映画館には、山田の発案で感想ボードが設置されている。平一紘は「今ではカラフルな付箋に書かれた感想がたくさん貼られていてすごいことになっています。安慶名セイジュンのモデルになった佐次田秀順さんの曾孫さんが『ひいおじいちゃんカッコいい!』と書いてくれた付箋もあります」と紹介し、山田は「それがすごくうれしくて、曾孫さんが書いてくれた付箋の写真をしばらくSNSの固定ツイートにしていました」と明かした。

左から堤真一、山田裕貴

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津波竜斗

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イベント終盤には本作のモデルとなった山口静雄氏と佐次田秀順氏の家族からの手紙がサプライズで読まれる一幕も。山口氏の三女・平春子氏は「堤さんが様々な取材の中で父に対する配慮の言葉をかけて下さる事が何よりうれしかったです」と、佐次田秀順氏の次男・佐次田満氏は「軍服姿の山田裕貴さんとお会いし、お父さんに会えたと思い、思わず抱きしめてしまいました」と伝えた。

これに山田は「この映画は明るく前向きな映画だと言ってきたので泣きたくなかったのに、これはずるくないですか?」と大粒の涙を流し、「絶対にこれがネットニュースに流れる。悲しい映画だと思われるような書き方は絶対にしないでください! 生きるということがテーマですから」とマスコミに注意喚起。堤は「役者をやっていくうえでの救いをいただきました。僕は泣きません!」と笑わせつつ、「山下一雄のモデルになったのは山口静雄さんですが、実は僕の死んだ父親と下の名前が漢字も含めて一緒。縁を感じたというか運命だと思いました」と振り返る。沖縄出身の津波は「おじいちゃんおばあちゃんが生き延びて命をつないできてくれたから僕らはこの世界に存在している。映画という媒体を通して皆さん1人ひとりの日常が素晴らしくてありがたいことなんだと伝えることができたらうれしいです」と口にした。

なお堤が本作のプロモーションで印象的だったのは、「山田裕貴のオールナイトニッポン」に出演したことだそう。山田は「7月28日の深夜1時から3時です。皆さんマジで聴いたほうがいいです。堤さんの言葉がすごすぎて本当に感動して、もはや堤さんのオールナイトニッポンで僕がゲストかのような気持ちになりました。すべての生きる人に語り継ぎたいラジオです。本作のテーマと一緒です」と猛烈にアピールした。

「木の上の軍隊」は全国で公開中。なお平春子氏、佐次田満氏の手紙全文は以下の通り。

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平春子氏 手紙全文

戦後80年という節目の年に父の戦時中の苦難の体験を映画という媒体を通して、多くの方々に知って頂ける事に万感の思いです。

私は父が生きて沖縄から還ってきてから産まれました。その命は子や孫へと受け継がれています。この映画を通して数多くの人々に「生きる」大切さを感じて頂ければ幸いと思います。

平監督、堤さん、山田さんが、この作品に対して並々ならぬ覚悟と熱意をもって取り組んで下さった事、TVのインタビューや新聞記事等で拝見する度に感謝の気持ちで一杯です。

特に堤さんが様々な取材の中で父に対する配慮の言葉をかけて下さる事が何より嬉しかったです。皆様の熱意が多くの人の心に届く事をお祈りいたします。

この映画のおかげで佐次田さんご子息と改めて深く関わる事ができました。おそらくその事を父は一番喜んでいるのではないかと思います。心よりお礼申し上げます。

佐次田満氏 手紙全文

戦後80年が経って戦争体験者が少なくなっていく中で、「2度と戦争はやってはいけない」と言っていた新兵の思いを映画で伝えてくれました。

木の上での撮影は大変だったと思います。堤真一さん、山田裕貴さん、そして平監督、横澤プロデューサーの熱意に感謝です。

年齢も性格も経験も違う2人が戦争で傷つきながら、極限状態の中で徐々に理解し合えるようになって、支え合ってきたから「生きる」事が出来ました。

軍服姿の山田裕貴さんとお会いし、お父さんに会えたと思い、思わず抱きしめてしまいました。軍服の堤さんをみた姉は父が帰って来た時にみた父の軍足の記憶が鮮明に蘇ってきたみたいです。

父が見た風景を繰り返さない為に、この映画がより皆様へ伝わる事を願っております。

映画作品情報

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©︎2025「木の上の軍隊」製作委員会

映画「木の上の軍隊」予告編

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